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森の奥、薄明かりの中で、ミライは小さな火を抱きながら慎重に歩いていた。先ほどの頭脳戦で煙を操ってシグマを出し抜いたとはいえ、安心はできない。森にはまだ予測できない危険が潜んでいたのだ。
「ここで手を抜いたら、負けちゃう…」
少女は自分に言い聞かせ、落ちている枝や石、葉っぱを集め始めた。
「ただ火を灯すだけじゃダメ…もっと工夫しないと!」
ミライは手にした材料を使って、小さな装置を作り始める。
風向きを変える簡易装置、枝を使った煙の導線、落ち葉を組み合わせた簡易センサー――
頭の中で計算しながら、少しずつ装置が形を成していった。
やがて装置は完成する。
火の熱で煙の流れを操作し、遠くの枝で小道を塞ぐことができる仕組みだ。
ミライは息を整え、深呼吸をする。
「これで…私が優位に立てるはず!」
その瞬間、森の陰からシグマが飛び出してきた。
「…!」
ミライは驚きながらも、すぐに装置を操作する。
煙の流れが一気に変わり、シグマの視界を奪うことに成功した。
不意を突かれたシグマは、一瞬立ち止まる。
「ここで勝つ!」
ミライは小さな火を抱えたまま、枝や葉の隙間をぬうように前進する。
森の木々や岩を利用し、科学の知識で森を有利に使う。
風の力、火の熱、地形――すべてが彼女の味方だった。
息を切らしながらも、ミライの顔には笑みがこぼれる。
「科学は、私の味方だ…!」
緊張と戦略、創意工夫の連続が、少女を一歩ずつ強くしていた。
しかし、森の奥に潜む危険はこれで終わりではない。
冷静な眼差しで遠くを見据えるシグマの影が、次なる策略を密かに練っていた。
そして、ミライもまた次の発明を心に描きながら、さらなる冒険の準備を整えていた――。