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1,[過去を振り返る]いつも通り迷子となり、警察のイタカさんのお世話になっている私。
私はミミくんを待っていた。ミミくんとは、最近お友達になった男の子だった。そんな時、ふと何かを思い出したように、イタカさんが話し始めた。
イタカ「・・・失礼なのは100も承知なんだけどさ、パウルちゃんってなんでサイボーグになったの、?」
珍しいことを聞くな、と思っていると真剣な顔で、
イタカ「お願い、今日だけは普通に喋ってください。」
そう言って、頭を下げてきた。
珍しいことすぎて、私は思わず困惑してしまっていたら、ミミくんが入ってきて、真剣な顔で
ミミ「僕にも、教えて欲しい」
と、言ってきた。ミミくんまで真剣なことに驚いたけど、仕方ないので話すことにした。
パウル「…いいよ、でも、あまり面白くないよ?」
そういうと、2人の表情は少し和らぎ、3人で横並びになって話すことにした。
パウル「私はね、元々平和な地域にお母さんと、お父さんと私の3人家族だったの、2人と手を繋いで花畑に行って、花の冠を作ってくれたのをよく覚えてる。」
そう、すっごく平和だったな、幸せだったの。
パウル「でもね、戦争が起きたの、その戦争で、お母さんは逃げ遅れた私を助けて亡くなってしまうの。」
ああ、苦しかったな、最後まで母は笑顔だった。あの笑顔は未だに鮮明に思い出せる。
パウル「そうしたら、お父さんは変わってしまったの。なんでだろうね、急に私の両眼を抉りとったの、激痛で、声が出なくってね、どうしようもない孤独の中に突き落とされたの。」
痛かったなぁ、、目もだけど、心がとっても痛かった。
パウル「その後、私は戦争で親を亡くした子達のための孤児院に入ったの。眼がない私を、みんなは暖かく受け入れてくれたの。」
パウル「でもね、火事になったの。夜だったからみんな逃げれなくて、私も何も出来なくて火に耐えるしか無かったの。」
そう言って、私は上着を脱いだ。突然のことにイタカさんは止めてきて、ミミくんも顔を隠していたの。
パウル「大丈夫、見てほしいだけなの」
そして、私は背中の傷を見せた。
イタカさんも、ミミくんも、言葉を失っている。それもそうだ、一生消えない。ひどい火傷の跡なんて、そんな反応にもなるのも納得だった。
パウル「これはその家事の跡。一生消えないの。」
上着を着直した私に、
イタカ「じゃあ、なぜ
今生きているの、?」
そう聞いてきた。当然だ。
パウル「その時に社長に出会ったの。生きたいか?って。私は生きたいって即答したよ。」
私は言葉を続けた
パウル「私に、
もっと大きな手があったら。
私に、
ヒーローみたいに飛べる足があったら。私に、
みんなを守れる力があったら。
私に、
眼があったら。
みんなを少しでも助けれたのかも
しれないってね。」
しばらくの沈黙の後、私は続けた。
パウル「それでね、私知ったの。火事の原因は、私の実の父親が放った火が原因だったってね、」
ミミくんが思わず、はっと、息を飲む音がした。ミミくん、私も同じ反応だったよ。
パウル「それで、なんでそんなにお父さんが私のこと恨んでるのか知ったんだ。」
パウル「お父さんは、最初から私を愛していなかったの。」