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𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸莉犬
すと〇りの放送もだんだんと終わりに近づいてきた頃、突然なー君が声を出した。
ななもり「そろそろ行こうか」
ななもり「2人に見せたいとこあるんだ」
ジェル「さっき言っとったとこやな」
ななもり「そうそう」
莉犬「行こッ…か…」
ななもり「ちょっと大変?」
莉犬「ううんッ…大丈夫…」
ななもり「分かった、信じるからね」
莉犬「こくっ、 」
正直喋るだけでも大分大変だったけれど、大好きななー君のお願いとなら何だって聞いてしまう。
ななもり「じゃあ、車椅子に乗ろうか」
ジェル「俺乗せるから」
ジェル「莉犬じっとしててや」
莉犬「こくっ、」
ジェル「よいしょっと、」
ジェル君は俺を持ち上げた瞬間、少し顔をしかめたような気がした。
莉犬「どう、かしたの…?」
ジェル「あぁ、いや、なんでもないで…」
莉犬「そう…」
本人が何も言わないということなら、きっとあまり言いたくないことなのだろう。
無理に聞いたところで何にもないため、俺はそれ以上探るのを辞めた。
ななもり「よし、着いてきて?」
なー君は俺たちのことを時々ちらっと見ながらも前を向いて目的地まで向かった。
ななもり「着いた!」
ジェル「ここ?」
ジェル「別に何も無いで…?」
ななもり「ふふ、そんな事ないよ?」
ななもり「あそこみてご覧? 」
なー君は小児科の部屋に向かって指を指した。
ジェル「子供…やな、」
ななもり「子供だよ」
ななもり「少し近づこうか」
ななもり「莉犬君じゃ、見えないかもだしね」
俺は今、手術などもあったためコンタクトが外れている。
そのため、目に見えるものが普段よりもぼやけて見えていた。
ジェル「あれって…」
ななもり「すと〇りの放送を見てるんだよ」
ななもり「楽しそうでしょ?笑」
莉犬「…ポロポロ」
ジェル「莉犬…?」
莉犬「楽しそうだなぁッ…ポロポロ」
ななもり「俺たちの活動って意味あるんだよ」
ななもり「やっぱり」
ななもり「でもね今はまだ不完全なんだよ」
ななもり「この放送には、」
ななもり「るぅとくん」
ななもり「ころちゃん」
ななもり「さとみくん」
ななもり「この3人しかいないんだ」
ななもり「3人かけてるんだよ」
ななもり「それであの笑顔なんだ」
ななもり「俺たちがいたらもっと笑顔に」
ななもり「出来るんだ」
ジェル「そうやなぁッ…ポロポロ」
莉犬「…ポロポロ」
そうだよ。
なー君。
俺たち、2人がいないとダメなんだよ、、。
気付いてるんだったら、早く戻ってきてよ、。
ななもり「ごめんね、莉犬君」
ななもり「こんな事になっちゃって」
ななもり「今更謝っても無駄だと思うけど」
ななもり「本当にごめん」
ななもり「俺ッ…まだまだだからさッ…ポロ」
莉犬「…そんな事ない…」
莉犬「そんな事ないよッ…!!」
こんなに声を荒らげたのはいつぶりだろうか。
莉犬「なー君…頑張ってる…もんッ…」
ななもり「ありがとッ…ポロポロ」
莉犬「ジェル君も頑張ってるよッ…ポロポロ」
莉犬「ちょー偉いのッ…ポロポロ」
ジェル「…笑ポロポロ」
ジェル「ありがとうなッ…ポロポロ」
2人のこんなに良い笑顔を見るのはいつぶりなのだろうか。
莉犬「俺…頑張るよ…」
莉犬「2人が戻ってこれる居場所を守るからッ」
莉犬「俺達のこと捨てないでッ…ポロポロ」
ななもり「捨てないよ」
ななもり「ずっと一緒だよ」
ジェル「そうやぞ」
ジェル「すと〇りの事は嫌いになんてならん」
ジェル「お前達のこともずっと好きや」
莉犬「ほんとッ…?ポロポロ」
ななもり「ふふ、本当だよ莉犬君 」
ジェル「そうやで、莉犬」
ジェル「嘘やないで」
莉犬「そっか…ポロポロ」
莉犬「良かったぁッ…ポロポロ」
莉犬「ガクッ」
ジェル「莉犬ッ…!?」
ななもり「莉犬君ッ…!?」
