テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
20
6,443
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
キャラ崩壊があると思います!
通報は🙅♀
決勝戦。
東京体育館の空気は、これまでと違う重さを持っていた。
静かに暑い。
そして、逃げ場がない。
「ここまで来たか」
澤村がコートを見上げる。
その声は、もう緊張ではなかった。
確信だった。
菅原が笑う。
「長かったな」
「でも、まだ終わってない」
コートの中。
影山は、静かにボールを持っている。
もう迷わない。
“誰に上げるか”ではない。
“どう繋がるか”。
試合開始。
いきなり激しいラリー。
相手は全国の頂点。
すべてが速い。
すべてが正確。
でも──
崩れない。
「拾え!!」
田中の声。
飛び込む。
繋ぐ。
また上がる。
「しつこいな……」
相手エースが呟く。
それでも落ちない。
山口が叫ぶ。
「まだ続いてる!!」
“切れないラリー”。
それが烏野だった。
中盤。
点差は僅差。
どちらも譲らない。
月島が静かに言う。
「これ、体力勝負じゃない」
「意地だね」
影山がトスを上げる。
一瞬だけ、空気が止まる。
“最適解”ではない。
“繋がる解”を選ぶ。
田中が飛ぶ。
ドン!!
決まる。
歓声。
でも、すぐ次。
それがこのチームだった。
終盤。
デュース。
空気が張り詰める。
サーブ。
レシーブ乱れる。
ボールが浮く。
一瞬の空白。
そこに。
誰もいない。
でも──
誰かがいる気がした。
影山が走る。
ボールを見上げる。
“あの場所”ではない。
“今の場所”。
トスが上がる。
速い。
でも、迷いはない。
田中が跳ぶ。
ドン!!
決まる。
沈黙。
次の瞬間。
「勝った……!!」
西谷が叫ぶ。
「勝ったぞ!!」
会場が揺れる。
でも、コートの中は静かだった。
影山は、ボールを見ている。
その目に、迷いはない。
澤村が言う。
「やっとだな」
菅原が笑う。
「おう」
田中が拳を握る。
「頂点だ!!」
でも、
誰も“騒ぎない”。
ただ、息を吐く。
それで十分だった。
そのとき。
ほんの一瞬。
風が通る。
誰かがそこにいた気がした。
でも、誰も振り返らない。
もう必要ないから。
それでも──
確かに“繋がっていた”。
見てくれてありがとうございます!