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“初めて目にした時、妖精かと思った…”《私はルーク・ハント。美を求め、美を助くことを人生のテーマとする愛の狩人(ル・シャソゥ・ドゥアムール)だ。彼女と出会ったのは私が森の木の上で観察していた時だった…》
〜校舎裏の森〜
ルーク「!おや?」(確かあの子は…)
フェル(森の動物や蝶と戯れてる)
ルーク「…は!」(少し見惚れた後、木の上から降りた)
ガサッ(草陰の音)
フェル「ビクッ」
ルーク「あぁ、すまない!驚かせるつもりはなかったんだ」
フェル「!」(スケッチブックを取り出し、何かを書いた)
ルーク「?」(スケッチブック?)
フェル『大丈夫です。こんにちは、ルーク・ハント先輩』(スケッチブックに字が書かれている)
ルーク「あぁ、こんにちは。確か君はフェル・ミラージュくんだね?」
フェル(頷いた)
ルーク「…実は君と話してみたかったんだ。いいかな?」
フェル「…」(スケッチブックに字を書いた)『私はこの通り喋る事が出来ません。それのせいでルーク先輩のお時間を奪うわけにはいきません」
ルーク「ふむ。…君は喋れない事を気にしているようだね。ゆっくりで構わないよ。それに私が君とゆっくり話したいんだ。いいかい?」
フェル「…!」(スケッチブックに字を書いた)『それでもいいのであれば、喜んで』
ルーク「メルシー!」
《私はこのきっかけにより、フェルくんとよく話すようになった》
ー次の日ー
〜廊下〜
ルーク「やぁ、マドモアゼル・パピヨン」
フェル「?」(首を傾げた)
ルーク「あぁ、この呼び方のことかい?君の素敵な蝶の髪飾りと君の蝶を彷彿させるような美しい姿に敬意をと思ったんだ。気に入らなかったかい?」
フェル「!」(スケッチブックに字を書いた)『いえ、とても嬉しいです。ありがとうございます』(素敵な微笑みをした)
ルーク「!」
《あの時の笑顔は私の胸に弓矢の如く突き刺さった。あんなに喜んで貰えるとは思わなかった》
〜大食堂〜
ルーク「こんにちは、マドモアゼル・パピヨン」
フェル「!」(お辞儀した)
ルーク「これから昼食かい?よければ一緒にどうだい?」
フェル(手でオッケーという手を作った👌)
ルーク「メルシー。では、席までエスコートをしよう」(フェルに手を差し伸べた)
フェル「クスッ」(ルークの手を取り、ルークと共に席に着いた)
〜教室〜
ヴィル「ルーク、最近フェルと仲良いわね」
ルーク「そうかい?」
ヴィル「アタシ達から見たらそうよ。なんかきっかけでもあったの?」
ルーク「森でゆっくりしていたら丁度見かけて声をかけたんだ」
ヴィル「…そう。あ、アンタに伝えておく事があるわ。あの子、フェルの事で」
ルーク「!なんだい?」
《ヴィルから彼女の壮絶な過去を知った。あの子は小さな体に大きな不安、悲しみを背負っているんだとヴィルの話し声が物語っていた》
〜中庭〜
フェル(スケッチブックに絵を描いてる)
ルーク「やぁ、マドモアゼル」
フェル「ビクッ」
ルーク「おっとすまない。足音を消すのが癖でね。何をしているんだい?」
フェル(別のページに字を書いた)『絵を描いていました。木の上で寝てるルチウスが可愛いくて』
ルーク(木の上を見た)「ふふっ、確かにそうだね。良ければ、絵を見せてくれないかい?」
フェル(頷き、絵を見せた)
ルーク「…マーベラス!とても素晴らしい!ルチウスくんの毛並みや影の明暗がはっきりしていて今にもこの絵から寝息が聞こえそうだ」
フェル「💦」(少し慌ててる)
ルーク「あぁ(フェルの手を取った)とても素晴らしい絵だと感動したんだ。驚かせてごめんね」
フェル「!(首を横に振った)…だ…だ…!…」(スケッチブックに字を書いた)『大丈夫です。褒めてくれてありがとうございます』
ルーク「ジュヴサンプ!どういたしまして」
《本当に素晴らしかった。彼女の絵はとても繊細で優しくまるで彼女自身のようだった。ある日、事件が起きた》
〜校舎裏の森〜
ルーク(ん?フェルくん?)(木の上にいる)
ポム寮生A「君はハント副寮長とどういう関係なのかな?」
フェル「?」(首を傾げた)
ポム寮生B「とぼけるな!」
フェル「ビクッ」
ポム寮生A「やけに大事にされてるじゃないか。…図々しい…」
ポム寮生B「何故君のような人間がハント副寮長の慈愛を受けるのか理解に苦しむね」
ルーク(彼らは一体何を言ってるんだ…?)
