テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
・tykg・nmmn
・not通報
・地雷さんさようなら
本人様に直接ご迷惑のかかる行為はおやめください。
⚔️「」🏢『』
⚔️・・・
『……んふふっ………!』
「怖ッ!なにそんな僕のこと見てんの」
『いやぁ?俺………私のものにしたい……的な、遂にそのときかな……みたいな』
「なにそれ」
右手の薬指に輝く指輪が綺麗。
とっくに加賀美さんは僕のものだし、僕は加賀美さんのものでもあるのに。今更なことを言わなくたってわかっている。指輪を買ってから、体感的にはそんなに経っていないように感じるが、どうなのだろう。
『正式に結ばれることはできないんですけど、見せかけだけでも愛ってありますよね』
「うーん………まあ、そうなんじゃない?」
『ですよね。私もそう思うんですけど……』
意味深な質問。
まあ、確かに正式に結ばれなくとも愛はあるだろうし、実際、僕たちもそう。
結婚とか言うのも、そこに愛は確かに存在するけど、二人の関係を法律上の家族関係として成立させる手続きを指すものであるから、見せかけだろうがなんの問題もないと思う。
待って、これじゃん。
「あ!……わかっちゃった…!ハヤトさんが僕に何かしようとしてること」
『本当ですか?勘が鋭いですね。……貴方にだったら、もう知ってもらっていても構わないかな、と』
いずれ、プロポーズされることを頭に入れながらこの先過ごしていかなければならなくなってしまった。
全然僕からも考えてはいたけど、先を越された感じがする。激重の愛感じて幸せなんだけど。
『あ、ちなみに今日の夕ご飯ご馳走です。デパ地下のケーキもあります。』
「な゛、やめてよそんな!さっきの話してからこれ聞いたら期待しちゃうでしょ」
『開けてないゴム二箱あります』
「期待しとけばいいのね!?!?」
『そう言うことですよ』
「期待しとけばいいのね!?!?」
『そう言ってる、そう言ってる!……んふッ…』
僕のこと大好きじゃん。
・・・
「うわ゛〜〜!!!美味そ〜!絶対美味しいじゃん、こんなの」
『一回出て行った甲斐あったでしょう、これ』
「部屋隔離でよかったよね?」
『ダメです!しっかり準備させてくださいよ』
そうだよ、一回家追い出されたんだよ。満喫で時間潰すしかやることないし、なげぇし。 家出る前に緊張でソワソワしすぎて着替えたぞ。
まあでも、ご馳走っていうだけある。コイツの言うものに関しては。
『早く座ってください』
「さっきまで僕追い出されてたよね!?」
・・・
「……めっちゃ美味しかった………」
『あの量全部無くなるんですね…』
「いいでしょ、べつに」
僕の好みを完全把握した料理がずらっと並べられ、明らかにあれは僕の今の反応を待ち望んでいたと思う。男子高校生の胃袋と加賀美さんの三十半でなお現在のデカすぎる胃袋があれば、完食も余裕だった。
『お風呂入ってきてください。準備してるんで』
「ゆっくり入ってるから、準備終わったらきてよ。………だめ……?」
僕の言葉をやっと飲み込んだように、顔を真っ赤にして脱衣所に押し込まれた。
身に纏った布を一枚ずつ剥いでいく。生まれたままの状態になると、横のドアが少し開いて腕が伸びてきた。その手にはタオルが握られているが、その数は二枚だった。
「ん、ありがと」
『………私のこと待っててくださいね』
「ずっと待ってるから」
風呂場のドアを引き、いつも通りにタスクをこなしていく。 シャンプー、トリートメント、体を洗ってから湯船に浸かる。 何もしていない日でも風呂は一段と気持ちよく感じる。
目を瞑り、今日のことを振り返る。朝起きて、可愛い寝顔を晒す加賀美さんを起こしてキスをして、一緒朝ご飯を食べて、一緒にダラダラして、一緒にお昼ご飯を食べて…………。
よく考えると毎日同じ生活を繰り返しているのにこうやって風呂の時間に毎回同じことを思い出して。何をしていても、どこにいても、ずっと加賀美さんがいて、当たり前になっている。なんて幸せ者なんだろうか。
ガチャッ、と音がして慌てて気を取り戻す。
『すみません、遅くなりました……』
