テラーノベル
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若井の唇が荒く元貴のそれを奪い続けていた。
酔いと衝動が混ざり合い、どちらの呼吸もどんどん乱れていく。
だが——。
突然、若井がハッとしたように動きを止めた。
「……俺、こんな……」
額を元貴の肩に押し付けたまま、息を整えようとしている。
その時。
——ピリリリリリ。
机に置いていた若井のスマホが鳴り出した。
画面には、彼女からの着信。
「……彼女、か」
元貴が低く呟く。
若井は慌てて手を伸ばしたが、その手首を元貴が掴んだ。
「……出ないで」
耳元で囁かれ、若井の体がびくりと震える。
しかしスマホは鳴り止まない。
焦燥の中で、元貴の唇が再び若井の口を塞いだ。
「んっ……はぁっ…… 」
水のように滑り込む舌。
抑え込むような強いキスに、若井は抵抗できず飲み込まれていく。
鳴り続ける着信音が、かえって意識を混乱させた。
⸻
やがて電話が鳴り止む。
息を乱す若井の頬を、元貴が指先で撫でた。
「……出なくていい」
「……」
「俺を見て」
その一言で、若井の目は再び元貴に釘付けになった。
だが、静寂はすぐに破られた。
——ピリリリリリ。
再び着信音が鳴り響く。
元貴が小さく笑った。
「……もう、出ていいよ」
若井は焦りながらスマホを掴み取った。
「……もしもし」
彼女の声が受話口から聞こえてくる。
心配そうに「飲みすぎたの?」と尋ねられ、若井はどうにか声を整えた。
「……大丈夫、ちょっと酔っただけ」
だがその横で、元貴が静かに動き始めた。
ベルトに指をかけ、ゆっくりと外していく。
「っ……やめ……」
声を殺そうとする若井の耳元に、元貴の吐息がかかる。
“声、出すなよ”
低い囁きが背筋を痺れさせた。
彼女の声が遠くなる。
元貴の舌が先端を舐め取り、唇が熱を吸い上げていく。
「……っ……」
若井は震える手で口元を押さえた。
だが、声を堪えれば堪えるほど、快感は強まっていく。
彼女は心配そうに「今日は休んだほうがいいよ」と言った。
その間も、元貴は速度を上げ、若井の身体を追い詰めていく。
「……あ、ああ……そうだな……」
限界が近づき、若井は息を切らしながら答えた。
「…ごめん、風呂入ってもう寝るわ。また明日な!」
慌てて電話を切ったその瞬間、若井の中の堰が一気に切れた。
「…あぁっ、イく……っ、ん……!」
熱いものが元貴の口内に流れ込む。
若井はソファの背に指を食い込ませながら、必死に息を吐いた。
元貴は溢れた白濁を舌で拭い取り、ゆっくりと顔を上げる。
「……なに、やってんだよ、っ……!!」
若井は悔しさと羞恥に顔を赤く染めた。
「……俺の方が、気持ちいいでしょ?」
口の端についた液をぺろりと舐め取りながら、元貴は満足げに微笑んだ。
若井の胸の奥に、どうしようもない苛立ちと熱が渦巻く。
けれど、言葉にはできなかった。
コメント
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めったいいわ次はどうなるんだろ?