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𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸 莉犬
莉犬「……ふふ」
小さく笑ったつもりだったけど、喉から漏れた声は自分でも驚くくらい弱々しかった。
ジェル「莉犬!? 起きとったんか!?」
ななもり「まだ寝てていいんだよ?」
俺は首を横に振った。
その動作だけでも息が切れて、涙がにじむ。
でも、どうしても言いたかった。
莉犬「…ちゃんと…聞いてたよ…けほっ、」
莉犬「俺…すごく嬉しかった…」
莉犬「俺のこと…守るって…」
莉犬「言ってくれたの…」
ジェル「……! あたりまえやろ」
ななもり「うん。何回でも言うよ。」
ななもり「ずっと一緒だって」
視界はまだぼやけていて、2人の顔はよく見えない。
だけど、声だけで十分だった。
莉犬「……俺、もうちょっと頑張る…」
莉犬「…また一緒に歌いたいッ…」
その言葉を最後に、俺の瞼はまたゆっくりと落ちていった。
でも今度は、もう「タヒにたい」なんて気持ちは無かった。
でも、居たいともまだ完全には思えなくて。
だって、俺の居場所は、ここにあるんだ。
それだけで少し心が温かくなったような気がした。
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸翌朝
朝。
病室に差し込む光で、俺はふと目を開けた。
莉犬「……んん。」
体はまだ重い。
でも昨日までみたいに“ここから消えたい”って気持ちは、不思議とどこにもなかった。
ベッドの横には、なー君とジェルくん。
2人とも椅子で座ったまま寝落ちしてたみたい。
莉犬「……ほんと、バカだなぁ笑」
小さな声で呟いた瞬間、ジェルくんが目を開けた。
ジェル「……莉犬?起きたんか?」
莉犬「うん、起きちゃった」
ジェル「おはよ。昨日は怖かったんやで?」
莉犬「……ごめんッ」
そこに、なー君も寝ぼけ眼で顔を上げる。
ななもり「……莉犬くん?ほんとに…?」
ななもり「ほんとに生きてる…?」
莉犬「なー君、大げさだよ……笑」
ななもり「大げさじゃないよ。」
ななもり「昨日、どれだけ怖かったと」
ななもり「思ってるの」
莉犬「それはッ…ごめん…」
2人の目の下には、くっきりとしたクマ。
ずっと付き添ってくれてたのが一目で分かる。
莉犬「俺ね…もう死にたいって思ってないよ」
ジェル「ほんまか?」
莉犬「うんッ…!でも…」
そこで少し言葉が詰まった。
莉犬「……でも、」
莉犬「あーいや笑」
莉犬「なんでもない…笑」
ななもり「そう?ならいいけど…」
本当の俺の声は誰にも聞こえない。
そして俺はその声を誰かに聞かせることは無い。
それは今も、これから先も…ずっと。
莉犬「ご飯は?食べてきたら?」
莉犬「下に食堂あるからさ」
ジェル「よく知ってるんやな」
莉犬「あー笑」
莉犬「まぁね」
ななもり「来たことあるの?」
莉犬「検診…とかでかな?笑」
莉犬「そう、それだけ笑」
ななもり「そっか」
ななもり「じゃあ、ご飯とって戻ってくるね」
莉犬「向こうで食べておいでよ」
莉犬「ここじゃなんも無いしさ…ね?」
ななもり「嫌なの!皆で食べる!」
莉犬「もう…笑」
莉犬「じゃあ、早くとってきてね笑」
ジェル「行くかなーくん」
ななもり「行こー!」
莉犬「行ってらっしゃい!」
莉犬「行って…らっしゃい…」
小さな声でもう一度言った。
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸 莉犬
なー君とジェルくんが食堂へ行って、病室にひとりになった。
少しの間だけでも静かで、心臓の音がやけに大きく聞こえる。
莉犬「……ふぅ」
小さく息を吐いたその時。
コン、コン。
ドアがノックされた。
莉犬「え……?」
ドアの隙間から顔を覗かせたのは――
さとみ「よぉ、莉犬起きてる?」
るぅと「莉犬!」
ころん「おっ、ほんとに生きてんじゃん!」
莉犬「こ、ころちゃん…! 言い方…笑」
思わず笑ってしまった。
涙が出るくらい安心する顔ぶれだった。
さとみ「昨日なーくんから連絡きてさ、」
さとみ「どうしても来たくなってさ」
るぅと「本当に良かったです……」
るぅと「もう二度とこんな心配させないで」
るぅと「くださいよ」
ころん「ベッド似合ってるじゃんw」
莉犬「似合ってねぇよっ……笑」
莉犬「ふざけんなっ!笑」
ふざけ半分、本気半分で声をかけてくれるこの空気。
それだけで、胸の奥の冷たい塊が少し溶けていく気がした。
るぅと「顔色はまだ良くないですけど…」
るぅと「でも、ちゃんと莉犬だ」
莉犬「そりゃ俺だもん笑」
さとみ「無理すんなよ? ゆっくり休め」
さとみ「莉犬居なくてもどうにか頑張るし」
ころん「そーそー。僕面白いからね」
ころん「大丈夫そうだよ」
莉犬「ぷっ……ころちゃんかぁ、笑」
莉犬「俺の代理いけるかなぁ笑」
ころん「はぁ!? じゃあ誰がすんだよ!」
莉犬「俺!笑」
3人「「「はははっ!」」」
笑い声が病室いっぱいに広がった。
昨日までの暗さが嘘みたいに、あったかい。
だけど――胸の奥に小さく残る「まだ完全じゃない自分」。
それも確かにある。
莉犬(……でも、それでもいいのかな)
みんなの顔を見て、そう思えた。
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸ななもり
ななもり「あれ、みんな居る」
ななもり「お昼からじゃないの?」
さとみ「まぁ、いいじゃないのよ笑」
ジェル「そやな笑」
るぅと「ジェル君も久しぶりですね!」
ころん「おージェルはっけーん!」
ころん「お久〜」
ジェル「へいへい笑」
莉犬「賑やかだなぁ…笑」
さとみ「え、待ってその飯美味そう」
ななもり「でしょ!?笑」
さとみ「下の食堂にあるんか」
ななもり「そうそう」
さとみ「え、買いに行こ」
さとみ「ころん行くべ」
ころん「えぇ、めんどぉ」
さとみ「仕方ねぇなぁ、」
さとみ「俺が払いますよ、ころんさん?」
ころん「お!マジ?行く行く〜」
るぅと「僕のも買ってきてください」
るぅと「後で払うんで」
さとみ「りょーかーい」
さとみ「おら行くぞー」
莉犬「あ、ちょ、走るなー!」
看護師「廊下は走らないでください!!」
さとみ「さぁせん!」
案の定遠くから看護師さんの、お叱りの声が聞こえてきた。
皆「「「「あははっ笑」」」」
コメント
8件
バッドエンド or ハッピーエンド あなたはどっちが良いですか?
一気読みしてきましたっ!! なんかハッピーエンドそうで良かったです… ほんと、毎回最高ですね… どうやったらそんな語彙力良くなるんですかっっ…
(*´ω`*)