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メイクヌナとグクテテ

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メイクヌナとグクテテ

6 - 第5話 テヒョンとのドライブ

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2024年07月01日

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それからしばらく、彼氏は家に帰って来なかった。


カトクの返信は一つもない。


私は、捨てられたのかな……


今頃別の女の子と一緒にいるんだろうなと思うと、涙が溢れて来た。


こんなことになるなら、同棲するんじゃなかった。


家に帰ると、彼氏と幸せに過ごしていた日々を思い出して、辛くなる。


帰りたくないな……


退勤してHYBEの社屋を出ても、何となく足は帰路から遠ざかっていった。


当てもなく街を彷徨っている内に……



「あれ?もしかして…」



帽子とマスクを着用した怪しげな男性が、私に近づいて来た。


ん?この声ってもしかして…!?



私「テヒョン!?どうしてこんな所に?」


テテ「ヌナこそ、こんな時間に何してるの?」


私「えっと……」


テテ「女の子ひとりでこんな時間にうろうろしてたら危ないよ」


私「………」


テテ「…もしかして、彼氏と何かあった?」



私の顔を覗き込んだテヒョンが、心配そうに訊いてくれた。


顔には出さないようにしていたけど…もしかして、泣きそうな顔になっていたかもしれない。



テテ「やっぱり…!ヌナ、おいで。話聞いてあげる」



テヒョンに連れられて来たのは、地下駐車場。


テヒョンはすたすたと歩いて、一台の車へ向かっていく。


見るからに高級車だ。私は車に疎くて、車種が分からないのが悔しい…


風を切って大股で歩く姿も、さらさらの前髪が風になびくのも、軽く羽織ったシャツがはだけてインナーのノースリーブと素肌が覗くところも、ポケットからサッと遠隔キーを取り出して車のロックを解除する所も、まるでドラマのワンシーンのようにスマートで、格好良かった。



テテ「ヌナ、助手席乗って。少しドライブしよ」


私「う、うん」



テヒョンが助手席のドアを開けてくれたので、私はそこに乗り込んだ。


ドライブって、どこに行くんだろう。


何にしても、あまりテヒョンに迷惑を掛けないように、話が終わったら早めに帰らなくちゃ。



私「あ、あれ、シートベルトは……」


初めての車に乗る時って、シートベルトの場所とか分からないよね。


私が助手席でキョロキョロしていると、車外にいたテヒョンがぐっと身を乗り出してきた。



私「わ…!?」



びっくりしたけど、黙ってされるがままに。


テヒョンは私のシートベルトを付けようとしてくれていた。身を乗り出した拍子に、私の胸とテヒョンの顔が触れそうになって…



私「…!////」



(こんなのキスの距離じゃん…!!////)



シートベルトが、バックルにカチャンと差し込まれた。



テテ「できたよ」


私「ありがと…////」



バタンと助手席のドアを閉めてくれたテヒョンは、そのまま何事も無かったかのように運転席に乗り込んで、エンジンを掛けた。





テヒョンが運転する高級車は、夜の街を滑るように走って行く。


ネオンライトや、テールランプ。信号機の明かり。街路樹を照らす街頭が、テヒョンの美しい横顔を照らしていく。


本当に、車を運転しているだけでも絵になる男の子だ。


そういえば、年下の男の子の車に乗るのって、初めてだ。


テヒョンの横顔を盗み見ていると、不意打ちのように目が合った。



私「……!」


テテ「何?」


私「あ…なん、何でもない…!」


テテ「そ。」



見惚れてたって、言っても良いのかな。


テヒョンはアイドルだし…そんな言葉、毎日のようにARMYから言われてるよね。



私「ド、ドライブって、どこまで行くの?」




多分、10分くらいは走ったと思うけど……


テテ「ん…好きな女の子を隣に乗せていたいだけ」


私「…えっ?」


テテ「嘘だよ。この先、夜景が綺麗な場所があるんだ」



今、テヒョンは何て言ってた?


……聞き間違いかな……


顔を赤くして俯いた私の頭に、何かが触れた。


テヒョンの手だった。


優しく撫でるように、髪に触られて……



私「な、なに…?」


テテ「可愛いなと思って」


私「可愛い…?私が…?」



何かの間違いだろうか。



テテ「着いたよ」



テヒョンが車を止めたのは、埠頭だった。


海は真っ暗だったけれど、街の明かりを受けて水面がキラキラ輝いている。


海の上に、静かに浮かんでいる月。


ーーこれをロマンチックと言わずに、何と言うのか。


その後、テヒョンに促されて、私はぽつぽつと話し始めた。


彼氏が家に帰って来ないこと。


カトクもスルーされていること。


きっと他の女の子の家に行ってる…ということ。


彼氏に束縛されて、暴言やDVを受けても我慢していたけど…


もしかして、これは『普通』では無いんじゃないかって、思い始めたこと。


テヒョンは私の話を遮らずに聞いてくれた。まるで夜の月みたいに、私の心を優しく照らしてくれているようだった。



テテ「それで、これからヌナはどうしたいの?」


私「分かんない…分かんなくなっちゃった」


テテ「僕は、ヌナにはずっと幸せでいて欲しい」


私「幸せ…?」


テテ「幸せでいてくれなきゃ嫌だよ」



テヒョンはそう言って、私の手を握った。



私「今は…幸せでは無いかな…」


テテ「どうしたらヌナは幸せになれる?」


私「……彼が、私を愛してくれたら…」


テテ「それって、その人じゃないといけないの?」


私「え?」


テテ「僕が、ヌナのこと愛してるって言ったら?」



今、テヒョンは何て…?



テテ「初めてヌナを見た時から気になってた。なんて悲しそうな目をしてるんだろうって。それからヌナを見ている内に、彼氏がいるってことを聞いて、でも諦められなくて…気付いた時には、もう好きだった」



私「そんなこと…急に言われても…!」


テテ「困るよね?」


私「…うん…」


テテ「ごめんね。今辛いのに。ヌナの気持ちも考えなきゃ」


私「………」



狼狽える私。



テテ「でも、僕がいつもヌナのこと考えてるって知って欲しくて」


私「…テヒョン…」


テテ「分かってる。今の彼氏とのこと、はっきりさせないといけないよね」


私「…うん……」


テテ「今すぐ結論を出せないのは分かるよ。でも僕が彼氏になったら、ヌナをこんな風に泣かせたりしない」



テヒョンの話を聞きながら、私は知らず知らずの内に涙を流していた。


テヒョンはそれを優しく拭ってくれる。



テテ「彼氏のこと、ヌナが大切に思ってるのも分かる。だから……待ってるから」


私「…うん……」

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