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鳥のさえずる音がする。窓からさす陽の光が俺の顔にかかり眩しさと暖かさで目を開ける。まだ慣れない天井と部屋の匂いにまた目を覚ます
🍍「ッ…!!」
勢いに任せて俺は上半身を起き上がせる。上も下も何も着ていなくて真っ裸のままで身体のダルさもまだ残っていた。
🍍「ッ…うっ……」(ポロポロ
昨日の事を思い出す。あのまま俺はアイツに朝まで尻を弄られた。やめろと拒んでも謝ってもやめてくれないし飽きたと思えば次に俺の乳首を弄り始め指の本数も増やし俺の反応を楽しんでいた。気持ち良い場所の刺激と飲んだ薬の効力とアイツの囁き声に俺の身体が痺れ、声が枯れて出なくなっても続けていた。
🍍「ッ…ぐすっ…ぅ…」(ポロポロポロ
起き上がっても身体の調子が良くなくてまた寝た。アイツに薬を飲まされ身体を預けてしまった事実となんで俺はこんな事をされなきゃいけないのかの疑問が頭に媚びりついては苦しくなって涙が出てくる。枕に涙を濡らしながらずっと泣いていた。
((コンコン
📢「……なつ」
🍍「ッ……!」(ポロポロ
アイツの顔を見たくなくて俺は掛け布団を顔の半分までかけ顔を枕で埋めて隠した。
📢「入るぞ?」
扉の開く音がする。顔を隠したからアイツの顔は見えない。でも次は何をされるか分からない恐怖に包まれてしまい身体の震えが止まらなくなった。
📢「……なつ?起きてるのか?」
アイツはそう言い俺が寝ている布団まで近づいてきた。彼の服の擦れる音や近づいて来る足音が大きくなっていく。
🍍「ッ………」(フルフル
📢「……なつ?」
🍍「ッ……?」(フルフル
声が変わった。昨日の冷たい声じゃなくて暖かくて耳に優しい低音で。 アイツは俺の名前を呼ぶと布団から出てる頭を優しく撫でた。それに思わずびっくりしてしまい身体が反応してしまったが俺は顔を隠し続けた。アイツも気づいてる癖に何も言わず俺の頭を撫で続けている。
🍍(…怖いッ…怖いのに……)
昨日の仕事帰りのアイツは目線も手も顔も冷たかったのに。今どういう顔をしてるのか少し気になってしまい思わず顔を少し上げてしまった。アイツを見れば狼みたいな鋭い怖さはなく蜂蜜のような優しい瞳をしていた。
📢「!…おはよ」
目が合うと初めて挨拶をされた。
📢「身体、痛くないか?」
🍍「ッ…だる…ぃ……」(ポロポロ
安心してしまい思わず泣いてしまった。声も掠れていて何も聞こえないだろうけど俺は頑張って答えた。
📢「ん…今日は寝てろよ?」(ポンポン
昨日酷いことをした癖にいきなり優しくなるなんて酷い奴だ。昨日みたいに俺の事を襲ってイき地獄にさせてもおかしくないのに。
🍍「ッ…もッ…何も”しなぃ”ッ…?」
📢「うん、何もしねぇよ?」(ナデナデ
🍍「ッ…こわ”ッ…ぃ”ッ…」(ポロポロ
📢「…何もしねぇから…泣くな」(ナデナデ
アイツはずっと俺が泣き止むまで頭を撫で続けていた。
また目が覚める。泣いている間に寝落ちてしまったのか窓の外を見れば太陽は少し真上に昇っていた。アイツはもう居ない。
🍍「……喉”…乾いた…」
喉はあまり治ってなかったが身体のダルさは多少軽減していた。服は何を着れば良いのか分からず適当にクローゼットにあったTシャツと新しいパンツを履いて廊下へ行った。
廊下へ向かうとトーストの焼ける匂いが充満していた。もうお昼になるからだろう。嗅いだだけでお腹がいっぱいになる香ばしい香りを辿って行った。
📢「!」
🍍「ッあ……」
キッチンを見ればアイツが料理をしている姿があった。昨日は散々俺にあんな事して顔も怖いアイツが。
