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あやつへ「あい」を。
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創造神として思うことがある。
生み出すことは愛となるのか。
一神として思うことがある。
愛とは信じることだったのか。
ウカイハとして思うことがある。
あやつにとって感情は邪魔だったのか。
我は創造神じゃ。
誰かに定められたのか、勝手にそうなったのか記憶はないが、気づいた頃には神という存在であった。
其方は寿命についてどう思う?
我は人間の死ぬ運命は決まっておると思う。
それが、事故なのか他殺なのか方法が定まっていないだけで、幾歳で死ぬかは決まっている。
我は別に死の神ではない。
だが、時々そういうふうに考える時がある。
いや、考えざる得ない時がある。
…あやつのことを考える時、
我は寿命だの、運命だの、感情だの、
欲深い人間よりも面倒くさい思想家となる。
0から1を生み出した我にとって、寿命というのは興味深いものじゃ。
1から2へ、2から3へ。
そう進化していった人間らは、最後、0に戻るのだろうか。
あやつも、我も…。
我も…?
神には寿命があるのだろうか…?
…創造神である我にも分からぬ 。
二代目と呼ばれる神はおらぬし、行方が途切れた神はいるが死んだ神は聞いたことがない。
永遠などないし、いつか朽ちるのは知っている。 それは我だって例外ではない。
じゃあ、あやつは…?
…あやつは、変わった。
変わってしまった。
もう、あやつの笑顔を見ることはできぬのか
あやつの声はもう…?
我は、何ができた?
変わってしまったあやつは、
…ファイルナは、
「死」と同様の肩書きを背負ったのではないだろうか。
全てを生み出した我は…
愛を全てに捧げていたのか?
…
そんな自問にやっと答える者達が現れた。
感生の子。
あの子達がもし、
自分を愛し、
自分を認め、
未来を生き、
正義を貫き、
真実を受け入れるならば。
このファイルナに送る死と運命の思想は、
幕を閉じれるのかもしれぬ。
愛を全てに捧げなかったこの過ちは、
あやつの心を考えなかったこの後悔は、
神も例外ではないであろうこの寿命は、
全てを生み出した我に責任がある。