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桜咲く頃大会が開かれた。大会の名前は「春の防壁攻守前線」この大会は タワーディフェンス(自分の領地の防壁を守るゲーム)のチーム戦通称『春の桜前線』と呼ばれている。俺は今から約15歳の時俺は敗退した。そして俺の後輩
(前話で登場している)焔龍彦は今年この大会で勝利を納めた。その夜祝勝会が開かれた。俺は乗り気はしなかったが、龍彦が来てほしいと
頼み込んできたために、祝勝会に来ていた。終わりは十一時になった。
家に着くとすぐにベッドに潜り込んだ。その日は寝付きが悪く眠ることは
出来なかった。時計を見ると十二時になっていた。 寝れずにボーッとしてた。そういえば、前の夢も十二時ぐらいに 見たんだっけ? いつから夢なのか
現実なのか、良くわからなかったが少し 試してみたいことが出来た。
まず一つ目は天候について。あの時の天候は曇りではなく、 新月でもないのに 月は昇らず星さえ瞬かぬ暗闇だった。 確認すると天候は、一致した。
二つ目は金縛りについてだ、あの時は 窓を離れようとすると 金縛りの様な
状態になった。まあ、想定道理金縛りにあった。三つ目は、金縛り終了時に
起きたパソコンの通知だ。ところが、今回はパソコンからの通知はなかった。
今までの検証から考えるに必要な条件は、パソコンの通知以外だと想定した。まあ、やりたいことやって満足したので、パソコンに向かって あのゲームを
開いてみよう。ゲームにログインすると画面に文字が現れた。異世界へ飛ぶ準備をしてください。出来ればOKボタンを 押してください。
ああ、そうだった。これも検証対象の一つだったけ? とりあえず、
検証結果は成功でいいか。そして俺は、OKを押した。すると以前のように、
眩い光が俺を包んだ。
意識がハッキリしてくると、宇宙の様な空間が広がっていた。
これで奴が出てきたらもう現実として信じるしかないな。望みとは裏腹に奴は姿を現した。奴はニコニコしながらこちらに近付いてきた。
「今回も来てくれましたね!星花さんもう来てくれないかと思いました。」
若干キレ気味の俺を横目にRは、速やかに異世界へ飛ぶ準備を済ませてた。
正直に言おう、めんどくさい。そんな想い儚くRは、以前の様に俺を
突き落としてきた。するとRの声が聞こえた。
「さぁ今回もよろしくお願いしますよ。」
気づくと何処かの教会の魔方陣の上にたっていた。
教会のちょうど真ん中ぐらいに魔方陣はあった。教会を見渡すと
ランセリアさんがいた。彼女は俺に気が付くと、こちらに走ってきた。
以前よりも見違えるほどに、表情は晴れやかだ。なんだか少しほっとした。
「来ましたね、星花さん。昨日は突然いなくなったので驚きましたよ。」
彼女は、頬を膨らませ怒っている。とりあえず説明をしようとした時に彼女は遮るように、言葉を発した。
「ですがそのあとに、白い服を着た方が来て説明されていきましたので今回は目を瞑りましょう。ですが次からは帰るときは一声かけてくださいね?」
俺は苦笑いをしながら彼女の話を流した。だが、白い服を着た奴は耳に
止まった。白い服を着た奴で俺の事情を知っているのは彼奴ぐらいなのだが。まあ、話はおいといて、この世界に呼ばれたってことは、まだすることがあるということだ。そう言えば、この前Rがこの世界には四人の魔王が居るとか
居ないとかそういう話をしていた覚えがある。だから俺は呼ばれたのか?俺が一人で考え事をしていると、教会の奥の扉から魔法使いの様な人物が現れた。というよりかは、魔法使いの格好をしたシスター?牧師?どっちかわからない男性なのか女性なのかもわからない。服装のせいかもしれない。ただ一つだけ言えることがある。職業としては魔法使いだろう。教会に描かれた魔方陣とRの僧侶の様な格好を考えると(彼奴がパーティーに加わるかはわからないが)やはりRPGゲームの職業で俺の知り合いに現状いないのが魔法使いまたは魔女、勇者格闘家、騎士などこの中から絞るなら魔法使いだろう。
するとランセリアさんは魔法使いに声をかけた。
「魔女様、お騒がせして申し訳ございません。ただ魔女様のおっしゃた通り、彼は戻って参りました。やはり、魔方陣を残しておいたのは得策でしたね。」嬉しそうに微笑む彼女を横目に魔女と呼ばれる奴は俺の方に視線を向けると、俺の予想を塗り替える柔らく優しい声で話しかけてきた。
「···君が···噂に聞く勇者···兼科学者さん···?」
どうやら話すスピードはかなり遅いようだ。とりあえず何も返事や行動をしないのはプライドが許さない。ひとまず頷くことにした。すると魔女は少し満足そうな表情をすると、こちらに手をさしのべてきた。多分友好関係の証だろうそうして手を握り、和やかな雰囲気が漂っていると、教会の扉が突然開いた。いや、誰かが開けたと言った方が正しい。
入ってきたのは、人型のスライムだった。流石に驚いたが、こないだ和解したのに警戒するのもおかしな話だ。スライムはこちらにゆっくりと歩を進めた。相手は少し警戒しているようだがこちらが何もしないのが分かると警戒を解き俺の名前を呼んだ
「え~と、その勇者星花は、貴方ですか?」
俺が名前を名乗った覚えがなく、あったことのないスライムが俺の名前をなぜ知っているのだろうか。一般的なスライムの様には見えない。もしかしたら、ウーズの幹部の一人なのだろうか?(幹部は居るかは知らんけど。)俺の名前を知っているんだ、可能性はあるだろう。戸惑いを隠せない俺を見てスライムは、名乗った。
「流石に、知らないスライムから名前を呼ばれれば、驚きますよね。僕はラム魔王ウーズ幹部ラム・ルフェルスです。ラムと呼んでください。」
ラムと名乗ったスライムは純粋な嘘のない笑顔を見せてくれた。どうも悪い奴には見えない。魔物にも根っからの悪ではない者もいるようだ。するとラムはすぐに要件を話し始めた。
「僕は、魔王ウーズ様より他の魔王を討伐することを命じられました。そして魔王討伐をするであろう星花について行くよう言伝てられております。」
流石にこれには驚いたが、さらにこれを上回る衝撃が起きた。どんな事かというと、教会に住む魔女が一緒に魔王討伐の旅についてくると言ったのだ。だがここまでは良くある展開だった。RPGゲームでは、魔女や魔法使いなどはよくパーティーに加わることがある。ならばどうして俺が驚いたのか。それは、Rが現れたことだ。Rは姿を見せると、即座に魔王討伐に加わると言い出した。こんな展開あるのだろうか?いや今目の前で起こっているんだ、こんなこともあるのだろう。なんだかんだで、ランセリアさん、ラム、魔女に、Rまで加わった。少し旅路が安心できる気がした。これから魔王討伐に出向くために。世界を、面倒くさいが救うために俺たちは、険しい道乗りに歩を進める。これが、序盤などではなく、物語の始まりだとも知らずに。