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ポレ
104
休日の朝 、 午前八時半 。
シェアハウスの中はまだ静かだった 。
一番に起きたライは 、 髪を軽く整えながらリビングへ向かう 。
ソファを見ると 、 毛布にくるまって寝ているロウの姿 。
「 またソファで寝てんだ 。 」
ライは苦笑しながら毛布を掛け直す 。
そのとき 、 キッチンから包丁の音が聞こえてきた 。
トントントン ……
「 おはよう 。 」
エプロン姿のウェンが振り返る 。
「 あ 、 おはよ ! 」
「 もう朝ごはん作ってるの ? 」
「 休みだしさ 。 みんな起きたらすぐ食べられるようにしとこうかなって ! 」
フライパンではベーコンが焼け 、 鍋ではスープが温められている 。
「 いい匂い 。 」
「 もうちょいでできるよ ー ♪ 」
「 何か手伝おうか ? 」
「 じゃあ 、 お皿お願いしていーい ? 」
「 了解 。 」
数分後
ロウが眠そうな顔でキッチンへやってくる 。
「 …… おはよ 。 」
「 お 、 起きた 。 」
「ロウさ 、 ソファで寝ると体痛くならない ? 」
「 慣れた 。 」
「 慣れんなよ 。 」
ロウは小さく笑った 。
そのあと 、 二階から足音が聞こえてくる 。
「 おはよ ー …… あ 、 もう飯できてる ? 」
「 ちょうど完成 ! 」
「 うわ 、 めっちゃうまそう 。 」
「 今日は洋食なんや ! 」
「 朝から豪華やな 。 」
「 流石ニキ 」
テーブルにはトースト 、 スクランブルエッグ 、 ベーコン 、 サラダ 、 スープが並んだ 。
「 いただきます ! 」
しばらくは食べる音だけが聞こえる 。
最初に口を開いたのはライだった 。
「 ん ! やっぱりおいしい 。 」
「 ほんと ? 」
「 うん 。 スクランブルエッグめっちゃ好き 。 」
「 へへ 、 よかった ! 」
そこへロウも頷く 。
「 ス ー プもうまい 。 」
「 昨日の夜に仕込んどいたからね ! 」
「 手間かかってんね 。 」
さらにリトもパンを食べながら言う 。
「 ウェンの料理って毎回外れないよな 。 」
「 分かる ! 普通に店出せそう !! 」
「 休日の朝からこんなん食べれるん結構幸せやんな ! 」
「 毎週食べたい 。 」
「 俺の朝起きる理由これですもん 。 」
「 …… 。 」
急に静かになる 。
みんなが顔を上げる 。
ウェンはフォークを持ったまま固まっていた 。
「 ウェン ? 」
「 …… や 、 」
ぽり 、 と頬をかく 。
「 今日どうしたのみんな 。 」
誰も答えない 。
「 ぁの 、 そんな一気に褒められるとさあ 、 」
目をそらす 。
「 …… 反応困るじゃん 。 」
ロウが口元を緩める 。
「 照れてんだ 。 」
「 ちげえし ! 」
「 い ー や 、 ウェンは絶対照れてる ! 」
「 違うって 。 」
「ウェンくん耳赤いよ ー 」
ウェンは思わず耳を隠す 。
「 …… 見るなって 。 」
リビングに笑い声が広がる 。
「 分かりやすいね 。 」
「 褒め耐性ないじゃん 。 」
「 かわいい反応 。 」
「 おい 、 るべしょう !! 」
少し照れながらツッコむ 。
「 そういうこと言うなってえ 、 」
ライも笑いながらフォロ ー する 。
「 でも 、 本当においしいから言っただけだよ 。 」
「 …… 。 」
また少し黙る 。
それから照れくさそうに笑って 、
「 …… ありがと 。 」
小さくそう言うと 、 立ち上がってみんなのおかわりをよそい始めた 。
「 今日は買い出しでも行く ? 」
「 行く行く ! 」
「 アイス買お 。 」
「 リトくんアイス好きだね ー 。」
「 冷蔵庫の食材も結構減っとったもんなあ 。 」
「 じゃあぼく飲みもん担当 。 」
「 俺は ー 、 カゲツと一緒に行きますかね 。 」
「 ほどほどにね ー ? 」
「 絶対カゴいっぱいになるやつじゃん 。 」
みんなが笑いながら支度を始める 。
休日のシェアハウスは 、 今日も朝からにぎやかだった 。
コメント
1件
読み終わりました!朝のシェアハウスの空気感がすごく心地よくて、自然と笑顔になりましたね。特にウェンが一気に褒められて耳まで赤くなるところ、ああいう「照れ隠しでツッコむけど結局『ありがと』って言っちゃう」感じがめちゃくちゃかわいくて…キャラの関係性が会話の節々から伝わってくるのがいいなあ。タイトルの「riwn(なはずだった)」との繋がりはまだ気になりますが、この日常の温かさを丁寧に描く姿勢、とても好きです!