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では、麻莉彩も気にしないでください。
そうそう、武器・防具屋へ行く前に指輪ボックスを覗いてください。
いろいろなアイテムが入っていますので。
あ! そうだね。
せっかくだから、使わせてもらうよ!
ええ。
それでは、また、後ほどに。
ありがとう!
「……アリッサ様?」
「は! すみません。ちょっと主人と会話をしてました」
「さすがの御方だわ……異世界越えの念話なんて……普通はできないのよ?」
「御方でしたら何でもありなのでございましょう……アリッサ様。もしよろしければ、あちらの世界の花をいただけないでしょうか?」
アルラウネならば花は大好きだろう。
女性へのプレゼントとしても無難な一品だ。
「分かりました。それでは……こちらで!」
指輪の中から、鉢植えと切り花を取り出す。
鉢植えの方はまだ蕾。
切り花は一ダースな十二本。
選んだ花は。
「ブラック・バカラ。向こうの世界で一番黒が強い薔薇です」
「っ! なんて美しい漆黒! こちらの世界ではこんなに黒が強い薔薇はございません! 鉢植えも切り花も、大切にしたいと思います!」
嬉しそうに微笑まれる。
アルラウネの魅了と謳われるのに相応しい、印象深い屈託のない笑顔だった。
萌館へ帰宅途中に、声を出してから首を振る。
私の帰還が待ちきれなかったらしい彩絲と雪華と合流したところで、不意に夫から。
素敵装備を検索してみましたよ?
検索結果を表示してください。
と、囁きがあった。
「主よ。思案するのは分かるが足下が疎かになっておるぞ?」
「うん。危ないから、考えるのは宿に戻ってからをお勧めするよ」
「あー、うん。主人からのアドバイスがあったんで、つい」
「ほほほ。さすがは御方。然もありなん」
「なるほど。それじゃあ考えちゃうのも無理はないか。どこかお茶でもしながら考える?」
「主様。お茶でございましたら、私がお淹れいたします。休憩小屋を召喚いたしますので、どうぞ寛ぎながら熟考なさっては如何でしょうか?」
ノワールが会話に入ってきた。
タイミングは絶妙だ。
「ふおっふお。それではまず、私の隠蔽で……」
妖精は見える人にしか見えないが、幻獣は見えない人の方が少ない。
ちらほらと感じていた不穏な気配と、それ以上に感じていた好奇心に満ち溢れた多くの目線が、すぱりと断絶された。
「凄まじいのぅ。我らの姿が消えたのに気がついた者が一人もいないとは!」
「正に、隠蔽。御方でも、ここまでの隠蔽は可能かどうか分からないかも……」
ランディーニの隠蔽は人が辿り着ける領域ではないようだ。
これならば、どんな追っ手がかかっても簡単に逃げおおせるだろう。
「ノワール。その赤い屋根の裏手が空き地じゃ。何日も人が立ち入っていないから、ちょうど良い場所じゃろうて」
「分かりました。ありがとうございます、ランディーニ」
滑るように空き地の前に移動したノワールは、そうだろうなぁと思っていた無詠唱で休憩小屋を召喚した。
扉に額をあてて、何やら囁いている。
「主様、どうぞお入りくださいませ」
敷地の広さに明らかにそぐわないサイズの、高級旅館の扉を開けたノワールが深々と頭を下げるので、足を踏み入れた。
「! おぉー! 凄い機能……」
足下に優しく絡みついた絨毯の毛が私の足から靴を奪っていった。
靴の行方を追っていると、最後ににょいんと長く伸びた絨毯の毛が、下駄箱の中に靴を入れてくれる。
足の裏を優しくマッサージしてくれてもいるらしい絨毯は、もしかして生命体か何かなのだろうか。
「ホークアイとモリオンはそちらで休んでください」
指差す場所は玄関から入ってきたのとは別の不思議空間に出られるようになっていて、綺麗に手入れされた芝生が敷き詰められている。
二人は喜んで外へ出て行った。
それぞれの水桶らしき物がどこからともなく飛んできて、二人の喉を潤すようだ。
「これで休憩小屋とは……熟練シルキーの妙技じゃのう」
「シルキーとは何度か一緒に冒険したけど、そのときは普通の所謂休憩小屋だったんだよねー」
ノワールの規格外は果てしないようだ。
目の前ではいろいろな物が飛び交って、私たちが過ごしやすいように様々なアイテムがセッティングされていく。
「考え事は一人でされた方が集中できましょう。三人はそちらで休憩なさってください。主様はこちらへ……」
掌が示した扉が独りでに開く。
扉の向こうには、高級ホテルっぽい造りの洋間が広がっているようだった。
ティーカップとケーキスタンドが空中で踊っている。
ランディーニが空中で美味しそうなカップケーキを捕まえていた。
楽しみながらゆっくりできそうで何よりだ。
