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激動の昭和の戦争は終わり、日本は「平成」という新たな平穏の時代を迎えていた。
アメリカ軍の潜水艦による奇襲や凄まじい空爆によって、与論島や渥美大島をはじめ、かつて防衛バリアのネットワークを形成していた【周辺のすべての各島】の拠点は無残に破壊され、世界の守護バリアは完全に失われていた。
かつてのような絶対的な超常の力が復活することは二度となかったが、絶望の焦土から立ち上がったアギと島民、そして本土の人々は、力ではなく「祈りと伝統」を未来へ繋ぐことを決意する。
「目に見える守護の光は失われても、私たちの心と、数千年紡いできた祈りは消えていない」
アギの呼びかけに応え、戦火によって引き裂かれていた【各島の民たち】が、再び固く手を取り合った。
復興の象徴として、かつて神殿があった【すべての各島に、それぞれ祠(ほこら)が配置】されていった。
南の【与論島】をはじめとする南西諸島の島々では、民たちが海から美しい白砂やサンゴを運び、かつて大破した神殿の跡地に、小さな、けれど温かい白亜の祠をそれぞれ建て直した。
アギは与論の祠の祭壇に、戦火から守り抜いたかけがえのない『星の砂』をそっと捧げ、繋がる他の島々の祠にも、聖なる砂が大切に小分けされて納められていった。
北の【渥美大島】や、それを取り囲む沿岸の島々にも民や本土の職人たちが集まった。
かつて多くの兵たちが流した血の歴史を弔い、静かな海の平穏を願うための、木々の緑に調和する厳かな祠が、それぞれの島の一角に次々と築かれていく。
そして、本土の【上野原に新しく築かれた祠】。
物理的なバリアが復活することはなかった。
しかし、【各島に漏れなく配置された祠】を霊脈で繋ぐ【神事】と、それぞれの島々を挙げた【祭り】が、見事な伝統としてここに完全復活を遂げたのだ。
年に一度、太鼓と三線の音が響き渡る中、各島の民はそれぞれの島に建てられた祠の前で星の砂に感謝し、平和を祈る。
バリアという超常的な力に頼るのではなく、祭りを通じて「島と島、人と人との絆」で国を護っていくという、新しい時代の形だった。
アギは、各島々で優しく灯るこの復活した祭りの灯火の中で、無事に次の世代へと命を繋げた我が子、そして孫たちの健やかな成長を、慈しむような目で見守り続けた。
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