コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【まふゆ】
「ほんとだ…今日もいないんだね」
レンが辺りを見渡した後、ぽつりと呟いた。
遠くにはメイコやカイトの姿もある。
それでも、瑞希だけは見えなかった。
「最近瑞希、セカイに来てない…」
「何かあったのかな…」
やっぱりミクたちも知らないみたい。
ルカは冷ややかな微笑を浮かべながら、私達の方に向き直った。
「奏達は知っているのかしら?」
「ううん、わたし達も探してるんだ」
「ちょっと前から連絡がとれなくて」
「そう…絵名は、何か知らない?」
「……え」
「さっきからずっと黙ってるから…珍しいわね」
「…」
絵名が目を逸らす。
でも既に、ルカの質問によって、皆の目は絵名に集められていた。
「…何か、知っているのか」
いつもは会話に入ってこないカイトも、苦そうに顔をしかめながら口を出す。
「……」
「さっき絵名言ってたよね。瑞希の口から聞きたかった、って」
「…!!」
「……瑞希」
「ごめん…帰る」
絵名はよろよろと立ち上がり、歩き出そうとする。
「待って、まだ答えてもらってない」
「…ごめん」
それ以上は、何も返してくれなかった。
私が出した右手は空を切り、項垂れながら帰る絵名には届かない。
ただ、沈黙が広がっていた。
「やっぱり絵名、何かを隠してるわね」
「絵名ちゃん…」
「…わたし、瑞希のところに行ってくる」
その言葉と共に、さっきまで無言だったミクが立ち上がった。
「え、ミク?」
「ぁ…待って、ボ、ボクも…」
その目はひたすらに純粋で、真剣で。
だからこそ今の瑞希の姿は刺激的すぎた、
らしい。
【ミク】
「瑞希」
暗い部屋だった。
電気がついていないため、視界に入ってくる物々の色は判別できない。
床にはたくさんのものが散らかっていて、瑞希の好きなリボンや服が下敷きになっている。
そんな中に瑞希はいた。
『え……ミク…?』
「瑞希ちゃん、大丈夫…?!」
「まふゆ達も心配してる、みず_」
「ひっ、」
ハイライトがなかった。
いつもの笑顔がなかった。
声色も、いつものような優しい声じゃなかった。
レンが怯えるのも無理はない。
そこにいる瑞希は、わたし達の知っていた瑞希じゃなかった。
「おい、瑞希は……」
あとから来たカイトも、この状況を見て言葉が出ないみたいだった。
わたしも、なんて言ったらいいかわからない。
真っ暗な空間に赤いシミが点々と落ちている。
「…帰るぞ」
「ぇ、でも、瑞希ちゃん…」
「早くしろ」
「わ、わかった…」
『…ぁ』
久しぶりに出しました。
確か4カ月ぶりぐらい?
すみませんでした。