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バハムートさん 「ゾディアーク、おはよう!」
ゾディアークさん 「…」
バハムートさん 「無視しないでくれよ〜!」
ゾディアークさんに明るく話しかけるバハムートさん。
その姿は陽気で、楽しそうで、幸せを噛み締めているようだった。
カオスさん 「…」
エクスデスさん 「バハムート、おはよう」
バハムートさん 「おはよう!エクスデス!」
僕は天翔。
僕とちびちゃんさんは、此処に迷い込んでしまった時に、
エクスデスさんが見つけてくれた為、此処で生活しています。
バハムートさん 「おはよう天翔!」
僕 「おはようございます」
ちびちゃんさん 「おはようございます!」
バハムートさん 「ちびもおはよう!」
嬉しそうな顔を見せてくるバハムートさん。
でもエクスデスさん達は何かを隠している様な顔をしている。
そうだよね。こんなの…言えないよね…
バハムートさんはゾディアークさんが大好きです。
いつも一緒に居ました。
二人は仲良しで、よく戦いをしていました。
どんなになってもお二人は絶対一緒と約束していました。
だからバハムートさんはゾディアークさんに毎日声を掛けます。
でもゾディアークさんは何も応えてはくれません。
無視され続けても、楽しそうに話す彼を、アルテマさんは泣きながら見ていました。
ゼロムスさんも、諦めたような表情でした。
ゼロムスさん 「なぁバハムート」
バハムートさん 「何だ?」
ゼロムスさん 「ゾディアークに無視されて…嫌じゃないのか…?」
バハムートさん 「あはは!アイツはそういう奴なんだよ!大丈夫だ!ありがとな!」
ゼロムスさん 「…そっか…」
まるで彼が見えているかの様に話すバハムートさん。
おっと、ごめんなさい。今のは忘れてください。
あれから何日かが経ちました。
カオスさん 「やっぱり…オレ…言ってくる…」
エクスデスさん 「…!本気か!?そんな事をすればアイツは…!」
カオスさん 「このままじゃゾディアークの為にならないんだ」
エクスデスさん 「…分かった…」
カオスさん 「バハムート」
バハムートさん 「カオス!どうしたんだ?」
カオスさん 「バハムート…今ゾディアークは何処にいるんだ?」
バハムートさん 「何処って、私の隣に居るじゃないか?」
カオスさん 「…オレらには…
バハムートさん 「えっ…?」
バハムートさんはきょとんとした顔をした後、何かを思い出した様な顔をする。
数ヶ月前
ちびちゃんさん 「バハムートさん帰り遅いですね…」
僕 「何かあったんですかね…」
ちびちゃんさん 「えぇ!怖い事言わないでくださいよぉー!」
ちびちゃんさん 「えっ!?」
エクスデスさん 「何だ!?」
バハムートさん 「あはははははははははは!もっとだ!破壊し足りない!」
そこには豹変したバハムートさんが居ました。
どうやら能力が暴走したようです。
ゾディアークさん 「バハムート!しっかりしろ!目を覚ませ…!」
ゾディアークさん 「…!?」
バハムートさん 「まずは一人目…」
ゾディアークさん 「バハムート…?何…で…?
エクスデスさん 「ゾディアーク!しっかりしろ!」
ゾディアークさん 「…エクスデス…逃げろ…お前達が…傷付く前に…」
バハムートさん 「あはははははは!もっとだ!殺戮!破壊!全て要らないんだ!」
カオスさん 「ふざけんな…」
バハムートさん 「何だ?」
カオスさん 「ゾディアークを…」
バハムートさん 「うっ…!」バタッ
ゼロムスさん 「カオス!止まれ!」
カオスさん 「何で止めて…!」
アルテマさん 「バハムートさんも眠りました!だからやめてください!」
カオスさん 「…!…分かった…」
バハムートさん 「あ…あ…あはは…私が…ゾディアークを…殺して…」
そう、これが真実です。
バハムートさんは幻覚を見ていたんです。
まるでゾディアークさんが此処に居るように。
ゼロムスさん 「だから…もうやめよう」
バハムートさん 「そんな訳ないだろ!?ゾディアークは此処に居るんだ!
ずっと私の傍に居ると約束してくれたんだ!」
もうバハムートさんの眼に光なんかなくて、
バハムートさん 「ねぇ!ゾディアーク!ずっと此処に居るよね!?」
ゾディアークさん 「…」
バハムートさん 「ほら…そう言ってるでしょ…?だからそんなの認めない!私を馬鹿に
したいだけなんだろ!?」
エクスデスさん 「…済まなかった…」
バハムートさん 「分かったらさっさと出て行け!」
そしてエクスデスさん達も遂に諦めてしまった。
カオスさん 「おはよう!バハムート!」
バハムートさん 「おはようカオス!」
エクスデスさん 「ゾディアークもおはよう」
エクスデスさん達は演技をし続けた。
バハムートさんが傷つかない様に。
黒く濁った彼の眼には、居なくなった人しか見えない。
ちびちゃんさん 「天翔様、どうしますか?」
僕 「…正直、もう無理だと思います…でも…」
ちびちゃんさん 「助けたいんですよね!」
僕 「…!流石ですね」
ちびちゃんさん 「バハムートさーん!」
バハムートさん 「どうしたんだ?」
ちびちゃんさん 「バハムートさんにとってゾディアークさんってどんな存在
なんですか?」
バハムートさん 「私の家族だぞ。だからこれからもずっと一緒だ」
ちびちゃんさん 「そうなんですね!」
バハムートさん 「所で、天翔とちびは…」
ちびちゃんさん 「えっ…」
一瞬固まってしまった。
まるで怪しまれているようで…
ちびちゃんさん 「み、見えてますよ!」
バハムートさん 「…良いなぁ…」
ちびちゃんさん 「え?」
バハムートさん 「本当は私はゾディアークが見えてない…でも見えてるって嘘ついて
なきゃ耐えられなくて…」
僕 「…バハムートさん、本当は僕達も、ゾディアークさんが見えてません。
きっとゾディアークさんは優しいから、何処かで僕達を見てくれています。そうですよね。
やっぱり、そんなの耐えられないですよね。だって突然と大好きな人が居なくなって、
一人になるなんて嫌ですよね。頑張って偉いですね。とっても偉いですよ」
ちび視点
天翔様はバハムートさんを優しく抱きしめる。
あぁ、やっぱり優しいなぁ。
何処かあったかくて。
天翔様って、本当に前世から徳を積んできた人だと思う。
ずっと優しくて、人の為に無理をしちゃう人だから。
自分がどんな状況下に置かれても、誰かの為に優しく出来る。
凄いなぁ。
だから「優しい人は急に居なくなる」これは天翔様の為に造られた言葉って思う くらい。
それくらい素敵な人だから。
私 「天翔様、バハムートさん」
バハムートさん 「どうしたんだ…?」
私 「ちゃんと味方は此処に居ますからね。ゾディアークさんの事を
最期まで思ってくれるバハムートさんも、優しすぎて無理をしちゃう天翔様も、
自分が一人なんて思わないでくださいね。私が居ますから」
天翔様 「…ありがとうございます♪僕の事まで気にかけてくれて」
私 「絶対に幸せになりましょうね!ゾディアークさんに嫉妬されちゃう
くらいに!」
バハムートさん 「…あぁ!」