TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

幸せ

一覧ページ

「幸せ」のメインビジュアル

幸せ

2 - 俺は横にいるだけ

♥

102

2023年12月11日

シェアするシェアする
報告する

太宰の前にいるのは名探偵。

太宰の目に映るのは名探偵

ただ太宰の横にいる、それだけ。

隣りにいる俺じゃ、勝ち目はない。

知っていた、知っていたはず…。


俺はもう、太宰の隣にさえいないのかもしれない。太宰は落ちていく。太宰か恋に落ちていく。底なし沼。もう、俺は追いつけないのか…



…や。…うや…


中也!

太宰「聞いてんの?中也!」

中也「おお…悪い。聞いてなかった」

太宰「嗚呼もう!だから、プレゼント!案はある?」

中也「俺は名探偵のこと全然知らねぇよ」

中也「まあ、無難に時計とか、帽子とか、靴とか…」

太宰「う〜ん、無難だけどぉ。時計はもう持っていたし、帽子も社長から貰ったものを愛用しているし、靴…は…想いを伝えるって感じじゃなくないかい?」

中也「じゃどうすんだよ。否定ばっかしてないで例えを教えろよ」

太宰「例え?そんなの思いついてたら相談なんかしてないよ」

中也「… じゃ、ハンカチとかカップとか、日頃使うようなものは?」

太宰「乱歩さんは基本ラムネしか飲まないからなぁ」

偏食過ぎんだろ厭、偏飲…か?

太宰「でもハンカチか。まあ、無難で相手も迷惑しなくていいかもなぁ。」

中也「だろ?」

太宰「じゃぁ、ハンカチにしよう。柄も選べるからなぁ…」

中也「無地じゃ駄目なのか?」

太宰「それもいいけど、乱歩さんに贈るなら何かしら柄があったのほうがいいかなって」

中也「そーかよ」

太宰「柄は…お!これラムネを持った猫の刺繍が入ってる。主張激しくないしいいかも」

中也「じゃあ、会計すっか」

太宰「嗚呼、待って。会話で思い出したんだけどラムネ買ってないから…あっちにあるんだよね」

中也「よく知ってんな」

太宰「まぁねぇ。毎日乱歩さんの為に買い足しているから」

毎日…名探偵のために…か


太宰「あったあった」

中也「え…そんな買うのか?」

太宰「そりゃあ誕生日だから、特別にってことで♡」



太宰「ふぅ…今日はありがとね、中也。助かったよ」

中也「おう。いいぜ。」

太宰「乱歩さんの誕生日会、中也も来る?」

中也「!!」

どうする…名探偵と楽しそうに話している太宰何て見たくない。でも…

中也「おぅ。まあ、暇だし行くぜ」

太宰「そうか!相場は人数が多いほうが楽しいからね。有り難いよ。乱歩さんの喜ぶ顔楽しみだなぁ♪」


厭だ…けど…太宰に会えなくなるよりはまだ少しだけマシだから


嗚呼…太宰は名探偵…乱歩が好きなのに。

横にすらいない俺はそっと太宰に恋をしている。

そんな事も知らず太宰は

太宰「楽しみだね、中也!」

だなんて、笑っている。俺はその横顔を斜め下から覗き込む。


嗚呼、太宰は「幸せ」そうだ…

この作品はいかがでしたか?

102

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