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――赤い。
左目が赤く、今まで漆黒に染まっていた翼に赤のグラデがかかったことによりブラックピットと運命共同体となったヤミ。
「ふん…いキ…」
「変わっタ…わネ…」
タナトスの足に踏まれているブラックピットを見て歯を食いしばり、二人を鋭く睨む。
「おうォう…こわイ…デス」
「ヤだ〜ッ」
「ゆる…さない。昔…みたいな…」
「ころ…す…」
「ぶっこわ……!!!」
翼を勢いよく広げ、超速に動き回る。かつての特訓とは段違いのスピード差で二人をとことん追い詰め、己のものになったダークネスラインをひと振りし、間一髪回避し。禍々しい矢をタナトスに向け、射撃。おっとっと、と回避しようとしたが狂気のスピードに避けきれず被ダメしてしまう。
「タナ…と…きゃあ…ッ!?」
「……死ね。」
その一言でなんとも言えない残酷な跡が残った。だがパンドーラはヤミの想像以上の力に怯み、今日のところは退散することに。
「……ブラピ。」
慎重にブラックピットへと近寄る。その直後、ナチュレが間に入り、状況だけを確認しに来たと。
「ブラックピット…!」
「って、そなたはあの時の!!」
「ちょうどいい。あの時の借りがまだじゃった。ここで付けさせて──と言いたいところじゃが今はそれより」
回復の奇跡でブラックピットの体を癒すその間にナチュレはビジョンを通してヤミに声をかける。
「ヤミ…そなたのその瞳と翼の変色は…まさか…!」
「…後で話す。」
「そうか。」
「まあ…幹部を救ってくれたのはこの目ではっきりと見た。家も何も無いじゃろ?そこでじゃ」
「派遣?」
「お、察しがいいのう。」
「その通りじゃ。入るのなら自然軍幹部に任命してやるぞ。本当はその前に試験があるんじゃが、そなただけは特別と言っていい。どうじゃ?返事はいくらでも待ってや」「やる」
返信速度がいかにも早すぎるためか、ナチュレは一瞬反応が遅れ、そうかそうか。と誤魔化し。正式に自然軍へと迎え入れることになった。回復が終了し、ブラックピットがついに目を覚ます。
「ん……うっ。」
「は……おま……その目と翼は…」
早速、ヤミの変化した姿に反応する。とは言っても目と翼が赤くなっただけでほかは対して変わらない。赤い瞳に黒赤の翼…ヤミらしい姿変わりになったとこれはこれで思う。
「おそらく、ブラックピットの影響で覚醒したんじゃろ。惜しかったのう…見たかったってのもあるが。」
「おっと、そうじゃった。
ブラックピットよ、今日から正式にヤミを我が自然軍に迎え入れることになった。何か一言あれば言え」
「は……マジかよ」
「その……なんだ……助けてくれたんだろ?なら少しばかり、礼はさせてもらうぜ。後々にな。
だから…よ、よろ……」
「ええい!そこははっきりと言うシーンじゃろ!
恥ずかしがることは無い。ドーンと言えばいいのじゃ!」
「じゃあお前は言えるのかよ!?この立場で!」
「おう。なんなら今からでも……」
「言うな。言わんでいい」
「ヤミ……改めてよろしくな」
「…!よろしく」