・ タヒネタ 含
10月 が 終わりかけ の 少し 肌寒い 秋 。
『 っはー 、寒いなぁ ! 』
と 笑いかけ ながら 言ってくれる 彼奴 は もう 居ない 。
俺様 を 置いて 、
なんでかなぁ と 虚無 に 問いかけて も
当然 返事 は 帰ってくる ハズ も なく 、
月明かり に 照らされて ルビー の 様に 光り 輝く
綺麗 な 瞳 から 柄にも なく 涙を 流して 、
拭っても 拭っても 拭き 取れない 。
「 っは … 俺様 どうしちまったんだ … 」
彼奴 には 色々 言っちまった と 後悔 しても
もう 居ないの だから 遅い 。
「 居なくなって から 後悔 する なんて
今まで満たされてた って 事 だよな 。 」
彼奴 との 思い出 に 耽り ながら 煙草 に
火 を 着けて 、いつもの 様に 1吸い 。
だが 、何故 だろう 上手く 吸えない
動揺 して 息 が 吸えない 。
終い には 咳き 込んで しまった 、
涙目 に なりながら も 忘れ ようと また
息 を 吸い込んで 、
できない 。できない … 、
「 チッ … なんで だよ … 」
舌打ち して 煙草の 箱を 握り 潰し
小さな 溜息 を 漏らす 。
なんで って 言っても 当然 だが 答えて
くれる ヤツ なんて 何処 にも 居ない 。
『 なんで やろ 〜 な ! 』
居ないと 思ってた 瞬間 その 声が 聞こえて
きて 、急な 事に 理解が 追い付けず 情けない 声 を 上げた 、
見慣れた 千鳥格子柄 の スーツ に
糸目 の 彼奴 が ふわり と そこに 立ってた 。
なんで 居るんだよ と 言葉が 出るより 先に
身体が 動いて いた 。
ゆらゆら と 左右に 揺れる 彼奴 。
抱き 締めて やろう と 腕を 伸ばした その
瞬間 、スカッ と 透けて 触れない 。
「 … ?? 」
さっき まで 堪えて いた 涙が ボロボロ と
溢れ 落ち ながら 困惑 していると 彼奴 が
察した のか 訳の 分からない 事 を 言い
出した 。
『 っあ ー … 俺 ほんま に おらん なって
もーたんやな … さっきまで 病院 の ベット
やったんに … 左馬刻 見舞い 来て くれた から
わかる やろ ?? 』
「 居なく なった って … だって お前 、… 」
『 あーーー… えらい 困惑 しとる な …
ええか 左馬刻 、俺はな … ────── 』
「 もういい 、 」
気づけば 俺は 話を 切っていた 。
だって 彼奴は 目の前 に 居るのに 彼奴 じゃ
ない って 言われたら 誰だって 困惑 する
だろ 、と 心の中 で 誰かに 語り かけてた
多分 自問自答 って ヤツ だ 。
だって 聞いて くれ よ 、
昨日 まで 元気 、とは 行かない が 息を
吸って 笑って 楽しく 喋ってた ヤツ が
急に ぽてっ と 逝っちまう なんて 、
誰がわかるかよ … 、
『 左馬刻っ! 逃げても無駄やで? 』
にこにこ と 抜かして 相変わらず 左右に
ゆらりと 揺れる 彼奴 、気付けば 、
目の前に 周り 込まれて しまった 。
すばしっこい ヤツ は 嫌いだ 。
「 … なんだよ 、 」
と 、未だ 零れ落ちる 涙を 拭い 、
目を 逸らし ながら 少し 後退り を して 、
『 いっや 〜〜 話とる 途中やのに !!
なぁんで 切り 上げるん や !? 』
「 お前 みてェな ヤツ の 話 なんか
聞いてる暇 ねェん だよ 俺様ァ 。 」
明らかに 怒ってる 事を 表す様 に 乱暴に
ポケットに 手を 突っ込んで
『 おぉ 〜 怖い 怖い、そんな 態度 取らんで
や 〜 左馬刻ぃ 〜〜 … 』
「 誰のせいだと 、 」
悲しみと 怒りの 混ざった 震えた 声で 訴えたが
返って きた のは いつも通りの 陽気な 声 。
なにを 言っても 誤魔化される だけ 、
「 生きてる うちに 言いたかった 。 」
ぐっ と 握り拳に 力を 入れて 意を 決して 口を
開いて 出た 言葉
「 愛してる … 」
『 っはは … やっと 言うて くれた … 、
俺も 愛しとるで 左馬刻 。俺なんかと 出会うて
くれて 隣に 居るって 誓ってくれて おおきに 』
と 目に 大粒の 涙を 浮かべ ながら 俺様の事を
抱きしめて 、まるで 別れ話 みたいな 事を
言っている と 思うと また 悲しくなった 。
まぁ 違う 別れだけど 別れ話には 変わり ねぇな
と 考えている うちに ポツポツと 小雨が 降って
きて 、それは すぐに 激しくなった 。
「 まるで 今の 俺様の 心情 だな … 」
気付くと 彼奴の 姿がない 。
「 っは 、 俺様を 置いて行く なんて 良い度胸
だな … 本当 、 」
HAPPYEND ︰ swallowed .