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さき
144
※終盤、弱センシティブです。
“やっぱり迷惑かなこの気持ち”
真っ暗闇の中
エアコンの風の音にシーツが擦れる音
自分の息の音心臓の音
いつも聞こえる生活の音が
遮断され聞こえてくるのは
はやとの声だけ
何が迷惑なんだろう
この気持ちって…なんのこと言ってるんだろう
迷惑はしてないし何もされてない
だけどはやとの声からするに何か
悩んでるようだった
俺はわからなくてもう一度今より深く神経を沈ませて
耳をよく澄ませる
“仁人のことが好きなのに”
「仁人ー?」
頭の中で聞こえるはやとの声が俺の声によって聞こえなかった
でも俺の名前が重なったのだけはわかった。
綺麗に“仁人”ってハモってたな
…何話そうとしてたんだろう
絶対大事なことだったよね、
まぁ知ったところでか。
俺は目を開けて立ち上がってキッチンへ向かう
さっきまで布団の中にいたせいか足があったまって
床がやけに冷たく感じる
こんなのいつものことなのに
どうしてこんなに…なんとも言えない気持ちになるんだろう
そうこう考えていると
ブカブカのエプロンを首にかけたはやとがお皿をテーブルに並べているのが見えた
俺は駆け寄り手伝うというが頑なに嫌だと譲らない
こういう時本当に譲らないからなぁ
俺は大人しく椅子に座った
フォークを並べ終わり座ったはやと
準備が整ったので
ご飯を久々に2人で一緒に食べる
「「いただきます」」
フォークで麺をくるっと巻いて口に運ぶ
はやとの料理なんて
もう食べれないかもしれないんだから
ちゃんとしっかり味わって食べる
美味しい、本当に
なんだか泣けてくるほどに
「…どう?」
不安気に俺の方を見つめてくる
「うまいよ、上達したなぁ〜」
「上から目線すぎー」
そんな冗談を言い合っている場合じゃないけど、
こうでもしないと正気を保てそうにない
泣きそうになるのをグッと堪えて
麺と一緒に飲み込んだ
じんわりと温まるお腹と満たされていく感覚
別にいつもと変わり無いはず、なのに
なんでこんなに
特別に感じるんだろう。
さっきから視界がホワホワというか
はやとから感じるほんわかとした気配というか感じというか
悩みながら食べていたせいで喉に麺が詰まる
「ゴホッゲホ」
「はい、これ水」
「ゴホッ、ありがとう、」
そういうさりげない優しさでさえ
泣きそうになる俺を許してくれるだろうか
ずっと夢みたいだった
こんな有名人と友達ってことがメンバーってことが
当たり前って思おうとした
けどどうしても特別にしか見えなかった
友達に対して抱く感情を覚えそうになって
焦ってた、でももう今は
諦めている
目を背けるんじゃない無視するんじゃない
ただ認めるだけ
好きなんだなってそれだけ
なのに勝手に悲しんで被害者ヅラしてる
そんな自分が大嫌いだ。
水と一緒にこの気持ちも洗い流せたら飲み込めたらいいのに
俺大人になってからわがままばっかだな
情けねぇ…、
自分に呆れながら残り少ないペペロンチーノを食べていると
「…ねぇ仁人」
はやとが話しかけてきた
「ん?」
「ご飯食べ終わったら言いたいことがある」
「、うんわかった」
言いたいこと
そんなの考えればわかるよ
“お前最近変だよ”
多分これだ自信大有りだ。
最近の俺はよそよそしかったと自分でも自覚している
俺は、はやとを避けるようになった
なんではかわかんない
生存本能みたいな感じで無意識なんだろう
それだから余計嫌だった
自覚しても近づけなくて近づいてきたら逃げてしまう
どうしてこんなに臆病になっちまったんだろ
昔はもっとできてたのに
自分の気持ちくらい素直に言えていたのに
…今じゃこの有様だよ。
自分に失望してたってお腹は減るもの
俺はペペロンチーノのたいらげてシンクにお皿とフォークを置く
そしてソファーにそのまま移動して座る
待つのは怖いけど
待たなきゃ何も始まらない
何も起きない方がよっぽど怖いから
体が硬直して動かなくなる
さっきまでゆったり食べていたはやとは俺が食べ終わってから
少しだけ急いでいた
別にいいのに急がなくても
そんな俺の視線に気づいてるくせに焦って食べている
一応俺の体だから無理はやめて欲しい
急いで食べたせいで口元に油がついていた
ペペロンチーノを全部口の中に詰め込んだせいでリスみたいになっている
立ち上がって俺の目の前にきて座る
そして口をもぐもぐさせている
…なんで俺の前にきた?
