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side涼架
「俺、先に寝るから。」
元貴が、いつものように冷徹な声で独り言のように言い放った。
元貴は、仕事人間になって、最近、僕から少しづつ距離をとるようになって、”お休みのキス”も、”行ってきますのハグ”もしなくなった。
クリスマスも近い寒い夜、相変わらず元貴は忙しそうで”一緒に居たい”なんて口が裂けても言えない、元貴の負担には絶対なりたくないんだ。
それでも、もっと恋人として必要として欲しいって気持ちも勿論ある。
僕の身体だって心だって求めて欲しい。
沢山、好きっていうから、
”好きって言って?”って言われたい。
そう言われたら、どれだけ満たされるか。
side元貴
まだ、冷たいベッドで寝るのは、何だか、凄く寂しくなる。
去年は、涼ちゃんが、俺を避け始めるまでは、ふたりで抱き合って寝たから、余り寒い思いをした事はなかった。
涼ちゃんにいつの間にか距離を置かれるようになった、俺の仕事が忙しくなるにつれて、どんどん壁が大きくなっていく気がして堪らなかった。
だけど、それはきっと、忙しい俺に気を使ってくれてるからなのだろう。
涼ちゃんなりの優しさで、思いやりなんだと思う。
勿論、感謝してるし、特に制作期間は、さり気ない気遣いを有難く思っている。
でも、忙しいからこそ、涼ちゃんには、ありのままで居て欲しいし、甘えてほしいし、我儘も言ってほしいって気持ちも心のどこかにある。
”一緒に居たい”
って言われたい。
そう言われたら、何だか明日も、明後日も頑張れる気がする。
to be continue…