⚠️ATTENTION⚠️
ろふまおBL
四神パロディ
玄武愛され(甲斐田晴愛され)
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✩⡱朱雀の置き土産
「あたし、すざくさまと結婚する!」
そう言い出したのは、四つほどの小さな子供だった。
「にゃは、夜夏はまだ子供やから、結婚は出来へんなぁ」
この娘の名は夜夏(ヤカ)、とてもませている子供である。
「んー…、、わかった!あたしが大きくなって、すざくさまとおんなじ年になればいいんでしょ?それまで待っててね!!」
と言い残し、駆け足で家に戻って行った。
それからというもの、
「すざくさま、お茶はいかがですか?」
「すざくさま、氷菓子をおもちしました!」
「すざくさま、いつもごくろうさまです」
など、色々と話しかけてくるようになった。
そんな少女の成長を見守っていた、ある日。
「朱雀様!あたし、結婚することになったの!」
人間の19歳というのは結婚する時期なのだろう。
傍らには筋骨隆々な、しかし気は小さそうな男児が立っていた。
「朱雀、様!!」
いきなり口を開いたかと思えば、
「俺、夜夏を幸せにします!朱雀様に負けないくらい、夜夏に好かれてみせます!これからも、俺たちと、この街を、……よろしくお願いします!!」
なんとまあ、潔の良いことだろうか。
「んふ、夜夏を幸せにしてやらにゃあな。いつまでも、仲睦まじい姿を見せてくれ。
……、夜夏も。泣くんじゃない、こんなに愛してくれる人間はそうそうおらん。昔のことなんて忘れて、今を楽しんで生きることを考えるんだ」
そう伝えると、夜夏は男とともに帰っていった。
幸せそうに、肩を寄せあいながら。
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「ってなことがあったんだよ、ハヤト」
四神たちの定期報告会の最中、思い出話に花を咲かせていた。
「へぇ、湊ったら人たらしじゃあありませんか」
「まぁ、アニキは、振られた男ってことですね〜」
「んー、晴、後で覚悟しておけや?」
神が振られるなんてあるんすね〜と笑っていたので、後ほど手刀でも叩き込んでおくとしよう。
「で、その子、どうなったの?」
「どうって…、、今、この場にいるんやけど」
「「「???」」」
え…だから、
「ここに、いるんやけど?」
隣の給仕係を指すと、更に困惑した様子だった。
「やだ、朱雀様ったら恥ずかしいじゃあありませんか、こんな老婆の昔話なんて」
と、当の本人はころころと笑っているのだが。
「にゃは、時が経つのはあっという間やねぇ…」
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「で、その墓が夜夏の墓なの?」
刀也が指さしたのは、大きな石に字が刻まれているだけの質素な墓だった。
「そやね。……んじゃ、お祈りしますか」
手を合わせて、祈ったあと。
「湊、それ…、!?」
自分の体に生えていた羽根を抜き、墓前に供える。
「いーのいーの、また生えてくるし。…それにさ、」
置き土産は、夜夏が1番喜ぶだろうから。
朱雀が羽根を授けることの意味。
最大の信頼と、感謝。
南方は、美しく秋に彩られた。
永遠の安寧と、繁栄を願って。
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