え、いやそこの椅子で食べりゃよかったじゃん
疑問がる俺を見て
ほらまたその視線。
あの声も相まって余計わからなくなる
あの声は、はやとだけど
でもなんで俺に聞こえてきたんだろう
迷惑とか言ってたけど
何が迷惑なんだろう
考えたって耳鳴りが脳に響くだけで
何も変わらない
ただただ咀嚼するはやとを見つめることしかできなかった
というか恥ずかしいな
リスみたいな自分を見るのって結構キツい。
体験するなんて思ってなかったけど
こんなキツいとは…
見てられなくて俯く
どのくらい時間が経っただろう。
と思った頃
はやとが話し始めた
「仁人は、俺のこと嫌い?」
不安そうな声に顔をあげる
さっきまでリスだったはやとが
子供みたいに幼くて怖がる視線をこちらに向けてくる
なんで今更そんなこと聞くんだろう
嫌いなわけないのに。
「い、や。嫌いじゃないよ」
「じゃあ好き?」
…なんか消去法みたいな。
はぁ、これ以上はやめよ、どうせ言葉にできやしないんだから
好き…か。
好きは好きだ
けどここで告白なんてできる雰囲気でもない
ならメンバーとして好きって答えれば
いいって思うけど
それは俺が余計自分の首を絞めることになる
苦しくて息ができないほどに
だからなんて言えばいいかわからない
俺は気づけば黙り込んでいた
それに気づくのはそう遅くはなかったが
でも言葉は出なかった
「…昼寝しよう!一緒に!」
「え?」
ヒルネ?
今ここにきて昼寝?
こいつどんだけ睡眠不足なんだよ
えぇまぁ、えぇ?
なんだかさっきまでナヨナヨしてた自分がバカらしく思える
「一緒にねんの?」
「えうんそりゃね」
なんでそんな平気そうな顔してんだよ
おかしいでしょ
いやいや流石に成人男性2人寝るとか
なんか寂しくないか?
いや俺は別に…いや無理かも
だいぶ嫌かも
だって好きな人と寝るって
無理無理
絶対に寝れない
「えぇ…」
「…いや?」
少し見上げるように俺を見つめてくる
これが上目遣い、
やめろよそんな子猫みたいな目で見てくるなよ
俺の心の声が聞こえているのか知らんが
余計きゅるきゅるした目で
見つめてくる
うぅ…ま、まぁ寝るくらいなら
「しゃーなしな」
「よっしゃ!ほらはやく〜!ねよーぜ」
ぴょんぴょんと跳ねながら寝室へ向かうはやとに俺は少し呆れながらも
ついて行った
なんで昼寝なのかはわかんないけどはやと…らしい?気もする
何か言わなきゃ!で、出たのが
「昼寝しようぜ」だったってだけで
別に深い意味はないのだろう
寝室へ入ると既にゴロンと寝そべっているはやと
「ほら仁人も!」
俺の声で俺の名前呼ばれるのなんかすごい恥ずかしいというか違和感。
今更って感じだろうがようやく落ち着いてきて
冷静さを取り戻しつつある
ツッコミもできるくらいに余裕もできたし
まだまだ知りたいこともあるが
一度気休めしよう。
まぁ寝れるわけがないんだけど。
なんなら疲れるまである
…でもあの目で見られたら
ちょろいな俺、
てかなんでそんなに嬉しそうなんだよ!
おかしいだろ絶対
俺が渋って立ち止まっていると
痺れを切らしたはやとが俺の手を引っ張った
「ぅわ!」
ぐわっと揺れる視界
はやとに掴まれたところがやけに熱い
気づけば視界は真っ白な布団の中
こうなるなら自分から行けばよかったと遅い後悔をして
布団からなんとか潜り出ると
はやとが目の前にいた
俺の体じゃない、いつものはやとが
俺のことを愛しそうに見つめていた
体が…戻った?
不意に目があって逸らしてしまった
今度は言い訳なんてできない
あんな、目で見つめられても
俺の目って垂れ目だからそう見えるもしれない、自分が知らないだけで
だけどもう体は元に戻った
つまり…この言い訳は通用しなくなってしまった
布団から出てきたと思って横向いたら好きな人いるって状況って
よくよく考えたら
と考えてみるとますますドキドキが収まらなくなる
体は元に戻ったしそれはもちろん嬉しいけど
その視線はなんだよ…
「戻れたね、衝撃で戻るとはなぁ笑」
確かに
でも俺はやとと昨日会ってないんだけどなぁ
まずそもそもの接点がないのに
ぶつかるのが戻る条件なら
入れ替わる条件ってなんだろう。
まぁわかるわけないんだけど
考えたところで
「まぁこういうのって明日の朝に戻ってるってやつ多いよな」
「戻れてよかったわぁ〜でも案外仁人の体も悪くなかった」
「お前それめちゃくちゃキショいこと言ってるぞ?」
「でも仁人の気持ち知れてよかった」
俺の気持ち?
「何急に怖いんだけど」
「…このセリフ俺が言うのかぁ、まぁいいか」
腕を組んで顰めっ面を見せては
こちらをチラチラと様子見してくる
は?なに?本当に?