📢「…昼飯は食えそうか?」
🍍「ッ…ぅん…」
📢「ん、冷蔵庫に麦茶あるから飲みな」
🍍「ッえ……」
📢「朝から何も飲んでねぇだろ?脱水症状になられたら困る。コップはそっちの棚だ」
意外と過保護な所が不気味だと感じたが俺はお言葉に甘えて麦茶を取りに行った。
📢「…はい」(コトンッ
大人しく椅子に座りちびちびと麦茶を飲んでると食事が出てきた。焼きベーコンを乗せたフレンチトーストにブロッコリーとトマトを乗せたグリーンサラダ、温かいコンポタージュと身体に良さそうなメニューが並べられた。正直食欲は無いが用意してくれたのだから俺は口をつける事にした。
🍍「ッ…ぃ…いただきます…」
📢「……ん、」
アイツはフレンチトースト等は無くてコンビニとかで売ってる10秒チャージのゼリーを吸いながらテレビを観ていた。
🍍「…食べなくていいの?」
📢「ん?…あぁ、朝飯がまだ腹ん中に残ってて腹減ってなくてな…」
そう言ってる間にももう吸い終わったのかパッケージはしおしおに凹んでいた。黒いTシャツを着て後ろで流れてるテレビを観るアイツは昨日の血がついたスーツを着て殺気を含んだ姿と一緒とは思えなかった。
📢「早く食いな、冷めるぞ」
🍍「ぇ…あ、はい…」
ナイフとフォーク でトーストとベーコンを一緒に切り口に入れる。舌に蕩けるトーストの甘さとベーコンの酸味が程よく混ざり口いっぱいに広がる。
🍍「ッ…美味しい…//」(クスッ
📢「…!」
1口食べれば少しずつ食欲が湧いてきて俺は無我夢中に食べていった。アイツが作ってくれた料理はどれも温かくて美味しくて身体が少しずつ回復するように温かくなった。
📢「…ゆっくり食べろよ?」
🍍「ッ!!…ん…///」
夢中で昼飯を食べてた俺は少し恥ずかしくなり食べる手を少しゆっくりになってしまった。そんな俺をアイツはずっと優しい目で眺めていた。
🍍「ッご馳走様でした…」
📢「…お粗末さま」
そう言うと立ち上がり俺の食器を回収し始め再びキッチンに戻ろうとする。
🍍「ッぁ…自分でやるよッ…」
📢「いや、いい。俺がするから」
相変わらず口が荒く仏頂面でカチンとくる。さっきまで俺の事をあんな優しい表情で見ておきながら。
📢「………」(カチャン…カチャ…
いや、これも彼なりの優しさなのだろうか。最大限に俺を優しくしようとした結果がこれなんだろうか。まぁ誘拐して俺を犯した時点で優しくなんてねぇだろうけど。
🍍「…ありがと、いるま」
📢「…!」
初めて彼の前で名前を呼んだ。 感謝の意を込めて…いや犯罪者に感謝もクソもねぇけど。
するとまた俺の頭に温かい何かが乗った。見ればまたアイツは俺の頭を撫でている。
📢「…あぁ、それでいい」(ニコッ
🍍「ッ!!/////」
するとアイツも俺の前で初めて笑った。偽りのない優しい笑顔を向けた。そんな笑顔が俺の心臓を締め付ける
📢「それ飲んだら寝てろよ?」
そんな俺を置いてアイツは食器をキッチンに持っていき洗い始める。俺は顔の火照りを引かせる為にぬるくなった麦茶を飲み始めた。
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◎丹羽那津(17)
母子家庭に産まれた長男。勉強が得意で学年成績は毎回10位以内の秀才。運動は嫌い。こさめ、みことの兄であり、すちの恋人である。おつかいの最中にいるまに誘拐された。
◎紫燈いるま(26)
所属してるマフィアの構成員。腕っ節が強く面倒見も良いため部下にもカポ(ボス)にも慕われてるが持ち前の強面と雰囲気、強さで喧嘩を売られがち。なつを誘拐した犯人。