莉犬「(⸝⸝- -⸝⸝)スースー」
ななもり「寝ただけか…な…」
ジェル「多分…、?」
ななもり「良かったぁ笑」
ジェル「ホントやなぁ笑」
ななもり「戻ろうか」
ジェル「やな…笑」
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸ななもり
莉犬「俺…頑張るよ…」
莉犬「2人が戻ってこれる居場所を守るからッ」
莉犬「俺達のこと捨てないでッ…ポロポロ」
そう、 莉犬君が行った時、莉犬君にどれだけの重荷を背負わせてしまったのか理解した。
小さな体に、俺たちはどれだけの重荷を背負わせてしまったのだろうか。
グループの中では最年少ともなる1人のメンバーである莉犬君。
そんな中でも、グループの司会やまとめ役など様々な場面で本当に最年少なのか疑ってしまうような所を見させられた。
だから俺は安心して莉犬君に任せてしまったのだ。
そしてかえってそれは莉犬君を苦しめる厄介な重荷になってしまったのだ。
こうなったのは俺の責任だと言っても過言では無いだろう。
ななもり「捨てないよ」
ななもり「ずっと一緒だよ」
ジェル「そうやぞ」
ジェル「すと〇りの事は嫌いになんてならん」
ジェル「お前達のこともずっと好きや」
莉犬「ほんとッ…?ポロポロ」
ななもり「ふふ、本当だよ莉犬君」
ジェル「そうやで、莉犬」
ジェル「嘘やないで」
莉犬「そっか…ポロポロ」
莉犬「良かったぁッ…ポロポロ」
そう言った莉犬くんの顔は安心したのか、さっきよりも緩んでいて笑っていた。
ジェル「莉犬は小さいなぁ…笑」
ななもり「ちっちゃいねぇ…笑」
小さいし、軽いし。
まるでお人形さんのような莉犬君。
いい子で優しくて、
誰よりもリスナーさん思いで、
どんな時でも笑ってて
失敗してもすぐに立ち上がって、
でも自分の弱いところを隠さない。
そんな莉犬君。
俺たちはそんな莉犬君が好きだったし、そんな莉犬君に何度も助けられてきた。
もちろん、
可愛さだけではなくてかっこいい一面もある声だとか
可愛らしいけどかっこよさもある顔だとか
内面だけじゃないところだって大好きだけど。
俺たちはきっと、見えるとこだけじゃなくて見えないところにまである莉犬君のその優しさに惹かれていったのだろう。
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸 ジェル
ジェル「ほんま、ちっちゃいなぁ…」
そう呟いた俺の手の中で、莉犬は安心したように小さく寝息を立てている。
軽すぎる体温。
それでも、その小さな鼓動はちゃんと生きていて、必死に「ここにいる」って訴えていた。
ジェル「……俺らが守らなあかんのやな」
ぽつりと、誰に言うでもなく口から漏れる。
ななもり「うん。」
ななもり「もう、同じ過ちは繰り返さない」
隣で莉犬の髪を優しく撫でながら、なーくんが真っ直ぐな声で言った。
ななもり「俺たちはリーダーでも」
ななもり「先輩でもなくて、」
ななもり「ただの仲間なんだよね。本当は」
ジェル「せやな」
ななもり「莉犬くんに背負わせすぎた。」
ななもり「だから今度は俺たちが支える番だ」
ジェル「……あいつが帰ってくる場所、」
ジェル「俺らで守ろうな」
ななもり「もちろん」
俺は眠る莉犬の手を握り直した。
細くて、冷たくて、でも確かに生きてる手。
ジェル「莉犬、」
ジェル「お前がもう無理して」
ジェル「笑わんでええように、」
ジェル「俺らが笑わせたる」
ななもり「そうだね。」
ななもり「今度は“本物の居場所”を」
ななもり「一緒に作ろう」
莉犬は何も答えない。
だけど、その眉間が少しだけ緩んだ気がした。
まるで「聞こえてるよ」って、そう言ってくれてるみたいで。
ジェル「……はは、ほんまに可愛いな」
ななもり「ふふ、俺もそう思う」
俺たちは同時に、小さな命を抱きしめるように笑った。
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