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読み切り物語「蘭春」

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読み切り物語「蘭春」

1 - 俺の運命は…

♥

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2022年09月12日

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俺の運命は…


蘭春

嫌われ



629

いつものように朝、いや明け方に起き、仕事の準備をする。

慣れた手つきで、次々と支度を進める。

服をスーツに着替え、素早くネクタイを結ぶ。

このネクタイは、俺の大事な宝物だ。

…理由は言わないでおこう。

ネクタイを結びおわり、香水を振りかけ、車のキーを持ち家を出る。

小さな声で、

「行ってきます」

と言い残し、ブラック企業が始まる。


職場(アジト)に着き、首領から命令が下される。

それを今日1日で終わらせる。

1つ目は、裏切り者のスクラップ。

ここでは、裏切り者と見なされたら即死刑orスクラップ。

その処分に行くのはだいたい幹部だ。

面倒臭いと思いながら次々と始末していく。

自分の体はどんどん血まみれになっていく。

だが、1部は汚さないようにしている。

どこかは言わない


最後の1人にトドメを刺し、1つ目の任務は成功。

それを報告するため、1度アジトに戻る。



アジトにつき、首領の部屋に行く前に、俺の親友である「灰谷 蘭」から、

「これから幹部集会だぞ」

と、一声かけられる。

知らなかった俺は驚いた素振りを見せながら、

「あ、あぁ。そうか。じゃあ一緒に行くか。」

と、話を流すように会話を続けた。

幹部室に向かうまで、任務の話をしたり、最近の出来事についたりして話した。

そんな中、蘭が、一言放った。

「とゆうかさー」

『ん?』

「お前ずっとそのネクタイしてるよなw」

『え?あ、あぁwこれしかネクタイがないからなw』

「へぇ〜。どうせなら春もう少しで誕生日だし、新しいの買ってやろうか?w」

『まじかw』

「ガチガチw」

『いや、でもこれがいいから大丈夫。ありがとう。』

「そっか。まぁまた必要だったら言ってw」

『おうw』

そんな会話をしていると、幹部室に着いた。


【失礼します。】

それぞれ席に着き、首領の話を聞く。


「他に話すやつはいるか?」

……

「いないな。じゃあ、最後に、新メンバーだ。」

〔えっ?!?!〕

「入ってこい。」

がちゃ……

〈失礼しまぁす♡〉

「お、おぅ…」

〈今日から幹部ですっ♡ブス クズ子ですっ♡〉

「とゆうことだ。仲良くしろよ。こいつは、腕は良いからな。じゃ、解散」

〔うすっ。お疲れ様です。〕


まじかァ…

と、内心ド引きながら、次の任務に向かう。

次は、取引だ。

すぐ近くだから、歩いて行くことにした。

出ると、蘭が自分の任務の支度をしていた。

軽い言葉を交わし、ハイタッチをして、気合いを入れ現場へ向かう。


数時間後、

無事取引は成功し、行動には表さないが、内心とてもウキウキしていた。


その調子で、アジトへ帰り、ついでに1つ目の報告がまだだったから、同時に済ますことにした。


アジトにつき、幹部が騒がしかったから、覗いて見たら、新入りが泣いていた。

俺はどうゆうことかわからず、とりあえず部屋に入った。

その瞬間、怒鳴り声が響いた。

『近寄んなっ!!!!このクズがっ!!!!』

頭の中ははてなだらけ……

状況が理解できてないのにも関わらず、親友からの怒り。

「は?」

と、つい咄嗟に出てしまった。

その瞬間、蘭は、

『お前、裏切り者だったんだな…。

ブス子が憎いからって、裏切ったんだな。』

嘘の情報ばかりを言われ、俺は言葉を出せず、ただひたすら汗が止まらない。

頭の中は、疑問、戸惑い、不安、恐怖……

沢山の感情で埋め尽くされた。

ただ、一言放った。

「どうして俺が裏切り者なんだ?…」

と、小さく、震えた声で訴えた。

そんな俺の様子にも目を向けず、ただひたすら蘭は、

『お前、ブス子に暴力振ったんだな……そんな奴とは思わなかったよ。もう、信用できない…お前とは、これで絶交だ。さっさと散れ。』

と、放たれた。

俺は今にも倒れそうな足で何も言葉を発せず、ただひたすら周りから聞こえてくる中、一つだけ大きく聞こえる、蘭からの、『散れ』と言う言葉の通り、自部屋に戻った。

ただひたすら蘭しか頭にない。

蘭に嫌われたら…

蘭に近ずけなかったら…

蘭に……


ただひたすら俺は部屋に籠るしか出来なかった。



72

俺は、心に決めた。

もう、部屋から出てすれ違っても、何も言われず、ただ冷たい視線を送られる。

ただ蘭を愛していただけなのに、ただ蘭の身近に居たかっただけなのに……

もう、無視されるぐらいならこの世から去ってやろう。

そう決めた俺は日にちも決めた。

明日だ。7/3実行だ。

この日は、俺の思い出の日だ。

この日なら、死んでも後悔は残らない。

そう決め、俺はみんなに手紙を残した。

もう、起きているだけで蘭を考え、苦しくなる。

さっさと寝てしまい、明日死んでしまおう。

そう思い、布団に入り、深い眠りに落ちた。



73

いざ決行の日だ。

手紙の位置、死ぬ時に持っておくもの。全てを確認し、部屋を出る。


最後になるだろうと思い、皆の部屋に顔を数日ぶりに出す。


ガチャ…


〔キャッキャ!!!〕

〔ワハハッ!!!〕


俺の存在は無視され、誰もが視線を向けてくれない。

そんな中、俺は大声で

「ありがとうっ!!!!大好きだったよ!!!!」

と言葉を残し、走り出した。

『は?』

と、蘭の声が聞こえたが、目に涙を貯めながら、ひたすら屋上へ走った。


屋上に着き、息を整え、手に持っている1本のネクタイをしっかり握りしめ、飛び降りようとした時、後ろから

『春っ!!!』

と、聞こえ、足が止まる。

振り返らず前だけを見る。

決めたことだ。もう変えれない。

そう思い、俺は

「蘭、このネクタイが汚れてるところ見たことある?」

と、問いかけた。

『ないよ。ない。だからお願い。戻って来て…謝るから、』

そんな文になっていない言葉を発するが俺はもう気持ちは変わっていない。


「そっか。蘭、よく聞いてね。

気持ちが落ち着いたら、俺の部屋に行って   ね。それだけは約束」

『は?意味わかんない。降りろよ。降りろよっ!!!!』

「ごめんね。最後に聞いて?今日からちょうど5年前、このネクタイをくれたよね。それまで俺は汚したこと無かったよ。それが今日初めて汚れる時だよ。蘭、愛してたよ。」

とんっ…

『春千夜っ!!!!!』





あぁ。これでやっと自由だ…

俺の人生は、お前に託したぞ。蘭…

拳を天に挙げ、全身に痛みが走り、視界は途切れた。








終了です。

ありがとうございました。

リクエストお待ちしてますm(_ _)m




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