テラーノベル
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『コレらのナカから正解を見つけてね』
そう言われて進んだ先には
6人 人間がいた
困惑する者
散策する者
寝ている者
泣き叫ぶ者
騒ぎ壊す者
傍観する者
色んな音がしてうるさい
耳が壊れそうだ
「あの、みなさん。」
そう声を掛けただけなのに怒鳴られてしまった
理不尽だ。酷い
泣いていた女が何か言っている
[わ、私…帰りたいです…。]
[皆さんは知りませんけど…]
[私、は…目が覚めたらここに居て…]
そう言った女にまた怒鳴った
怒鳴られた女は怯みまた泣き出した
うるさいからやめて欲しい
騒ぎ立てていた男の言い分はこうだった
〈勝手に被害者ぶってんじゃねぇ〉
〈俺だって目が覚めたらここに居たんだ〉
〈お前だけじゃねぇんだよ〉
という事だった
他の人の言い分もほとんど同じ
全員 目が覚めたらここに居たらしい
事前にやるべき事を知っているのも
なんとなくのルールを知っているもの
全部自分だけみたいだ
目的は何かの中から正解を見つけること
その何かとは何を示しているのか
中とは何の中なのか
そして正解とは一体何なのか
情報を持っていても分からないことが多い
周りを散策、とは言っても周りは特に何も無い
窓も扉も時計なども無い
あると言えば机とカトラリー、
それと明らさまに置かれた一冊の本だけ
これで何をしろと言うんだ
自分が来るまで散策をしていた女…か男が口を開いた
“何もないことはありませんよ”
女だったみたいだ
申し訳ない
“その証拠にこの本”
“この本には色々な国の料理などが書いてあります”
“カトラリーもあると言うことなので”
“料理や食事の何かをするのでは?”
“ガレット・デ・ロワ、
ここのところに付箋も貼られていますし”
さっきまで困惑して理解もしていなかった男が口答えをしてる
{いや、その…でも…さ}
{キッチンとか、料理とか}
{何も無いですよ…?}
散策していた女はそれに対し反論は出来ないようだ
【…マジでやばい状況の時は人を食べる】
【とかなんかで見た気がする〜】
【実際そういう種族?だかも居るらしいし?】
【そういうこと、なんじゃないの?】
今まで寝ていた癖に場を乱すような発言をした頭の悪そうな女
人を食べる
そういうのも あるのか
なるほどな
そう考えていた時
また耳が壊れそうな声が響いた
泣いていた女が頭の悪そうな女にカトラリーを刺していた
周りの人達も慌て騒ぎ
女たちを鎮めようとしていた
しかし、泣いた女は手を止めなかった
ずっと
[だってこの案を出した貴方が悪い]
みたいなことを言っていた
それはそうだ
その提案を出してしまえばいつかはこうなっていた
ならば提案を出した人が先にその案を実行されるべきだ
いつしかうるさい声は亡くなっていた
しかし中身は人と言うには
その原型を留めていなかった
直感的に
「ああ、コレは正解じゃない」
そう思った
泣く女の手に着いている液体も
赤でもワイン色でも無く
澄んだ青色だった
頭の悪い女は人では無かったのだろう
騒ぐ男もやらなきゃやられると思ったのだと思う
皆がカトラリーで遊び始めるのに時間はかからなかった
白く何も無かった部屋に
虹が架り夜明けのような静寂が訪れた
今はもうない扉から出てきた
情報を知っている男がこちらを向いた
「どれも違ったみたい」
「じゃあ正解は君か」
なぜワタシもなの?
ワタシはただこの男の心を覗いていただけだ
そうただ傍観する者だっただけなのに
男が彼女のナカから鍵を取り出し
どこからともなく出てきた扉を開いた
『よく見つけたね。正解だよ』
『とても面白いショーだったね』
『どうだったかな?怪物達の晩餐会は』
『ガレット・デ・ロワをモチーフにしてみたんだ』
『感想は様々だろうね。でも、』
楽しんで貰えたなら良かったよ
コメント
2件
誰目線というのが難しくなってしまいましたが ほぼ全て《傍観する者》の目線です 最後の数行はこのショーの主催者です