ミーーンミーーン ジジッ
ルミ「暑っついわねぇ」
ゆき「そうだねぇ」
私達は、今知り合いの店に向かっている。私の家からは、歩いて20分位かかる。
ルミ「今日、最高気温更新するかもだって」
ゆき「うわ、最悪」
ルミ「ねー、あーあタクシーで来ればよかったかも」
ゆき「まぁ、もう目の前なんだからさ」
ルミ「あ、ほんとだ」
今は、7月。日本の夏は暑すぎる。しかし、店の中に入れば知り合いこと店長がクーラーを付けて私達に美味しいレモネードをご馳走してくれる。
ガチャ
2人「おはようございまーす!」
元気良く挨拶したが、返事がない。しかも、中はじめっとしている。いつもだったら店長が「早いね」
なんて言って迎えてくれるのに。店の中は、まるでもぬけの殻だ。
ルミ「珍しいね、店長が先に来てないなんて」
ゆき「うん、何かあったのかな」
ルミ「まぁ、たまにはこいう日あるでしょ、私達だけで準備しちゃお」
ゆき「そうだね」
カウンターに荷物を置いて、準備に取り掛かろうとした瞬間
ガチャ
ゆき「あ、店ちょ(((」
??「あれ〜、もしかして逃げた?」
入ってきたのは、店長ではなく背が高く、スラッとしている。俗に言う「イケメン」や「ハンサム」に分類される男だ。しかし、顔全体に入れている入れ墨が彼をカタギではないと主張しているように見える。(店長は、イケメンやハンサムには遠い人)
ゆき「あ、あの〜まだ開店してなくて…」
??「あぁ、気にしないでぇ」
ゆき(いや、気にしないでと言われましても…)
男は、ぐるりと店内を見回した。
ルミ「あの、すみません帰ってくれませんか?」
??「やっぱ、逃げたか」
ルミ「さっきからなんの話しですか?」
男は、ルミの話なんか耳にも入っていない様子で考えこんでいる。
??「もしかして、君達の事かな」
そいうと、男と目が合った。細く切れ長の目。
そして、冷たい。恐ろしいぐらいに冷たい。
まだ夏だというのに、背筋が凍っていくのが分かる
長い長い沈黙が続く。それを破ったのは
??「可哀想だねぇ、君達」
可哀想?何故?どうして?
??「裏切られた挙句逃げられちゃうなんて」
裏切られた?誰に?なんで?
??「しかも、保証人になんかされちゃって」
保証人?何の?
私の頭の中にはいくつもの疑問が浮かんだ。
??「でも、仕方がない、さぁさぁ乗って若頭が待っているよ」
そいうと、男は私達の手首を掴んだ。
ゆき「いや、離して!」
ルミ「だ、誰か!」
頑張って抵抗したが
??「はぁ、手荒な事はしなくないんだけど」
私とルミは、口元にハンカチを押さえつけられてしまった。すると、目の前が歪み初め、意識が朦朧とする。
??「しばらく、寝ててね」
男がそう言ったのを最後に私は、意識を手放した。
終わり
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