テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
しおんまる
73
「キスの日…」
少し間の開いた時間にSNSを見ていたrmは、そんな言葉を目にする。如何やら五月二十三日はキスの日というものらしい。一体誰がどういった理由で定めたのかは分からないが、変なことを考える人もいるものだ。
そしてこういったイベントのような日、確実に強請ってくる者がいる。それは自分の恋人で。今は部屋にいないが、戻って来て今日の意味を知ればいい笑顔で迫ってくるだろう。
「うーん…」
決して嫌な訳ではない。寧ろ嬉しい。
だが、自分の厄介な性格のせいで素直にいくことは出来ないだろう。それはfuから迫られた時も同じで。どうしてもすっと受け入れることが出来ない。
本当は彼に求めてもらい、触れてもらうことが嬉しいのだ。なのにこの口からは悪態が飛び出てくる。今日を彩る名前のように、キスで塞いでもらえば素直になれるのだろうか。
そんなことを思っていると、部屋の扉が開く。
「ただいま~」
「おかえり」
外出先から戻って来たfuをそう言って出迎える。まずは洗面所へと行き、手洗いとうがいを済ませたfuはリビングのソファに座るrmの横へと腰を下ろした。
「用事、ちゃんと終わったか?」
「そりゃ、勿論」
Fuは仕事の関係で外出をしていた。Rmが一緒に行くことも多いのだが、この日はrmが関係しないもので。とある企画の打合せ兼食事会に参加をしていたのだ。夜の食事会ということで、rmはfuを見送った後に一人で夕食を摂った。風呂にも入り、寛ぎながら帰宅を待っていたのだ。
「腹が落ち着いてんなら風呂入ってくれば?」
「んー…」
スマホに視線を落としながらfuに言うと、何やら煮え切らない返事。違和感を感じて顔を上げれば、思っていた以上に近い所に彼の顔があった。
「⁈」
驚いた次の瞬間、fuが手を伸ばしてrmの後頭部を掴む。そして何かを言うより前に、rmの唇を塞いだ。
「あ…ふ…」
幾度も角度を変えて唇を貪られる。突然のことに驚いたrmだが、キスが嫌な訳ではない。故に、自分からもfuの唇を啄み、懸命に呼吸を合わせる。
応じてくれたことが嬉しかったのだろう。Fuは幾度も角度を変えてキスをし続ける。そうして漸くと離れた時には、rmの頬は蒸気していた。
「突然、なに…?」
唾液に濡れる唇の服の袖で拭いながらそう問う。Rmが自分の行動を後に振り返った時に、あの時の言動はよくなかったな、と思いながら。
「ごめんごめん、可愛くてつい」
悪びれることなく言う彼。こうして不意に求められることは少なくない。本当はもっと求めてほしいのに、素直でないrmはつい可愛くないことを言ってしまう。
「とっとと風呂入れよ」
ふいと視線をそらせて言う。スマホに目線を落とせば、隣の気配が立ち上がるのを感じた。自分の言葉に促され、fuは風呂へと向かってしまったのだろう。少しの寂しさを感じ、彼の行先を確認する為に顔を上げた。
「⁈」
だが、その先にいたのは少しばかり悪い顔をしたfuで。
「やっぱり本心じゃなかった」
にやりと笑うfuは、立ち上がって少し離れただけで何処にも行っていなかった。彼は知っているのだ。Rmの本心を。
どさり、とソファに押し倒される。口を開いて文句を言う前に、fuはrmの唇を塞いだ。まるで容赦しないと言われているかのように、最初から舌を捻じ込まれる。
「ふッ、ぅ…ッ」
ごとり、とrmの手からスマホが床に滑り落ちた。fuの両手はrmの頭をがっちりと掴んでおり、逃れることは出来ない。
ぐちゅぐちゅと零れる水音。必死に呼吸をしようとするも、それすら困難な程に激しく絡められる。
「いった…ッ」
息苦しさに、思わずfuの舌を噛んでしまった。流石に唇を離したfuを下から見上げながら、荒く息を付く。
「はっ、はァっ…も、しつこ、すぎ…ッ」
「噛むことないじゃん」
流石にやりすぎた自覚があるのか、怒っている訳ではなさそうで。しかし少しばかり強く噛んでしまったのだろう。見せつけるかのようにベッと出された舌の先が血で赤く染まっている。
「優しく舐めてよ」
そんなことを言われてしまえば、大人しく従うしかない訳で。お前が激しくするからだ、と少しばかり文句を零しながらrmは両腕を伸ばして首へと手を回す。
覆い被さってきたfuの舌に、ちろちろと自分の舌を重ねて。少しばかりぴりっとするのだろう。眉間に寄った皺に気付くと、殊更柔く舌先を舐めた。
「ね、物足りないんでしょ?」
唯、舐めているだけ。それなのに深く唇を重ねたくて仕方がなくなってしまっていた。しかしそれを素直に言える訳もなく。しっかりと気付いていたfuが指摘をするが、僅かに首を横に振った。
「嘘。そんな顔してさ」
「あ…」
