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俺は俺が嫌いだ。君の人生の主人公は君だなんてよく聞くけどそんなことない。俺の人生でも俺はモブだ。でも主人公になれる「なにか」が起こるのを期待してカーテンを開ける。うん、曇り空だ。何も起こらないな、、
つまらない1日の始まりは米で始める。自慢じゃないが俺は朝ごはんで米以外食べたことがない。32年間一度もだ。実家が米農家なのもあってだったが両親は他界し、今は1人東京で働いている。毎日毎日満員電車に揺られ、同じ業務を毎日淡々とこなし、帰宅して1人酒をして風呂に入って寝る。変わり映えのない毎日。
でも、今日は何か違う気がする。カーテンを開けて眩い朝の光を浴び、朝食を…あ！米炊いてない!!なんということだ、今から…だめだ、間に合わない、、くそっ！こうなったら餅で…餅も米だ!!
通勤途中で食パンを加えた女子高校生とぶつかり（こんなベタな展開があるとは…）、かがみ込んでしまっているおばあさんに声をかけ（平気だった）、出社すれば何故かみんながあいさつしてくれる！え、なんか、なんか、俺、今日、主人公みたいじゃない!?夢にまで見たこの感じ、この日を待っていたんだ！
そんなこんなで帰宅途中、俺は胸を張って歩いていた。今日はベタな展開ばっかだったけど主人公っぽかった。そうだ、今日はケーキでも買っていこう。と、角を曲がると向こうから悲鳴とともに刃物を持った男が走ってくる、しかもこのままだと前の女子高校生二人が危ない。おい、逃げろよ、何固まってんだよ！こんなとこまでベタな展開じゃなくていいのに!!!主人公ならここでかっこよく助け出すんだろうな、思いながら俺は走り出していた。ドスッ、なんだろう、腹が熱い、音が遠のいている。女子高校生は、、あぁ、無事だ、俺が刺されたタイミングで周りの大人が犯人を捕まえてくれたみたいだ、良かった。これはだめだ、救急車を読んでくれようとしてるんだろうけどもう間に合わない、、よ、俺、馬鹿だな…このベタな展開で主人公の運命は2択だ。1つは無事に倒してみんなハッピー。もう1つは俺は死んで、そして、、、
異世界に行く。
続く
