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ゆさぎ
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第21話、読ませていただきました…っ。もう冒頭から息を呑む緊張感で、夜明け前の冷たい空気や鼓動が手に取るように伝わってきました。 特にいるまの「逃げるのが生きるってことだ」という台詞に、ぐっときました。生きることのどうしようもなさと、それでも前に進む強さが滲んでいて。最後の「お前だよ」の一言で、全部が報われるような温かさに変わる感じ…ずるいです、ほんと(笑) 海の約束、絶対に叶えてほしいなあ。続き、楽しみにしています🌷
夜明け前の街を、二人は走っていた。吐く息が白く、冷たい空気が頬を刺す。
背後では車のライトがちらつき、遠くで警笛のような音が響いていた。
🎼📢「くそ……動きが早ぇな。完全に足がついてる」
🎼🌸「いるま、もう限界だよ……っ」
🎼📢「ダメだ。止まったら撃たれる」
暗い路地に入り込み、壁の影に身を潜める。
息を整える暇もなく、いるまは拳銃を構えた。
らんの肩が小刻みに震えているのに気づき、
いるまは低い声で囁いた。
🎼📢「怖いか」
🎼🌸「……うん。でも、あんたがいるから大丈夫」
🎼📢「……強ぇな、お前」
わずかに笑って、いるまはらんの髪をくしゃりと撫でる。
その一瞬の温もりが、冷たい夜気の中で唯一の救いだった。
外から男たちの声が近づいてくる。
銃を構えた影が路地を走り抜け、足音がコンクリートを叩く。
🎼📢「……動くな。今ならまだ気づかれねぇ」
二人は息を殺す。
いるまの手がらんの背中を支え、鼓動が重なるほど近い距離で身を寄せ合った。
🎼🌸(……この音、聞かれちゃうかも)
🎼📢(聞こえねぇよ。大丈夫だ)
目が合った。
ほんの数秒、言葉もなく見つめ合う。
その間にも、銃声がどこかで響き、街のどこかが燃えていた。
🎼🌸「……ねぇ、いるま」
🎼📢「ん」
🎼🌸「これ、いつまで続くの?」
🎼📢「さぁな。でも――」
いるまは銃を下げ、らんの頬を軽く指で持ち上げた。
🎼📢「逃げるのが生きるってことだ。
今はそれでいい。
生き延びてりゃ、その先に何か見つかるかもしれねぇ」
🎼🌸「……“逃げるのが生きる”?」
🎼📢「あぁ。
誰に何言われても、死んだら終わりだ。
だから逃げてもいい。恥でも臆病でも、構わねぇ」
その声には、過去の痛みが滲んでいた。
らんは息を詰めて、そっといるまの胸に顔を埋める。
🎼🌸「……あんたも、ずっと逃げてたんだね」
🎼📢「……そうだな。
でも今は――逃げる理由ができた」
🎼🌸「理由?」
🎼📢「お前だよ」
その一言に、らんの身体がびくりと震えた。
言葉が出ない。
ただ、心臓の鼓動が耳の奥で響く。
🎼📢「俺が生きてる意味なんて、もうそれだけでいい」
🎼🌸「そんなの、ずるいよ……」
🎼📢「ずるくていい。
生きるってのは、ずるくて、汚くて、それでも――お前を離したくねぇんだ」
雨上がりの風が吹き抜け、
ビルの影から朝の光が少しだけ差し込む。
いるまは銃をポケットに押し込み、らんの手を取った。
🎼📢「行くぞ。ここもすぐ嗅ぎつけられる」
🎼🌸「うん……どこまででも行く」
走り出す二人の足音が、街の喧騒に消えていく。
血の匂いと火薬の匂いの中、それでもらんは思った。
“この人となら、地獄でも構わない”――と。
🎼📢「らん」
🎼🌸「なに?」
🎼📢「もし生き延びたら、海を見に行こうぜ。
誰もいねぇ、静かな場所で」
🎼🌸「うん。絶対に」
その約束の声が、朝焼けに溶けていった。