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りぃちょが貸切練習を見学している間、キャメロンは18号の所へ行っていた。
「じゅうはっちー。」
「あれ、りちょは?」
「ニキくんたちの練習見に行った。」
「ちょっと〜、ルール違反なんですけど〜」
「ごめん…」
18号が責めるように茶化すと、キャメロンは心底落ち込んだ様子で謝罪した。
「はぁ?なにもう…気持ち悪いな…何かあったの?」
「…実は――」
更衣室で聞いてきたこと、今考えていることを全て話した。
「”また”俺のせいで選手が潰れてしまうのが怖い。」
18号は、少し黙ったあと口を開いた。
「何回も言うけどさぁ………」
「被害妄想ばっかしないでって何回言えばわかんの!?私現役やってるよね!?」
「たしかに腰痛めたけど、あれはペア技の失敗でなったんやからあんただけの責任ちゃうやろ!?!?」
18号は今までに無い声量で、キャメロンの胸ぐらを掴み叫んだ。
「っだって、あそこで俺がタイミング間違えなきゃじゅうはちは今でも全盛期で――」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜!?!?私今でも全然全盛期だろ!?バリバリ現役やってるだろぉが!?」
「だってパフォーマンス落ちたじゃん!」
キャメロンも手をわたわたと動かしながら反論する。
「チッ…それは私の技量の問題…ホンマにノンデリやなお前!!」
大きな舌打ちをかましたあと、また声を張り上げた。
「いやいやいやでも!!」
「黙れあほぉ!!」
しばらく2人の猛攻が続いた。
「はぁ……一旦ストップ…」
「うん…」
疲労で喧嘩が収まり、静寂が流れる。
その静寂を破るように18号が口を開いた。
「…私がコーチやりながら現役続けようって思ったのは、キャメのおかげなんよ」
「え?」
18号は、悲しそうに、でもどこか嬉しそうにそう言った。
「初めてキャメと組んだ時から、本気でキャメ以上の選手はいないと思った。」
「自分でも気づいてなかった手首の炎症に気づいた時とか、一周まわってキモかったもん。」
地味に傷つく発言をちまちま容赦なく飛ばしてくる。
「キャメほど人のことをちゃんと見れる人間はいない。」
「私もそんなキャメに……恥ずかしいけど、ちょっと憧れちゃったんだ。」
18号は目を逸らしながら、自身の長い髪で顔を隠す。
「…だから、そんな気色悪いキャメにはコーチ向いてると思うの!」
「さっきから酷くない!?」
「…………悔しいんよ?キャメが競技者じゃなくなっちゃうの。」
18号の綺麗な眉間に、シワがよる。
心做しか、目に涙が溜まっているように見える。
「じゅうはっちー…」
「そんなに褒めても戻んないよ?」
「サイッッッッテー。」
「…とにかく!さっさとりちょんとこ行ってきな!」
18号はそう言って、力いっぱいキャメロンの背中を何度も叩いた。
「いたっ!痛い痛い!!行く!行くから!」
キャメロンはその追撃から逃げるようにりぃちょの元へ走った。