再び深く、唇を重ねられる。今度は、先程とは違って優しく。
「あ、ちょッ…!」
すると、不意にfuはrmの両耳を自分の手で優しく塞いだ。それにより、水音がより鮮明に脳内に響く。ぐちゅぐちゅと卑猥な音が脳を震わせる。それにより、身体の熱が一気に上がる。キスに懸命に応えながらも、腰がもどかしく揺れる。それにしっかりと気付いていたfuは、キスを止めることなく自身の下半身を擦り合わせた。
服越しといえど、硬いソレにごりごりと刺激され、rm自身もはっきりと熱を持つ。視界は溢れた涙で滲み、思考はままらなくなる。
「ふ、はやぁ…ッ」
「イけよ」
「あ、あぁッ…!」
キスの合間に囁き、ゴリッと下半身を刺激された。それに抗うことなど出来なく、あっけなくrmは白濁を吐き出した。
「は、は…っ」
漸くと唇を離される。くたりとソファに身体を沈みこませれ、視線でfuを見ればあからさまに欲情した顔がそこにあった。
「イっちゃったね」
「誰のせいで…っ」
「んー、俺」
悪びれることなく、fuは再び覆い被さってくる。頬に軽くリップ音を響かせ、rmの服へと手を伸ばす。
「ヤるの?」
「俺、まだイってないもん。Rmもまだ足りないでしょ?」
服をたくし上げられ、上半身が晒される。ツン、と立つ乳首に指を這わされ、弾かれる。嬌声を上げたことに気をよくしたfuは、触るのを止めないまま空いた手で自身のベルトを外し、いきり立ったモノを取り出す。
「ねえ、rm。今日が何の日か知ってる?」
「…っ、知らねぇよ」
「あ、知ってるじゃん」
ずい、とそそり立つfu自身がrmの口元へと差し出される。期待に満ちた目をしていたのは、どちらもで。雄の匂いを放つソレが、rmの唇をなぞった。
「こっちにもキスしてよ。今日はさ、キスの日じゃん?」
「悪趣味…」
「えー、何だかんだ好きな癖に」
言葉とは裏腹に、rmは口を開く。先端を柔く食み、口の中へと迎え入れる。自分の下で咥える彼に興奮したfuが腰を押し付けた。
「ん…!」
まるでオナホのようにrmの口を使って自身を扱く。苦しそうな表情をしつつも、rmは懸命に奉仕を続けた。潤む瞳でfuを見上げ、口をすぼめて強く吸う。
「あ、やばッ」
耐え切れなくなったのはfuで。ずるりと自身を引き抜いてrmの顔に白濁を吐き出した。
「は、はっ…ちょ、最悪なんだけど…!」
「ご、ごめん」
顔にかけることなど今迄してこなかったこともあり、顔を顰めるrmに思わず謝る。だが、fuはすぐに気付いた。Rmのズボンがじんわりと色を変えていることに。
「え、もしかしてrm、イった?」
「ッ!」
瞬間的に頬が赤くなる彼に、図星だと察する。かなり強引なやり方をしてしまったが、如何やらまんざらでもなかったらしい。それに再び兆し始めてしまうが、このまま最後までしてしまえば後程彼に何を言われるか分かったものではない。ひとまず、一度休憩を挟む必要がある。
「と、とりあえず一緒に風呂行こ。気持ち悪いだろ」
「………抱っこしてけ」
「⁈」
突然の発言に動揺をする。だが、先程までの行為で腰が抜けているのだと思われた。だとしても、彼がこんなことを言うなど珍しい。これは、仰せの通りにしなければならない。
「勿論!」
ソファから立ち上がり、軽く身を整える。白濁に塗れたrmの顔を自分の服で適当に拭い、言われた通りに抱き抱える。
幾ら細いとはいえ、自分よりも背のある彼を抱えるのは容易ではない。だが此処は恋人としてふんばらねばならないところ。
「ね、もっとキスしていい?」
少しばかり温くなってしまっている風呂を沸かし直している間に身体を洗い、湯舟へと二人で入る。向かい合って温まっている時に尋ねれば、ほんの僅か、肯定を示すように頷いた。
「ありがと」
頬に、耳に、唇に。順番に口付けていけばくすぐったそうにしたり、強請るような表情をしたり。くるくると表情を変えるrmに、fuの心は満たされていく。
「な、なぁ」
その合間にrmが口を開く。その言葉は、fuの情緒を揺さぶるには充分で。
「きょ、今日はもう、シないの、か…?」
「はー………抱き潰すから覚悟しろよな」
浴室で一度。場所を寝室に移して何度も。Rmが意識を飛ばすまで抱き潰したのは言うまでもなく。
「キスの日、最高だわ」
疲れ果てて眠るrmの頭を撫でながら、fuは呟く。こうしたイベントのような日は、それにかまけて深く繋がり合うことが出来る。そうでなくとも行為に溺れているが、少しばかり何時もと違う楽しみ方が出来るのがより良い。
「ま、そんな日じゃなくてもいっぱいキスするけどな」
彼が起きたら優しくキスをしよう。そう思いながら、fuも布団に潜りこむのだった。勿論、おやすみのキスをするのを忘れずに。
コメント
1件
ツンデレりもさんほんとにかわい(*´`) キスの日ってなんかいいですね💕︎ 今日もありがとうございます!!