なんか真剣そうだけど
ならちゃんと座って聞こうせめて
正座に座り直して
ベットで2人座っての沈黙…
気まずいな。
「…ちゃんと聞いててね」
はやとの言葉に少し身構える
本当に怖いけど聞かないといけなさそうだしてか拒否権ないみたいだし
俺は黙って頷いて
はやとが話してくれるその時を待つ
そしてついに
はやとが数秒の沈黙の後
話してくれた。
「仁人は、俺が好きなんでしょ?」
「…は?」
「シッテルンダヨボク」
「えいやいやないないないない」
図星だけどなんとか誤魔化す
なんで知ってるの?
知ってそうなそぶりしてなかったし
言ってないし俺から
この話題も極力避けてたし
なんでバレたの?なんでバレれんの?
探偵か何か雇った?
隠そうとしても困惑と焦りで脳内が埋まってしまい
行動で隠そうにも
目は見開いてるし少し冷や汗かいてるし
そんなの、
「はいそうです」と行動で言ってるようなものだ
「俺も仁人のこと好きだよ。」
「へ?」
「仁人が思ってるよりも俺、仁人のこと好きだよ」
はやとが俺を恋愛対象として見ている?
そんな状況があり得るのか?
いやいやこれはもしや夢なのかもしれない
非現実的なことよりも非現実的なことが今起きている状況
これが夢でもおかしくない
最近はあまり寝付けてなかったからなぁ
そりゃこんな変な夢も…
「夢とか思ってる?」
「えっいや…別に?夢なんてね思ってませんよ」
「なら、証明してあげる」
そう言って俺の手を取り
自身の口の中に入れ始めた
俺は慌てて引き抜こうとしたが
掴む力も引っ張る力も強くてびくともしない
俺の必死の抵抗も難しく
はやとの口の中にもう俺の人差し指が入り込んでいた
はやとが吐息を吐くたびに熱い息がかかって
指先が震えるのが自分でもわかる
舌に少しだけ指先が不意に触れる
少しだけ肩がびくついた
はやとはそのことに気づくと
俺の指先に舌を絡めてきた
「はやっ、ねぇ、ちょっ、ぁ…」
自分から出る声に驚いて口を塞ぐ
だけどはやとの舌は止まらなくて
むしろもっと熱く絡めてくる
指先がはやとの唾液で濡れているとこのぬるっとした感覚で自覚するたび
恥ずかしくなる
指先が火傷するように熱くてたまらない
指先だけしか触れられていないのに
なんでどこもかしこも熱くなるの?
頭バカになってくる
どんどんねつが頭にまわっていって
あたまがはたらかなくなってくる
「かお、とろけすぎ」
「そこで、しゃべんなっ…」
はやとの声でパッと意識が戻る
こっちは必死で耐えてるというのに
意地悪なことを言ってくれる。
だけど今の俺の顔で睨んだって意味がない
それは逆にはやとの欲をかき乱すだけだろうし
熱の気持ちよさに思わず涙が溢れている、目がとろんと蕩けてる
そんな目で睨んだところでってことだ、
「ぅぅ、んぅ…ふっ…」
たまに第二関節をかぷっと甘噛みしてきたり
指先をツンツンと突いてきたり
慣れない感覚に震えて声が出てしまう
口を塞いでる意味もないほどに
自分の口から漏れる吐息も声も
甘くて溶けてしまいそうなくらいで
くらくらしてくる
「はっ、ゃと…も、むりっ…」
「夢じゃないってわかった?」
だからそこで話さないでってば、
息がかかってくすぐったいから。
「わかったからあ、もっもうやめ」
「まだわかってないって顔してる」
まだわかってない顔ってなんだよ?!
両思いになったのはいいけど
がっつきすぎだよ
「指だけでこんなんになってたら、この後どうなっちゃうのかな。」
そうニヤリと笑ってこちらを見つめるはやと
この後を想像するだけでのぼせそうだ
「…優しくしろよ」
「煽ってる?」
入れ替わりはどうでしたか?
リクエスト自分で募集したくせに更新遅くなって本当にすいません。
これにて完結です。
センシティブ書くのがとてつもなく苦手なんですが
一度ちゃんと挑戦してみたいなとは思ってますね、
皆さんにご満足いただけるかはわかりませんが
初心者なりに頑張ります。
それではまた。
コメント
3件
素敵な作品をありがとうございました✨ 読んでるだけで、すごく幸せな気持ちになりました🥰 これからも新しい作品楽しみにしてます🧸 本当に感謝しかないです💕
うわあああん😭💕 第2話、めっちゃ良かった…!! 入れ替わりが解けて元の体に戻った瞬間からの展開がすごくドキドキしたよ〜! はやとが「仁人のこと好きだよ」って言ったところで私も一緒に「えっ!?」ってなったし、その後の指のシーンはもう……照れるけどエモすぎて何度も読み返したくなる😳🎀 お互い好きって伝え合えて、最後の「優しくしろよ」「煽ってる?」の掛け合い、最高すぎるよ…! 完結お疲れさまです、素敵な物語をありがとうございました🌸✨