つい見入ってしまったので、目線を慌てて正面に向ける。
私が通されたのは異世界感は薄いが、違う感動を覚える素敵な部屋だった。
「おぉ! 和室! 何故かオーシャンビュー!」
「御方様が情報を送ってくださいました。主様の世界でも最高と謳われる景色が時間経過に伴い美しく流れる設定にしてございます」
ノワールの目線に促されるようにして、オーシャンビューが堪能できるソファに深く腰を下ろす。
どこからともなく現れたケーキスタンドに、アフタヌーンティーが楽しめそうな菓子が収められていく。
紅茶だけはノワールが自ら淹れてくれるようだ。
「……良い香り」
「こちらの世界では最高級の茶葉でございます。リラックス効果のあるハーブティーになります。お気に召していただいたならば何よりです」
ケーキスタンドから手元に置かれた皿にサーブされたのは、赤いゼリーと白いムースが半分以上を占めるケーキ。
どちらを食べようか迷っている菓子だった。
隠れスキルに読心術でもある勢いだ。
「赤いゼリーはクランベリーのゼリーでございます。白いムースは練乳のムースでございます。ゼリーは長さのあるスプーンをお使いくださいませ」
「クランベリーをこっちでは何て言うの?」
「レッドカラーンでございます。練乳はルミルミと申します。参考までに生クリームはルミーンでございます」
確か牛乳クリームはルミクリームだった。
関連付けされた名前がつけられているようだ。
覚えなくても教えてくれる人には不自由しないけれど、面白いので頭の片隅に豆知識として記憶しておく。
「ありがとう。美味しくいただきながら、考えるね」
「熟考完了されました暁には、こちらのベルを鳴らしてお呼びくださいませ。それでは失礼いたします」
接客業を極めた美しい御辞儀をしたノワールが部屋を出て行く。
天使をモチーフとしたガラスのベルは、とても可愛らしい。
鳴らしたい衝動を押し殺すのが大変だった。
「さて、と」
素敵装備の検索結果を表示する。
奴隷を購入した順番に適切な装備が書かれていた。
当然のように夫の解説つきだ。
クレア 双子の兎人 姉
武器 沈黙する死に神の大鎌
自分より弱い敵の呪文を50%封印、自分より強い敵の呪文を30%封印します よ。
ごく稀に即死攻撃もしますね。
全体攻撃可能(本来大鎌はグループ攻撃対象です)
ダンジョン階層ボスドロップ品。
レア物です。
頭 幸福を呼ぶリボン 右
ロップイヤーだと結びにくいかもしれませんが頑張ってください。
左右につけると効果倍増ですが、双子がそれぞれつけると各自倍増になるのでお得 です。
少しだけ幸運を呼びます。
ダンジョンドロップ品。
体 シルクコットンシャツ&シルクコットンズボン&ワイバーンの胸当て&ワイバーン の膝当て&フードつきマント
シルクコットンのシャツとズボンは吸汗効果大で、高級衣料店に依頼して作らせた 物。
ワイバーンの胸当て&ワイバーンの膝当ては攻撃反射効果大で、一流防具店&錬金 術師に依頼して作らせた物。
フードつマントは蒸れ防止&防水効果大で、敵に対して少しだけ隠蔽効果有。
特殊ダンジョン攻略報償品となっています。
十二着あるので売却を迷ったのですが、取っておいて良かったです。
右手 兎のブレスレット
兎の毛が編み込まれたブレスレット。
兎人がつけると速度アップの効果。
ダンジョンドロップ品。
左手 目覚めの腕時計
睡眠&催眠攻撃を完全防御できます。
ダンジョンドロップ品。
足 兎のブーツ
兎の毛で作られたブーツ。
兎人がつけると速度&攻撃アップの効果。
夏は涼しく、冬は暖かい温度調節機能つき。
ダンジョンドロップ品に錬金術師が手を加えた物。
アクセサリー 姉妹のペンダント
姉妹でつけると、お互いがピンチのとき、身代わりになれます。
二人揃ってピンチだと、ダメージを均等に受けることができます。
何度でも使えます。
ダンジョンドロップ品。
この手のアイテムは一回身代わりになると壊れる物が多いです。
そういう意味ではレア物ですね。
セシリア 双子の兎人 妹
武器 永遠を与える薔薇の鞭
攻撃がヒットすると、ヒットポイントの10%追加ダメージを与えます。
全体攻撃で二回連続攻撃。
ダンジョン階層ボスドロップ品。
レア物です。
頭 幸福を呼ぶリボン 左
体 シルクコットンシャツ&シルクコットンズボン&ワイバーンの胸当て&ワイバーン の膝当て&フードつきマント
右手 兎のブレスレット
左手 眠りの腕時計
ぐっすり眠れます。
ごく稀に睡眠攻撃を仕掛けます。
ダンジョンドロップ品に錬金術師が手を加えた物。
足 兎のブーツ
アクセサリー 姉妹のペンダント
兎人双子ちゃんの装備を確認した。
一言言いたい。
や、幾つか言いたい。
厨二病乙! 乙! 乙!
