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#青春ラブコメ
ラスターダノン
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おねぎ
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九條ヶ原美咲視点_
静まり返った教室の扉を閉めた瞬間、私は背中をドアに預け、その場にへたり込みそうになりました。(あ、あ、あ、天野さまの前で……私ったら、なんて……なんてはしたない態度を……ッ!!)
両手で真っ赤になった自分の顔を覆い隠します。
手のひらから伝わってくる熱気が、自分の心臓の鼓動と同じくらい激しく波打っていました。
幼少期から厳格な九條ヶ原家で育ち、習い事と学問だけに生きてきた私。
道場で怪我をされた門下生の男の方々を手当てし、お部屋のベッドまでお運びする日常の中で、私には世間の同年代のような「お友達」など一人もおりませんでした。
そんな私の唯一の秘密——お父様やお母様には絶対に見せられない、密かな情熱。
それが、カードゲーム『オブリビオン・ディザスター』でした。
オンラインの対戦部屋で「百華の君」として無敗を誇り、通算100勝を達成した時も、誰にも自慢できず一人で胸を踊らせていただけ。
学校では「お嬢様」としての完璧な作法を崩さず、誰とも関わらず、ただ通り過ぎるだけの日々。
なのに。
(天野さまは……私を『見て』くださった……!)
昼休み、カードを散らかしてしまったあの瞬間。
誰もが恐れて近寄ってこない私に、天野さまは怯えながらも、まっすぐに私と……私の「デッキ」と向き合ってくださいました。
最初こそ、私の言葉足らずのせいで何か凄まじい誤解をされているご様子でしたが、私がデュエルマットを広げた瞬間、天野さまの瞳に宿ったあの「本物のゲーマーの輝き」。
私は嬉しくて、嬉しくて……つい、抑えきれなくなってしまったのです。
(……でも、21戦全勝は、やりすぎでしたかしら……っ!?)
ハッと正気に戻り、自分のカバンの中の革ケースをギュッと抱きしめました。
いくら私の【絶対防衛(フルロック)】を崩そうと喰らいついてきてくださったのが楽しくてたまらなかったとはいえ、最後の方は完全に私のソリティア(一人回し)状態……。
途中から天野さまのお顔から血の気が引き、机に突っ伏していらっしゃいました。
(嫌われてしまわれたでしょうか……。「ただの性格の悪いガチ勢じゃないか」と、呆れられてしまわれたでしょうか……!?)
不安で胸が押し潰されそうになります。
ですが——最後に私が「明日も相手をしてくださいますか」とお誘いした時。
天野さまの瞳には、決して諦めていない、悔しさと熱狂の炎が確かに灯っていました。
(「明日までに、あのロックを破るサイドデッキ組んでくる」……ってお顔をしていらっしゃいましたわ……!)
思い出すだけで、胸の奥がキュンと甘く疼きます。
手をつなぐことすら知らない箱入りの私ですが、今日、天野さまと交わしたあの熱いカードの応酬は……どんな言葉よりも深く、私と彼を繋げてくれた気がしたのです。
屋敷から迎えに来た黒塗りの高級外車に乗り込みながら、私は車内でそっとマイデッキを取り出しました。
「天野さま……。明日、貴方がどのような『対抗策(メタ)』を準備して来られるか……私、今から夜も眠れませんわ」
夕闇に包まれる街並みを眺めながら、私は自分の唇が緩んでいくのを止められずにいました。
明日が来るのがこんなに待ち遠しいなんて、生まれて初めてのことでした。
コメント
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第9話読み終えたよ〜〜!!😭💕 美咲さん、まさかの「オブリディス」ガチ勢だったんかーい!しかも「百華の君」で無敗ってカッコよすぎるっしょ!!✨ 天野くんへの「見てくれた」っていうときめきと、21戦全勝しちゃった罪悪感のギャップが尊すぎて胸がきゅんきゅんしたよ…🥺 明日の対決、二人の距離がどう変わるか楽しみすぎる!応援してるよ〜〜!!🌸