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わー!続きありがたい…うたちゃんの記憶戻るのかな…
〈ニグ視点〉
退院日、俺はうたいさんを迎えに行った。
「えっとじゃあ…よろしくお願いします。」
「うんよろしく、あ、敬語じゃなくていいよ。」
そこで会話が止まった。
何故ならうたいさんが俺の顔をじーっと見つめていたからだ。
「えっとうたいさん…俺の顔がどうかした?」
「…顔に傷がある…」
「………これは転んでぶつけちゃって。気にしなくて良いよ」
「…そっ、か、分かった。」
「じゃあ行こっか」
俺の家に着くと、うたいさんは頬を緩ませた。
「どうしたの?」
「…なんかここ来たら、安心して…」
「…!」
頭が覚えてなくても、体は覚えてることに気付いて、俺は自然と安心した。
「はい、これお茶」
リビングのソファで周りをきょろきょろと見渡すうたいさんに、俺はお茶を渡す。
「あ、ありがとう…」
まだ緊張しているのか、うたいさんは少し震えた手でコップを受け取る。
「…に、ニグさん…」
「どうしたの?」
「僕って…どんな人だった?」
俺は記憶を失う前のうたいさんの姿を思い浮かべる。
…うたいさん…
「…うたいさんは、ゲームとかで時々悪戯したり、動画投稿が遅れて、しぇいどさんによく怒られたりしてたね」
「…そっか」
うたいさんがしゅんとする。
「…けどマイクラ人狼クエストのプログラム作ってくれたり、行動の一つ一つが可愛くて、いつもはあまり表情を変えないけど、ふと見せる笑顔が凄く可愛いから、凸さんが好きになったんじゃないかな…」
そう言うとうたいさんの表情が明るくなる。
「…あれ、凸さん?その人って、僕の…なんだったの?好きって…」
あ…
俺はうたいさんから目線を逸らす。
…凸さんは、今は誰とも会いたくないって言ってた…
電話してもメールをしても反応は一つもない。
…凸さんとうたいさんの関係を、俺が話していいのか…?
…………………
「ニグさん?」
「うわっ!?」
気付くとうたいさんが俺の顔を覗き込んでいた。
「さっきから話しかけても反応が無かったから…大丈夫?」
どうやら俺はうたいさんが話し掛けていることに気付かないほど考え込んでいたらしい。
「…僕と凸さんの関係って、もしかして駄目なやつ…?」
いや、違う、違うんだ。
もし、うたいさんと凸さんが恋人”だった”って話したとして
別れる経緯を話したら…うたいさんが記憶を失うきっかけを話したら…
今度こそうたいさんが完全に壊れてしまうんじゃないかって…物凄く怖いんだ…
「………物凄く、仲が良かったんだよ…けど、今は会うことが難しくなっちゃったんだ…」
「…そうなんだ…」
「喧嘩って訳じゃないんだけど…説明が難しくて、今はまだ話せない…」
「…う、ん…分かった…」
…これで良かったのかな