ポム寮生A「それに喋れないのは嘘だろう?」
フェル「!」
ポム寮生B「喋れないフリをして気を引きたいのだろう?」
ルーク(違う。彼女は本当に喋れない。何故それを知らない…?)
フェル「…ち、ちが…」
ポム寮生A「ほら喋れるじゃないか」
ポム寮生B「僕達の前でも演技をするのかい?白々しい」
ポム寮生A「人間、お前は何を隠している?何を考えてる?」
ポム寮生B「答えろ、今すぐ!さもなくば…」(魔法で炎を出した)
ルーク(まずい⁈)(木の上から降りてフェルに駆け寄った)
フェル「!…あ…あ…あ…あ”ぁぁぁーー!!」
ルーク「マドモアゼル!!」(フェルを抱きしめた)
フェル「ハァ、ハァ、ハァ」(呼吸が荒くなってる)
ルーク「大丈夫。落ち着いて私の心臓の音を聞くんだ。ゆっくり呼吸をするんだ」
フェル「ハァ、ハァ、ハァ…ハァ…ハァ…」(呼吸が落ち着いた)
ルーク「フェルくん…」
フェル「…あ…」(安心してルークの腕の中で気絶した)
ルーク「…」(フェルをお姫様抱っこした)
ポム寮生A「ハ、ハント副寮長…」
ポム寮生B「僕達はただ…」
ルーク「ノン!今は君達の話を聞く気はないんだ。冷静に話せそうもない。言い分は後でゆっくりと…ね」
《私は誓った。彼女に牙を剥く獣は一匹残らず捕えると。震える彼女を抱えながらそう誓った…》
〜ポムフィオーレ寮 フェルの部屋〜
フェルがベットに寝ていてその近くの椅子にルークが座っている
フェル「…ッ!…」(起きた)
ルーク「!起きたかい?」
フェル「…ル…ル…」
ルーク(フェルの手を優しく握ってあげた)「無理をしなくていい。君の事情は知ってる。だから、大丈夫だよ」
フェル「…」(ベットから起き上がり、周りをキョロキョロした)
ルーク「!もしかしてこれかい?」(フェルのスケッチブックを渡した)
フェル「!」(もの凄く頷いた後、受け取り、字を書いた)『あの後、どうなったんですか?』
ルーク「…マドモアゼルが知る必要はないよ」
フェル「…!」(急いでスケッチブックに字を書いた)『伝えるのが遅くなりました。あの時、助けていただきありがとうございます』
ルーク「!当然の事をしたまでさ」
フェル「…」(スケッチブックに字を書いた)『少しお願いしていいですか?』
ルーク「ん?なんだい?」
フェル(スケッチブックに字を書いた)『私の名前、呼んでくれませんか?』
ルーク「!…フェルくん」
フェル(頷き、再びスケッチブックに字を書いた)『ありがとうございます。ルーク先輩に名前を呼んでもらうとなんだか安心します』
ルーク「!そうかい。いつでも呼んであげるよ」
フェル(優しい微笑みをしながら頷いた)
ルーク「!」
《私は心から彼女を守ろうと改めて決心した。この美しい蝶(パピヨン)のような彼女を…》
“愛の狩人(ル・シャソゥ・ドゥアムール)の名にかけて…”
〜to be conteneu〜