テラーノベル
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ni×is
ni「〇〇まで、急いでください」
声が思ったより掠れて、自分でも一瞬わからなくなる。運転手がミラー越しにちらっとこっちを見て、無言で車を出した。
もう一度スマホを見る。
is( あいつに薬やられたかも、助けて )
あのとき、もう少し強く言えてたら、 無理やりでも引き止めてたら。
石井が触れられてる、なんて考えた瞬間、 頭の奥がぐらりと揺れる。
指先の震えをごまかすように、膝の上で拳を作る。
信号で車が止まる時間が やけに長い。
もうすぐ、もうすぐ着く。
ーーここや。
料金をほとんど投げるみたいに渡して、転がるように外に出る。
階段を二段飛ばしで駆け上がり、
目当てのドアの前で止まる。 けど、鍵はない。
一瞬だけ迷って、すぐにインターホンを押した。
もう一度。
長く、強く。
ni「石井!」
嫌な沈黙が、廊下にながれる。
握りしめていたスマホを持ち直し、震える指で電話をかける。
コール音が、やけに大きく響く。
応答はない。
ni「くそっ…!」
通話を切ると同時に、ドアを叩いた。
ほとんど殴りつけるみたいに。
ni「なぁ、おるんやろ!!開けろや!!」
耳を澄ます。
中の気配を、必死に拾おうとする。
すると、ドタバタとドアから遠ざかる音が聞こえる
あいつや…
その瞬間、頭の中で何かが切れた。
ni「開けろって言うてんねん!!」
足に力を込めて、ドアを踏み込もうとした、その瞬間。
is「……にぃ、ゃま……」
かすれた声が、ドア越しに落ちてきた。
ぴたりと動きが止まる。
is「……っ、にい、やま……」
間違いない。
ni「石井!?」
ni「おるんやな!?大丈夫か!?今開けろ、鍵!」
返事は、すぐには来ない。
内側で、何かをためらう間が生まれる。
ni「石井、大丈夫やから、はよ——」
ガチャ、
ロックが外れた瞬間、反射的にドアノブを掴んで、回す。
勢いのままドアを引き開けると、
視界の端で、崩れ落ちる影が見えた。
ni「石井!」
腕を伸ばして、間一髪でその体を支える。
思ったより軽い。
力が入ってないのが、触れた瞬間にわかる。
今着たような乱れた服にベトベトの体液が染み付いてた。
ni「…っ、まじで、最悪や……」
押さえ込んでたはずの感情が、一気に溢れかえる。
腕の中の体が、小さく身じろぐ。
抱きかかえる力が、思わず強くなる。
ni「なんで……っ、昨日あんだけ言うたやろ……!」
声が荒れる。
怒鳴りたいわけじゃないのに、止まらない。
ni「なんで家入れたん、なんであいつと——」
言葉が途切れる。
石井の指が、ぎこちなく服を掴んだ。
is「……にい、やま、ごめ……」
その声が、ひどく弱くて。
ni「違う……遅れて、ごめん、」
怒りと少しの安堵と、言いようのない感情が一気に押し寄せて、
声がうまく形にならない。
肩を抱き寄せたまま、ぎゅっと強く引き寄せる。
肩の中で、石井の呼吸がうまく合っていないのがわかる。
触れた体温が、不自然に熱い。
ni「……怪我は、ないな」
返事はない。
ただ、わずかに肩が震える。
ni「あいつは、逃げたんか?2階から?ちょ、捕まえてくる」
is「…離れんといて……」
その一言で、動けなくなる。
服を掴んでくる指が、弱いのに必死で。
is「…まだ、身体おかし、い、媚薬……」
心臓が、嫌な音を立てた。
さっきまでの怒りも、後悔も、全部ぐちゃぐちゃになる。
ni「…せめて、俺ん家まで我慢しいや」
is side
家に着いた瞬間、外で保っていた何かがきれる。
is「も、むり、にぃやま」
新山は無言で、ベッドに下ろしどこかへ行こうとする。
is「なん、でよ、行かんで… 」
離れる新山の服を掴む。
ni「…あかんって、離して」
is「……ぇ」
なんで離れたいんやろ
ちゃんと考えようとしても、頭がぼんやりしてて、
うまく繋がらない。
is「……にい、やま?」
返答はない。
その距離が、やけに遠く感じる。
is「……どこ、行くん」
問いかける声が、自分でも分かるくらい不安定で。
視界が、じわっと滲む。
必死に押さえようとしてるのに、
涙が勝手に浮かんでくる。
is 「……俺のこと、ぅ゙、嫌いに、なった?」
次の瞬間、服を掴んでいた手首を逆に掴まれる。
ni「嫌いになるわけないやん」
間髪入れずに言い切られる。
その視線が、真っ直ぐすぎて。
is「……っ、」
胸の奥が、ぎゅっと締まる。
掴まれたまま、引き寄せられる。
ni「でも、これ以上いったら、止まれへんよ」
その一言で、頭が一瞬止まる。
意味を考えるより先に、
鼓動だけが速くなる。
ni「……それでもええん?」
問いかける声が、近い。
is「……うん……」
小さく頷く。
ほとんど反射みたいに。
is「にい、やま、だから。」
その瞬間、掴まれてた手に力がこもる。
困った顔で何かを言いかけるも、諦めて。
ni「もう……あとで知らんで」
そのままゆっくりと後ろに倒されるみたいに新山がのしかかってくる。
次回へつづく
そろそろ終盤になりかけるかもだ。
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#syk
コメント
4件
あーこっちまで辛くなってしまう😭😭 新山さん!!塗り替えてくれ!!(?)

もうめーちゃ好きです‼️