「それじゃあ、また後程検査に来ますね」
「はい、有り難う御座います」
私は今、入院している。此処に来て三日経った。
後で判った事だが、あの時確かに異能は発動出来ていた。然し、異能に依って作られた氷の盾が現れたのは私の後ろ、詰り私と中也さんの間だったのだ。
其の為、中也さんは無事で、私だけが銃弾を受ける結果になった。と云っても、当たったのは脇腹でそれ程重症でも無かったのだが、何せ出血の量が多かった為、未だ入院しなければならないらしい。
私的には、少し痛むがもう殆ど問題無いので、早く出して欲しいと思っている。正直、退屈だ。
そう思っていると、ガラガラと病室の扉が開いた。現れたのは、いかにも強そうな、裏社会に居そうな人だった。
「玲沙、久々だな」
「アーレ!!」
彼は、私が元所長なら、今の所長。私が前の事務所で一番信頼していた人物である。
「傷の具合は如何だ?」
「大分良くなったよ」
其れから、近状報告等他愛のない話をして、また連絡すると云って帰っていった。
他にも沢山の人がお見舞いに来てくれた。森さんをはじめとするマフィアの人々、事務所の仲間、それから太宰さんも。
けれど、中也さんは一度も来なかった。
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投稿しない間にも読んでくださっている方がいて嬉しいです*°
もう少しで終わるはずなので、良ければお付き合い下さい( * . .)“
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