「全然遅くないよ。たぶん片付けまでしてくれたよね、ありがと 」
『いいんですよ、こういうときぐらい』
「………あれ?頭洗わないの?」
『支度してる時にお風呂入っちゃってたんですけど、誘われて嬉しくて……』
「ふーん、随分と可愛いこと言うね」
黙ったままの加賀美さんは僕の方へ背中を預け、力を抜く。お湯ギリギリまで体を沈め、時々上を向いて僕の様子を伺ってくるが、顔でも赤かっただろうか。
「顔洗って上がるね。もうちょっと待ってて」
そう言って湯船から立ち上がる。僕がいなくなって広くなったそこで、小さく脚を畳んで僕の方をチラチラと見ている。
何か緊張でもしているかのように。
「……ん、終わったよ」
『私も上がります』
風呂場のドアを開け、タオルをとる。先に僕が体を拭くのを待っていてくれるみたいで、ありがたく拭かせていただく。
何も体に纏っていない状態で加賀美さんのタオルを手に取り、体を拭いてあげる。
『私それぐらいできます。三十四です』
「僕がやりたいんだって」
されるがまま順々に体を拭かせてくれ、大人しくなったまま終わった。
加賀美さんが用意してくれた部屋着に腕を通し、お互いのスピードに合わせて服を着ていく。
『お腹まだ入りますか?ケーキぐらいなら入る?』
「別腹でしょ」
『んふっ、食べ盛り』
「ハヤトさんも変わんないでしょ」
手を引かれてリビングの机へと誘導される。
『いま持ってくるんで、ちょっと待っててください』
運ばれてきたのは、チョコがベースの二人分のケーキで、気分が高くなる。
フォークを手に取り、それを口に含むと表情が一気に柔らかくなる。加賀美さんの美味しそうに食べる様子を数枚写真に撮る。
『食べながらでいいんで、話聞いてもらってもいいですか?』
「なんでも聞くよ」
息を整えて始め、少し緊張したように口を開く。
『私、刀也さんと一緒にいるだけで幸せなんですよ。毎日本当に楽しくて』
「僕、幸せ者すぎるね」
『んふっ、 嬉しいことですよ……。そして、ずぅっと一緒にいたいなぁって思うようになって』
ずっと僕に対しての思いを吐き出し続けてくれている。どんなに嬉しいことか。
『今の時代って、形にしなくても「好き」とか「愛」とか伝わるし、形にすることをしなくなってきているんですよ。恋人止まり、みたいな』
「そうだね。……でも僕はその先、もっとずっと先に…進みたいかな。……面白そう」
とてもびっくりした目で僕を見つめてくる。丸く目を見開いて、少しばかり固かった緊張が解れたような感じがした。
『………私たちって、形にしたくてもできないじゃないですか。同性で、ましてや子供も産めない』
「難しいんだよね、世界って。どこにいたとしても何かが絶対付きものだし、払ったところで別の何かが付いてくる。」
気づいたら食べる手が止まっていた。いや、もっとずっと前から止まってた。
『刀也さん』
「なに?」
『私と一生をかけて「夫婦ごっこ」しませんか?………私は、刀也さん以外を入れたくないと思っています 』
あまり不安そうな目で見るのはやめてほしい。僕だって入れてほしいに決まっている。
僕の中の主要人物の隣には、絶対僕がいてほしい。
「僕も入れてもらってもいい?……僕はハヤトさんの旦那さん役がいい」
『………ッ…!!いいに決まってるじゃないですかぁ……。私は刀也さんの旦那さん役がいいです…………絶対譲りません…』
誰かにとっては架空の物語かもしれない。だけど、少なくとも僕たちには、これから先ずっと続いていく事実で、終わることなんて予定にない。
形にしなくたって、形にできなくたって、確かにそこにあるんだから。誰が見えなきゃダメなんて決めた?形を作ってしまえばそこがゴールになってしまう。大衆意見が正義じゃないぞ。僕たちの「夫婦ごっこ」、本当の夫婦のように。前例になるように。
『剣持刀也さん。私と結婚してください』
いつの間に用意された婚約指輪。
膝を付いてケースを開いたままじっと見つめられる。
「僕の人生、滅茶苦茶にしてほしい。ごっこ遊びの範疇じゃなくなるくらい」
『任せてください』
右手の指輪を買ったあの時みたいに。左手を約束したときはこんなことを予想できていただろうか。
