テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
“初めての印象は不思議な人だった…”《私はフェル・ミラージュ。私はとある事情で特別入学をした。彼と出会ったのは私が森の中を散歩していた時だった…》
〜校舎裏の森〜
フェル(森の動物や蝶と戯れてる)
ガサッ(草陰の音)
フェル「ビクッ」
ルーク「あぁ、すまない!驚かせるつもりはなかったんだ」
フェル「!」(スケッチブックを取り出し、何かを書いた)
ルーク「?」
フェル『大丈夫です。こんにちは、ルーク・ハント先輩』(スケッチブックに字が書かれている)
ルーク「あぁ、こんにちは。確か君はフェル・ミラージュくんだね?」
フェル(頷いた)
ルーク「…実は君と話してみたかったんだ。いいかな?」
フェル「…」(スケッチブックに字を書いた)『私はこの通り喋る事が出来ません。それのせいでルーク先輩のお時間を奪うわけにはいきません」
ルーク「ふむ。…君は喋れない事を気にしているようだね。ゆっくりで構わないよ。それに私が君とゆっくり話したいんだ。いいかい?」
フェル「…!」(スケッチブックに字を書いた)『それでもいいのであれば、喜んで』
ルーク「メルシー!」
《私はこのきっかけにより、ルーク先輩とよく話すようになった》
ー次の日ー
〜廊下〜
ルーク「やぁ、マドモアゼル・パピヨン」
フェル「?」(首を傾げた)
ルーク「あぁ、この呼び方のことかい?君の素敵な蝶の髪飾りと君の蝶を彷彿させるような美しい姿に敬意をと思ったんだ。気に入らなかったかい?」
フェル「!」(スケッチブックに字を書いた)『いえ、とても嬉しいです。ありがとうございます』(素敵な微笑みをした)
《あの時は呼び方はともかく蝶と言われたのが嬉しかった。私は昔から蝶が好きだ。綺麗で大好きな姉のようだからだ。だから、言われて姉に少しでも近づけたんじゃないかと思った》
〜大食堂〜
ルーク「こんにちは、マドモアゼル・パピヨン」
フェル「!」(お辞儀した)
ルーク「これから昼食かい?よければ一緒にどうだい?」
フェル(手でオッケーという手を作った👌)
ルーク「メルシー。では、席までエスコートをしよう」(フェルに手を差し伸べた)
フェル「クスッ」(ルークの手を取り、ルークと共に席に着いた)
〜教室〜
1年生達で集まっていた
エース「フェルって最近ルーク先輩と仲良いよな」
フェル「?」(首を傾げた)
デュース「確かに僕達から見たらそう見えるな」
ジャック「なんかきっかけがあるのか?」
フェル(スケッチブックに字を書いた)『森でお散歩したら話しかけられた』
エペル「そうなんだ」
セベク「でも、同じ寮だろ?何故わざわざ森でなんだ?」
フェル(確かに…)
〜中庭〜
フェル(スケッチブックに絵を描いてる)
ルーク「やぁ、マドモアゼル」
フェル「ビクッ」
ルーク「おっとすまない。足音を消すのが癖でね。何をしているんだい?」
フェル(別のページに字を書いた)『絵を描いていました。木の上で寝てるルチウスが可愛いくて』
ルーク(木の上を見た)「ふふっ、確かにそうだね。良ければ、絵を見せてくれないかい?」
フェル(頷き、絵を見せた)
ルーク「…マーベラス!とても素晴らしい!ルチウスくんの毛並みや影の明暗がはっきりしていて今にもこの絵から寝息が聞こえそうだ」
フェル「💦」(少し慌ててる)
ルーク「あぁ(フェルの手を取った)とても素晴らしい絵だと感動したんだ。驚かせてごめんね」
