テラーノベル
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キャラ崩壊があると思います!
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春高、二回戦。
東京体育館の空気は、少しずつ重くなる。
相手は強豪。
データも精度も高い、完成されたチーム。
「……楽じゃないな」
澤村が呟く。
「最初から飛ばすぞ」
短い指示。
それだけで十分だった。
試合開始。
いきなり、崩される。
速いサーブ。
読み切れないコース。
「アウト……いや、入ってる!」
田中が叫ぶ。
1点目、失点。
会場がざわつく。
「落ち着け」
澤村の声。
でも、その声はわずかに硬い。
ラリーが続く。
相手は“繋がせないバレー”。
ブロック、レシーブ、カバー。
全てが精密。
「拾わせない気か……」
月島が目を細める。
点が離れる。
3点差。
5点差。
空気が重くなる。
菅原が叫ぶ。
「まだいける!!」
でも、その声は焦りが混じる。
そのときだった。
影山が、少しだけ止まる。
ボールを見ている。
“誰に上げるか”じゃない。
“どう繋ぐか”。
視線の先。
そこに“正解”はない。
「……繋ぐ」
小さく呟く。
トスが上がる。
速い。
でも、少しズレている。
普通ならミス。
でも──
西谷が拾う。
レシーブが上がる。
ギリギリ。
でも、上がる。
「まだだ!!」
田中が叫ぶ。
そこから。
ラリーが続く。
崩れても、戻る。
落ちても、拾う。
相手チームが焦り始める。
「なんで落ちねぇ……!」
「繋いでるからだ」
菅原が静かに言う。
「全部拾うんじゃない」
「落ちないようにしてるんじゃない」
「“繋がる形”を切らせてない」
中盤。
点差は縮まる。
でも、まだ追いつけない。
影山はネットの向こうを見る。
そこにあるのは“穴”じゃない。
“流れ”。
トスが上がる。
今度は迷わない。
田中が跳ぶ。
ドン!!
決まる。
「よし!!」
でも、誰も叫ばない。
すぐ次へ行く。
それが“繋ぐバレー”だった。
終盤。
1点差。
空気が張り詰める。
サーブ。
レシーブ乱れる。
ボールが落ちる寸前。
西谷が飛び込む。
「まだ!!」
上がる。
影山が動く。
一瞬。
視線合う。
“あの場所”はもうない。
でも、“今の場所”がある。
トス。
上がる。
田中が飛ぶ。
ドン!!
決まる。
勝利。
でも、叫びはない。
ただ、息を吐く。
「……繋がったな」
澤村が言う。
その声は少し震えていた。
影山は、ボールを見ている。
そこにはもう“迷い”はない。
あるのは──
「繋ぐための選択」
そして、ほんの一瞬。
風が吹いた気がした。
誰も気にしない。
でも、確かにそこにあった。
どうでしたか?
また、見てくれるとうれしいです!
#二次創作
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