……私に言っていますか?
私がつけた銘ではありませんよ?
元からついていたものです。
納得がいかないといった風情の声が聞こえてきた。
夫を責めたつもりはなかったので、ごめんごめんと謝っておく。
不機嫌が治らない夫が気になるも、突っ込みは我慢できない。
兎人に兎の毛を使ったアイテムを持たせて大丈夫なの?
鬼畜じゃないの!
あ!
それは大丈夫です。
むしろ推奨されています。
同族が持つことで、供養になるのだそうです。
なるほど、そういう風に捉えるのか。
向こうの世界でも一部民族で同じ考え方をしていたのを思い起こした。
引き続き確認作業を続けていく。
「次は……」
こんな感じになりますよ?
フェリシアさんには、聖魔どちらにも対応できるようにしました。
ハルバードはすばらしい武器なので、そのままです。
ローレルさんは……完全に人化もできるようですが、負担になりますので人魚としての装備を考えました。
御本人も貴女も気に入ると思いますよ?
私が気に入るという辺りに含みを感じたが、夫の含みは基本的に害はない。
が、私の心の安寧を優先して、紅茶を一口飲んで喉を潤してから慎重に目を通す。
フェリシア 天使族の忌み子
武器 漆黒のハルバード
天使族には常にクリティカル攻撃、空飛ぶ系の敵には二倍の攻撃を与えますよ。
稀に全体攻撃もしますが、基本は単体攻撃です。
私にも入手経路が分からない超レア物みたいですね。
彼女しか装備できない唯一品のようですよ。
不壊の効果つき。
頭 銀ミスリルヘルム
顔以外を保護している頭防具。
基本ミスリルは金色をしていますが、稀に銀色の物が存在します。
金色に比べて、聖なる者の攻撃を格段に軽減するようですね。
また重いので錬金術師にお願いして、重量軽減の効果をつけてもらいました。
ダンジョンドロップ品に錬金術師が手を加えた物。
体 シルクコットンシャツ&シルクコットンズボン&銀ミスリルの鎧
シルクコットンのシャツとズボンは吸汗効果大で、高級衣料店に依頼して作らせた 物。
限界まで軽くされた全身鎧(頭部と脚部は除く)で、中の温度を快適に保つ効果も
ついています。
ダンジョンドロップ品に錬金術師が手を加えた物。
右手 銀ミスリルのバングル
攻撃力微増効果有。
聖なる者への攻撃激増効果有。
綺麗な百合が浮き彫りにされており、装飾品としても一流らしいです。
一流の細工師に持ち込んで加工してもらいました。
左手 ブラックデビルキラーの指輪
魔の者からの攻撃を軽減し、魔の者への攻撃を激増させる効果有。
祝福された黒水晶で作られた物は、魔の者に絶大な効果があるためにブラックデ ビルキラーと呼ばれています。
祝福できる聖者が少ないので、希少品です。
足 銀羊毛のブーツ 虹ピクシーの羽根付
銀色羊の毛で作られたブーツに虹ピクシーの羽をつけた、可愛らしいデザイン。
銀色羊毛は金色羊毛に若干劣るが、夏は涼しく、冬は暖かく感じます。
虹ピクシーの羽のおかげで、速度微増、軽度の浮遊効果、軽度の隠蔽効果有。
一流の靴職人に持ち込んで仕立ててもらいました。
アクセサリー 赤に祝福されしネックレス
祝福されたスタールビーで作られた物。
自動回復機能つき。
宝飾品としては王族も欲しがるレベルのようですから、鎧の下につける
よう指示してくださいね。
特殊ダンジョンボスドロップ品。
かなりのレア物です。