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「 KP ー ! 」
グラスを軽く合わせる 。
仕事終わりの一杯は 、 思っていたよりもおいしくて 。
話も弾んで 、 気づけば時間はあっという間に過ぎていた 。
イッテツは料理をつまみながら 、 向かいに座るウェンを見る 。
さっきまで楽しそうに話していたウェンが 、 少しぼーっとグラスを眺めていた 。
tt
「 ウェンくん ? 」
wn
「 …… ん ? 」
返事がいつもよりゆっくりだ 。
tt
「 大丈夫 ? 」
wn
「 ん 、 だいじょぶ …… 、 」
そう言いながら笑うけれど 、 その笑い方もどこかふにゃっとしている 。
イッテツは思わず笑ってしまう 。
tt
「 その 『 大丈夫 』 は信用できないなぁ 。 」
wn
「 できるよぉ …… 。 」
ウェンはそう言ってグラスを持とうとする 。
でも 、 少し手元がぶれて 、 危うく倒しそうになる 。
tt
「 あっ 。 」
イッテツがさっと受け止めた 。
wn
「 …… おぉ 。 」
数秒遅れて反応するウェン 。
wn
「 ありがと 、 テツ 。 」
tt
「 今日はもう終わりにしよう 。 」
wn
「 えぇ ー 。 」
口では不満そうなのに 、 素直に頷く 。
店を出る 。
夜風に当たったウェンは 、 大きく息を吐いた 。
wn
「 すずしぃ …… 。 」
そのまま数歩歩いて 。
ふらっ
tt
「 危ない 、! 」
イッテツが腕を支える 。
wn
「 …… あ 。 」
ウェンはイッテツの腕につかまりながら 、 小さく笑った 。
wn
「 地面 、 揺れてる 。 」
tt
「 揺れてないよ 。 」
wn
「 …… そう ? 」
真剣な顔で地面を見つめる 。
数秒後 。
wn
337
#akg
ポレ
105
「 揺れてないかも 。 」
tt
「 うん 。 」
イッテツは思わず吹き出した 。
駅へ向かう途中 。
ウェンは一歩歩いては止まり 、 一歩歩いては空を見上げる 。
tt
「 ウェンくん ? 」
wn
「 今日 、 星きれい 。 」
イッテツも空を見上げる 。
tt
「 …… 今日は曇ってるね 。 」
wn
「 …… 。 」
ウェンは黙ったまま空を見る 。
数秒後 。
wn
「 あ 、 ほんとだ 。 」
tt
「 今気づいた ? 」
wn
「 うん 。 」
二人とも笑ってしまう 。
しばらく歩いていると 、 ウェンの足取りがまた怪しくなる 。
wn
「 テツ 、 」
tt
「 うん ? 」
wn
「 眠い 、 」
tt
「 もう少しだから頑張ろう ? 」
wn
「 …… むり 。 」
そう言った次の瞬間 。
ウェンはイッテツの肩にもたれかかる 。
tt
「 おっと 。 」
イッテツは慌てず体を支えた 。
wn
「 ごめんね …… 重い ? 」
tt
「 全然 ? 」
wn
「 …… やさしい 。 」
その一言に 、 イッテツは少しだけ照れくさそうに笑う 。
tt
「 歩けそう ? 」
ウェンは考え込むように目を細めてから 、 小さく首を横に振った 。
wn
「 …… たぶん 、 五分くらい充電したら歩ける 。 」
tt
「 スマホじゃないんだから 。 」
思わず笑いながら 、 近くのベンチへ連れて行く 。
自動販売機で水を買って戻る 。
tt
「 はい 、 水 。 」
ウェンは受け取ろうとして 、
wn
「 あれ 。 」
キャップが開かない 。
wn
「 かたい …… 。 」
イッテツは自然に受け取り 、 キャップを開けてから渡した 。
tt
「 ど ー ぞ ! 」
wn
「 ん 、 ありがと 。 」
ごくごくと水を飲んだウェンは 、 ほっと息をつく 。
wn
「 …… 生き返ったあ 、 」
tt
「 少し休んだら帰ろっか 。 」
wn
「 うん 。 」
静かな夜風が吹く中 、 イッテツはウェンの様子を気にかけながら隣に座っていた 。
少ししてウェンの表情も落ち着き始める 。
wn
「 今日は介抱させちゃったねえ 。 」
tt
「 こういう日もあるよ 。 」
wn
「 次はちゃんとほどほどにしとく 。 」
tt
「 その言葉 、 覚えておくね 。 」
ウェンは照れたように笑い 、 「 …… たぶん 」 と付け足した 。
その返事に 、 イッテツはまた小さく笑った 。
コメント
1件
うわあ、この「たぶん」のチョイスがもう本当に効いてる……! 酔っ払ってふにゃふにゃになったウェンくんがすごく可愛くて、でも介抱するイッテツさんの優しさもじんわり沁みますね。地面が揺れてるって真剣な顔で言うところとか、曇ってるのに星が綺麗って言っちゃうところとか、そういう酔っ払いのディテールがリアルで微笑ましかったです。帰れます、たぶん。その「たぶん」に二人の関係性がぎゅっと詰まってる感じがしました。