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「にゃ、にゃぽん!」
気がつくと学校の前門に居る
にゃぽんの頭の中は先程中国に言われた言葉で溢れそうになっていた
ぼーっと目の前を見つめるにゃぽんにバングラは心配しながら駆け寄ると、その肩にそっと手を置くが、なお微動だにせず表情も変えないにゃぽんにまた不安を募らせた。バングラはおずおずと手を出すと、それをにゃぽんの目の前で振って見せる
「にゃ、にゃぽん〜……?」
「んにゃ!…あぁ、バングラかぁ〜もぉ〜……びっくりしたァ〜」
にゃぽんの耳がピクっと動き、固まっていた体は魂を取り戻したようになめらかに動き出す
「ちゅ、中国先輩、なんて言ってた……?!」
そう聞いたバングラの目は、期待と興奮が入り交じっているのがわかった
ふと先程までの記憶が鮮明に思い上がり、にゃぽんは思わず顔をしかめる。きっと、バングラの期待を大いに外すだけでなく、傷つけてしまう可能性だってある。慎重に答えなければならない。
「ええっとねぇ…う〜ん……あっ!プレゼント、誰からのか言わなくってもバングラのだって気づいてたよ!良かったじゃん!」
バングラの表情がパッと明るくなり、頬がほんのり紅くなっていく。それを見たにゃぽんは、袖口をぎゅっと掴んだ。なぜかはわからないけど、居心地が悪いような気がした
「それで、中国先輩はなんて……?」
自分をよそに話を続けるバングラに、さらに嫌悪感が増していく。ちょっと意地悪してみようか、そんな気持ちになる。これが嫉妬というものなんだろうか。
にゃぽんは中国への怒りの感情とバングラへの嫉妬心で内心ぐちゃぐちゃになりながら、バングラへの最も適切な答えを探って、言った
「あ〜…、特に何も言ってなかったよ…お礼もなかった。」
バングラの表情が一気に曇っていく。眉をひそめ、取り繕うための作り笑顔も歪んでいった
「…うん、そっか。でも、しかたないよねっ。きっと慣れっこなんだよ、こういうの。」
「そうだね…、でも、お礼がないのは酷すぎだよー!」
ハッとしてフォローを入れるも、バングラの目はすでに涙で溢れそうになっていた
中国センパイのバカ。二度とプレゼントなんか貰うな。
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