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目の前で膝をつく血に染まったガキ。
そのガキは俺の事を左右違う色の血走った目で俺を睨む。
俺の腕から流れる血が生々しい。
「首洗って待っていやがれ……!」
そう言い、ガキはその場に倒れ、ガキは今にも力尽きそうなのに続けた。
「いつか…這い上がって…ぶっ…潰す」
「………ン。」
起きると自分の見慣れた天井が目に映る。
スマホを見るといつもより早く目が覚めていたようだった。
「…クソが………」
朝から胸糞悪りィ夢見せやがって………
俺は頭をグシャグシャとかくと体を起こす。
血に染まったボロボロの一郎を思い出すと自分が無力で仕方なくなる。
アーー……クソが……!
待ってろや一郎……ッ!
そう決意を固めるとある奴に電話をかける。
ま、こんな朝早くから起きてるはずはねェと思うがな。
ガチャッ。
「お、やっと繋がったかよ」
『やっと繋がったかよじゃないわ!朝に鬼電とかどんだけイカれてんねん!』
「うるっせェな。朝っぱらからデケェ声出すんじゃねェよ。」
『誰のせいだと思ってるんや! 』
電話をかけた相手はうちのマフィアの情報員兼策略家。元々ヤク売買だったり金の話の貿易やらに長けていたがもうそういったクソみてェなのを辞めさせてやった。前のノアールのボスはそういうクソみてェなことをしたからな。
ま、ノアールに入ったのはこいつを使うのが半分理由だったりもする。情報屋として有名人だったからなァ。
『で、用件はなんや。早く二度寝したいから短めに頼むわ〜』
「例の件。調べ終わったか?」
『あー、あのことならとうに調べ終わってるで!簓サンを褒めてやってもええんやで?左馬刻様?』
「へーへー、ご苦労さん。」
『調べたところによるとなぁ、あの組織の規模はあんまし大きないから大丈夫や。でもどーやら最近その組織からあるドーピングアイテムが出回っててなぁ。そこを気をつければ大丈夫やで!』
「じゃ、今から潰しに行くぞ」
『はぁっ!?俺もいかなアカンか?!』
「ったりめーだろ。本部集合な。」
『こっちの話を聞く耳を…!』
ブツッ。
そう言って切ると顔を洗いに俺は洗面台に行く。
簓そうとうキレると思うが別にいいかァ。
「あ、の、なぁ!いっくら温厚でやっさしい簓サンでもこれは怒るでぇ!」
「アーアーそれは悪かったな。ま、これやるから落ち着け。」
俺は分厚い金の入った封筒を机に転がして簓の居る方向に飛ばすが、簓の血相は変わらない。
「あんなぁ!お金でどうこうできる話ちゃうんやで!これは簓サンの睡眠時間の問題なんや!深夜まで情報収集!それで次は戦闘かいな!本業があんのにしにそうやでほんまに……!」
そう言いながらその封筒を簓は横手で懐にしまう。そして少し落ち着いたのか怒りは収まったかのように見えた。
「金がどーこー言ってた割にはしまってんじゃねェか。」
「うるさいわ!それに、前も言った通り俺は戦闘員じゃないゆーてるやろ!」
「ア?でもテメェここ入ってんならノアール加入のときにここの奴と戦ったろ?アレ勝ったんか?負けたんか?」
「は?アレ勝たなきゃここ入れないさかい、ちゃんと!このヌルサラが分からせたで?」
「ン。じゃ大丈夫だな。アレ、結構ォやれるだったからなァ。」
「はっ?!………はぁ、左馬刻様には敵わへんわぁ……しゃあないなぁ!うちのボス様は」
「へーへー、小規模なら俺等だけでやれるだろ。」
「はぁっ?!!センセイがいるからって無謀やろ!」
「うっせ、ドーピングアイテムとかなんとかあろうが俺等なら瞬殺だろ。」
「はーっ……よく言うなぁ……」
「死なない程度によろしく頼むわ……」
とりあえず簓の調べた情報を元に作戦会議を始める。さくっと簓が書いた敵組織本部の設計図を元に潜入経路、敵の配置などの予想を立てている時、部屋のドアがガチャッと音を鳴らす。
「お二人共お揃いでしたか。」
「あ、センセイおはようございますー」
「よォ、先生。」
神宮寺寂雷、うちの医者であり傷を治してくれる大切な人だ。俺が尊敬する数すくねぇ人だ。
「こんな早くから頑張っていますね。何かの作戦会議ですか?」
「まァそんなとこだな。先生も少し手伝ってくんねェか?」
「ふふふ……いいですよ。私は戦闘が出来ないのでこんな形ですが力を貸しますよ」
そう言って微笑む先生を囲んで和やかな雰囲気になる。
「ふぅ………これで大体は煮詰め終わったな!」
「そうだな。後は実戦だなヒョロノッポ情報員さんよォ」
「プレッシャーかけんといてや!ま、ノーダメージで帰ってくることは無いと思うんで、そん時は治療お願いしますわぁセンセイ!」
「いつでもお待ちしていますよ」
「んじゃ行くぞ簓ァ。先生なんかあった時は連絡するからよろしくな」
「はい。場合によっては遅くなりますが……」
「ン。ま、うまくやるから連絡はないと思うがな。センセ」
先生にニヤッと笑うと先生は頬を吊らせて笑みを浮かべていた。