フェル「!(首を横に振った)…だ…だ…!…」(スケッチブックに字を書いた)『大丈夫です。褒めてくれてありがとうございます』
ルーク「ジュヴサンプ!どういたしまして」
フェル(スケッチブックに字を書いた)『機会があれば、次はルーク先輩をモデルにして書きます』
ルーク「ふふっ、それは楽しみだ」
《久しぶりに絵を褒められて嬉しかった。しばらく楽しい日々が続いた。しかし、雷の如くそれは起こった》
〜校舎裏の森〜
ポム寮生A「君はハント副寮長とどういう関係なのかな?」
フェル「?」(首を傾げた)
ポム寮生B「とぼけるな!」
フェル「ビクッ」
ポム寮生A「やけに大事にされてるじゃないか。…図々しい…」
ポム寮生B「何故君のような人間がハント副寮長の慈愛を受けるのか理解に苦しむね」
フェル(こ、この人達、何を言ってるの?訳が分からない…)
ポム寮生A「それに喋れないのは嘘だろう?」
フェル「!」
ポム寮生B「喋れないフリをして気を引きたいのだろう?」
フェル「…ち、ちが…」(否定したいのに、何か言わないといけないのに…!声があれからずっと出ない…)
ポム寮生A「ほら喋れるじゃないか」
ポム寮生B「僕達の前でも演技をするのかい?白々しい」
ポム寮生A「人間、お前は何を隠している?何を考えてる?」
ポム寮生B「答えろ、今すぐ!さもなくば…」(魔法で炎を出した)
フェル「!…あ…あ…あ…あ”ぁぁぁーー!!」(嫌…嫌…!火は嫌い、怖い、嫌だ…。誰か…助けて…)
ルーク「マドモアゼル!!」(フェルを抱きしめた)
フェル「ハァ、ハァ、ハァ」(呼吸が荒くなってる)
ルーク「大丈夫。落ち着いて私の心臓の音を聞くんだ。ゆっくり呼吸をするんだ」
フェル「ハァ、ハァ、ハァ…ハァ…ハァ…」(呼吸が落ち着いた)
ルーク「フェルくん…」
フェル(ルーク先輩…)「…あ…」(安心してルークの腕の中で気絶した)
《私はこの時ルークさんに抱きしめられた記憶までしか覚えていない。覚えていたのは、火の恐怖とそれを消してくれた暖かくて優しい温もりだった…》
〜ポムフィオーレ寮 フェルの部屋〜
フェルがベットに寝ていてその近くの椅子にルークが座っている
フェル「…ッ!…」(起きた)
ルーク「!起きたかい?」
フェル「…ル…ル…」
ルーク(フェルの手を優しく握ってあげた)「無理をしなくていい。君の事情は知ってる。だから、大丈夫だよ」
フェル「…」(ベットから起き上がり、周りをキョロキョロした)
ルーク「!もしかしてこれかい?」(フェルのスケッチブックを渡した)
フェル「!」(もの凄く頷いた後、受け取り、字を書いた)『あの後、どうなったんですか?』
ルーク「…マドモアゼルが知る必要はないよ」
フェル「…!」(急いでスケッチブックに字を書いた)『伝えるのが遅くなりました。あの時、助けていただきありがとうございます』
ルーク「!当然の事をしたまでさ」
フェル「…」(スケッチブックに字を書いた)『少しお願いしていいですか?』
ルーク「ん?なんだい?」
フェル(スケッチブックに字を書いた)『私の名前、呼んでくれませんか?』
ルーク「!…フェルくん」
フェル(頷き、再びスケッチブックに字を書いた)『ありがとうございます。ルーク先輩に名前を呼んでもらうとなんだか安心します』
ルーク「!そうかい。いつでも呼んであげるよ」
フェル(優しい微笑みをしながら頷いた)
《何故かルーク先輩に名前を呼ばれると安心感を得られた。きっと暖かいくて優しい手を持つルーク先輩だからかもしれない》
“あぁ、この幸せが続くといいな…”
〜to be conteneu〜