ケースから指輪を取り出し、加賀美さんに手渡す。左手を差し出すように腕を伸ばすと、薬指に冷たいものが通る感覚がする。
「すっごい綺麗。指輪も、ハヤトさんも」
椅子から降りて、正面から苦しいくらいに抱きしめた。
「置いてかないよ。ハヤトさん」
『…………貴方からそれ出てくるの、すっごい嬉しいなぁ…』
肩がお互いの涙で濡れ、暖かく湿っている。ごっこ遊びでこんなに泣くことないだろ。とでも言いたげなぐらい涙を溢している。
でも、本当に嬉しくて。平然を装ったって、隠そうとしたって、滅多に出ることのない涙がたくさん。
『俺のものですよ』
「俺のこと独り占めできるよ」
『なに余裕ありそうな返しするんですか………全雑魚小僧…』
「うるさいぞ、おっさん。もうとっくに余裕なんてアンタに持ってかれてるんだから」
・・・
「その指輪、誰に貰ったんだっけ?」
『とーやッ゛♡♡ぅぐッ、と゛ぉやさん゛からでしゅッ♡あ゛っ、あん゛ッ♡んっ、んぁッ……♡♡』
「すっごい似合ってるね」
わざとらしく聞けば可愛く答えてくれる。
加賀美さんの左手薬指には白く光る結婚指輪がつけられており、それは僕もお揃い。しかし、加賀美さんのだけにはダイヤが埋め込まれてあり、大きいが目立ちすぎず、上品に見える。
僕だってお金はあるぞ。
『あ゛っッ♡ん゛んっ、んっ♡うぃ゛っ、う゛♡とーやッ、とぉや゛ぁ♡♡すきぃッ、だいしゅきッ♡♡♡』
「ほんっとうに可愛いなぁ……♡」
甘く指を絡ませて強く握ると、その手を加賀美さんの口元まで引き寄せられ、キスをされる。
悪戯な笑顔を浮かべて余裕を見せているが、僕の心拍数がバレてしまう。
『かお、まっかにしてる貴方がいちばんかわいいですよ………♡♡』
「…………うるさぃ…」
『んふふっ♡♡♡』
・・・
【しゃちょ〜!久しぶり〜〜!!】
『お久しぶりです、甲斐田さん!』
〈あれ?雰囲気変わったっすよね?社長〉
「おい、僕いないみたいな反応やめろ」
【いぇ〜い!もちさんッ!あんたを待ってたよ】
「…………ほんとうに?」
〈んはッ………すんませんッ…〉
「おいホスト。笑うな」
【やっぱ雰囲気似てきてない?社長ともちさん】
〈みんなしゃがめ。……おし!手見せてみろ〉
『えっ゛!まぁ、はい』
〈右手ちゃうやろ!………もちさん逃げんな!甲斐田、行け〉
【はいはい、もちさん。逃げないの。バレバレなんだから】
・・・
〈ふはっ…でぇっか! 〉
【社長のやべぇ!】
「これで満足かよ」
【ダイヤさぁ、もちさんのは控えめだけど、社長のはすげぇデカいってのがねぇ………?もう】
〈愛されてんねぇ?〉
「人妻です」
『剣持さん、言い方。私は貴方の夫ですよ』
「お前ら社長を取るなよ」
【もちさんのものなんだから、ガキはさっさと社長と手繋いで帰れ!】
『じゃあ、刀也さん。俺と手繋いで帰る?』
「なんでそんなに乗り気なんだよ。……………まぁ、手繋いで帰ってもいぃょ…」
・・・
【僕は嬉しいんだよこの野郎!!】
〈いい奴で草〉
【アニキは僕が取るからな!待っとけよ!】
(予告受けちったなぁ………幸せ者やな、俺)
・・・
『なにか大切なものを失った気がするんですけど……』
「もうちょっとしたら多分、今まで見たことないくらい幸せそうな顔してるふわっちを見る日がくると思うよ。…………甲斐田くんは絶対にふわっちを幸せにする自信を持ってるから」
『そう考えたらプライドなんて安いものですね………』
「まあ、ハヤトさんの幸せは僕が作りますけど」
『私が刀也さんを幸せにしますけどね〜!!』
コメント
1件
いや〜〜〜!!待って待って待って!!😭💕💕💕💕 プロポーズのシーン、ちゃんと泣いちゃったんだけど!?「私と一生をかけて『夫婦ごっこ』しませんか?」って、形にできなくても確かにそこにある愛を証明するみたいで…もう尊すぎて胸がギュッてなったよ…ッ!! ていうかさ、指輪のサイズの違いで「愛されてんねぇ?」ってツッコまれるの、めっちゃ微笑ましかった〜〜!!社長と甲斐田くんのやり取りも好きだし、全体的に優しい空気に包まれてて幸せな気持ちになったよ…✨ 続きも絶対読むからね!!🌸