テラーノベル
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小学生の時だ。
物心ついた時から怖いという感情がなかった。
「ただそこに気色の悪い何かがいる」としか思ってなかった。
そのせいだからかクラスではハブられ、他学年からも気味悪がれた。
それにはもう一つの理由があったのだ。
私は両親を失った。
気づいたらこの世を去っていた。
でも自分がやったということは覚えてる。
目の前が真っ暗になる前自分が見えた。
刃物を持ってる自分が見えた。
逆さになってた時の表情も、冷たさも、血痕の跡も掘り出された臓器たちも
すべて思い出せるほどには衝撃的だった。
それと同時にとてつもない背徳感が、背筋が凍える感覚が癖になった。
両親のことは私を虐待していたから悲しいとか辛いとかそういうのはなかった。
世界は広かった。
殺した親をどこへ隠そうか悩むくらいには場所があった。
結局近くの森に大人、二人は入る穴を掘ってそこに埋めた。
隠ぺいということだ。
中学でも多少のいじめにあったが、親の虐待に比べれば可愛いものだった。
そして高校、大学。
気づけば社会人だった。
普通の人を演じるのは少々大変だったがこの社会で生きていくには必要だった。
『殺しはダメ!』『いじめもダメ!!』
なんて法律はただのきれいごとであった。
私は今日も会社のデスクにおいてある一台のPCに向かってキーボードをカタカタっと素早く打った。
コメント
1件
あおいです、読ませていただきました🌷 第2話、一気に引き込まれました。幼い頃から“怖さ”がなく、両親を自らの手で……という冒頭から、ただ事じゃない空気が漂ってましたね。虐待を受けていたから悲しみはない、という冷めた視点と、それでも背徳感が“癖”になったという表現が生々しくて、ぞっとするほど印象的でした。 最後の「普通の人を演じる」という一文が、この後の展開をすごく気にさせます。時計さんの心理描写のリアルさ、じわじわ効いてきますね……!