テラーノベル
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湯気がふわふわと立ちこめるバスルームの中、白い蒸気の中で司の頬はほんのりと紅く染まっていた。肩まで湯に浸かった彼の隣には、微笑みを浮かべた類が静かに座っている。
「司くん、そんなに端っこじゃ落ち着かないんじゃないかな」
「別に、オレはここでいいぞ」
類の視線を意識してしまってか、司は視線を泳がせながら答えた。顔を見られるのが照れくさいのか、ふいに湯の中で足を動かすと、偶然にも類の足に触れてしまう。
「ふふ,くすぐったいな。ねぇ、そんなに恥ずかしがらなくても、僕たちもう何度も一緒に入ってるじゃないか」
「それはそうだが…」
ぴちゃり、とお湯の音が鳴る。類が軽く手を伸ばし、司の濡れた前髪を指先で梳いた。その手つきはまるで宝物に触れるように優しく、けれどどこか、くすぐるような悪戯心も混じっていた。
「今日は……ちょっとだけ、特別なことをしてみようか」
「と、特別って……何を……?」
警戒心を含んだ司の目を、類は楽しそうに細めて見つめる。そのまま、彼の肩にそっと手をまわし、後ろから抱きしめるようにして耳元へ唇を近づけた。
「たとえばお湯の中で、どこまで気持ちよくなれるか。試してみるのはどうかな?」
「っ,類ここ、浴室だぞ…」
「うん、だからいいんじゃないか。音も、滴る水も、全部誤魔化せるからね」
類は、司の胸の突起を撫でたり爪で軽く引っかく。その感触に、司は小さく息を呑んだ。湯の熱よりも、類の体温のほうが近くて、熱い。
コメント
2件
初コメ失礼します!神ですね最高ですありがとうございます。語彙力高くないですか?文の一つ一つがエッッッさを引き立てて好きです大興奮しましたありがとうございます(2回目)