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佐野side
雨の雫が窓を伝っていくのをぼんやり見つめながら、監督を待つ。
監督「ごめんね、待たせて」
🩷「いえ…」
少し曇る自分の顔を見て、監督が眉を顰める。
監督「なんて言えばいいかな…
佐野くんは柔太朗くんが大好きなんだね」
🩷「え?は?」
監督「可愛いもんね彼
なんか、弟愛とかメンバー愛とかそんな感じじゃないね
慈愛とか溺愛みたいな
それが溢れ出ちゃってて演技になってない」
🩷「す、すみません…」
監督「まあ、大事にしてるのは分かるんだけどこのシーンは初めて出会うに等しい感じだからさ
もっと得体の知れないもの、でも保護しなきゃみたいな
例えば捨て犬とか?」
🩷「捨て犬…」
監督「この犬がどんな犬かわかんないでしょ?
でも、雨に濡れて震えてたら、なんとなく温めなきゃとか乾かさなきゃとか考えちゃうじゃん
そんな感じがほしい」
扉が開き、タオルを頭から被った柔太朗と目が合う。
その目は湿度を保っていて、まさしく濡れた捨て犬のようだった。
監督「ちょっとわかったんじゃない?」
🩷「はい…」
監督「あとは、距離感だね」
宿題ねと言うと監督は柔太朗に風邪ひかないでねと声をかけて外へ出ていく。
控え室には柔太朗と俺しかいない。
🤍「コーヒー…」
ふと柔太朗を見ると手には二つ分のコーヒー
🤍「スタッフさんがコーヒー淹れてくれたけど飲む?」
落ち込む自分を察してか、恐る恐る近づく柔太朗は本当に捨てられた仔犬のようで、つい触れてしまいたくなる。
🩷「いや、俺あんま寒くないしいいかな…」
🤍「そっか…」
若干の沈黙。
柔太朗の顔が暗くなるのに比例して、自分も心が抉られる。
🩷「髪の毛、乾かす?」
傍のソファに座り、コーヒーをチビチビと啜る柔太朗の被っていたタオルに俺は手を置いた。
🤍「乾かしてくれるの?」
きゅるきゅると期待した目を向けてくる。
やっぱコイツ犬だなぁ
柔太朗の本心が知りたい
柔太朗は俺に特別な感情を抱いてくれているのだろうか?
俺は考えていた事を掻き消すように、柔太朗の髪をワシャワシャと乾かし始めた。
🤍「みんなに映画の撮影のこと伝えた?」
🩷「んー?伝えてないな」
嘘だ。俺はこの映画を盾に太智を牽制した。
🤍「みんな喜んでくれるかな…」
🩷「そりゃぁ」
🤍「だって、複雑な関係の作品だし…
ファンの子も見てくれないかも知れない
それに、メンバーが火消しに回ったりしないか心配かも…」
🩷「柔太朗は映画の出演嫌だった?」
ダメだ。思ってもない事が口から出てしまう。
確かに柔太朗の言い分もよく分かる。
アイドルという肩書きである以上、恋愛モノは嫌厭されがちで、ましてやBLとなると話はより難しくなる。
🤍「そんな事ない…」
🩷「俺が決断しちゃったから、柔太朗は決断せざる終えなかったよな」
🤍「ちがうよ…」
🩷「俺、柔太朗の気持ちなんて一個も考えて…」
🤍「もう、やめよう」
柔太朗が俺の言葉を静止する。
ここではじめて自分は言いすぎたことを理解する。
🤍「話し始めたの自分だけど、やめようこの話」
降りしきる雨の音がより一層強く聞こえる。
🤍「俺、コーヒー返してくるね」
俺から逃げるように柔太朗はその場を後にした。
コメント
3件
投稿ありがとうございます! 勇ちゃんは柔ちゃんへの愛が溢れちゃうくらい溺愛してて、演技にも出てきちゃってるの尊すぎます!! でも、こんなに可愛い柔ちゃんを1回でも好きになっちゃったら溺愛せざるを得ませんね笑 引き続き応援してます!!!
続きまたまってます‼️明日も頑張れそうです☺️
うわあああこの回、めちゃくちゃ良かった…!!😭💕 監督の「捨て犬」のたとえ、めっちゃしっくりきたし、柔太朗くんがまさにその姿で出てきた瞬間の切なさよ…。佐野くんが「髪乾かす?」って言っちゃう優しさ、でも心の中では本心探ってて、自分を責めるシーンがもう、胸がぎゅってなった…。二人の距離感がエモすぎて泣けるっ!!次の展開が待ちきれないよ〜🥺🌸
#amnv
さななん
571
365日冷食冷笑
950
#ごほんにんには関係ありません