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「俺、ちょっと行ってくるね!」
とある日の学校の屋上。
放課後に俺はたおと二人で屋上に来ていた。
理由はとっても簡単、暇だったから。
俺は床に座り、無言で橙色の夕日に飲まれた空を見上げていた。
たおはいつも通りずっと喋っていた。
よくそんな口が回るな、と思いながらもたおの話を聞いていた。
「屋上から地面までってさ、どれくらいあるのかな」
「測ってみようかなぁ」
何を馬鹿なことを、そう思っているとフェンスが軋む音が聞こえた。
俺は音の鳴った方に目を向けると、
そこにはフェンスの向こう側にたおがいた
「ぇ…何してッ」
言い切る前に察した。
が、信じられなかった。
いつも笑顔で明るいたおがそんなことしようとするなんて考えられなかった。
どうしたらいいかわからなくなっている俺に追い打ちをかけるようにたおが
「俺、ちょっと行ってくるね!」
そう言って飛び降りていった。
「たお、ッ!!?」
名前を呼ぶ頃にはたおの姿は無く、下の方で誰かが騒いでいる声しか聞こえなかった。
俺はパニックで体が動かなかった。
そしてしばらくしてから、俺はフェンスを登った。
「お前、一人じゃ寂しいくせに。俺も一緒に行ってあげる」
__________
「は?万里..?」
屋上のドアを開けると
好きな人が飛び降りていった。