テラーノベル
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注意
羽ゲンです。
羽京の心の声がうるさいです。
羽京とゲンが復興後、仕事の都合でシェアハウスをしています。
羽京さんが勝手に1人で傷ついて部屋に篭ります。
誰か←ゲン←羽に見せかけた羽ゲン両片思いノベルです。
それでも良い方のみ、想い人の想い人クイズをお読みください。
「「いただきます」」
それは金曜の夜、いつものカレーを食べている時のことだった。
「やっぱり金曜はカレーだよね」
「あ、そっか、海上自衛隊って金曜はカレーなんだっけ?」
「そうそう、3700年経ってもやっぱりこの癖が抜けなくて…」
そんな日常的な会話をしている時に、ゲンは衝撃的な言葉を放った。
「そういえば羽京ちゃん」
「どうしたの?ゲン」
「俺、好きな人できたんだよね〜」
その言葉を聞いて、僕は口元に持って行こうとしていたカレーのスプーンを落としてしまった。
突然言われたのもそうだが、相手は石化が解けてからずっと好きだった人だ。
心臓がバクバクいっているのを隠しながらゲンに言う。
「…へぇ、いいね。どんな人?」
自分で言うのもアレだが、自分の声が震えている。嫌な汗も出る。
ここまで夢中になれた人はいなかった。一緒にいるだけで十分だった。
それなのに相手ができたことで相手の家に住む、と言うことがあったら…
それだけで泣いてしまいそうだ。
「ん〜、やっぱりそこ気になっちゃう?」
「名前をすぐに言うのもつまんないし、ヒント出すから当ててみて?羽京ちゃん」
なんだそれは。自分としては今すぐ誰が好きになったのかを教えて欲しい。
ゲンのためならその人と結ばれるサポートもする。ただ、心の準備がしたいだけなのだ。
「えぇ、なにそれ…でも、ゲンがしたいならやろうか」
「羽京ちゃんノリ良い〜♪じゃあいっこめ!性別は男です!」
男、それなら南やほむらなどではない。
どうせなら、相手が女性だったほうが恋を諦められるのに。
その言葉を胸にしまって、笑顔で話を聞く。引き攣っていないだろうか、それだけが心配だ。
「うーん、それだけだとよくわからないな…もう一個ヒントもらえる?」
「じゃあ二個目!俺より年上です!」
男でゲンより年上。それだけかなり絞れてきた。
カセキ…は仲はいいけど恋愛感情はなさそうだ。多分マグマも違う。
その人も違う、あの人も違う、と頭の中で仕分けをする。
絞れてきたといっても、やはり決定打は見つからない。
「なるほど…だいぶ絞れてきたよ。」
「後少しでわかるかもね、じゃあ…みっつめ!」
「髪は白髪です!」
白髪?
白髪で思い当たる人は2人しかいない。 氷月とゼノだ。
氷月は司帝国時代ゲンとたまに話していたし、ゼノは敵対していたといえしばらくゲンと一緒にいた。その間に打ち解けていてもおかしくない。
心臓が痛い。覚悟を決めていたつもりだったが、聞きたくない。 手が震える。
「ごめん、ゲン、ちょっと体調が悪いから…一回席を外すね」
「えっ?羽京ちゃんどこに…」
そのまま逃げるように自分の部屋にこもってしまった。
良い年下大人がなにをやってるんだ…自分が情けない。
深呼吸をする。落ち着いたら戻って、好きな人を聞こう。
そう思ってはいるものの、体が重たくなったような感覚がして、ベッドに倒れ込む。
「やっぱり、怖いな…」
そのまま、しばらく暗い部屋で横たわっていた。
何分ほど経っていたのだろうか、ゲンの心配そうな声と足音が聞こえる。
「羽京ちゃん?大丈夫?」
焦って起き上がる。鍵を閉めていなかったから、ゲンが扉を開けて入ってくる。
「あ…」
今更さっきの行動を振り返る。
ゲンからしたら、質問に答えたらいきなり不機嫌になる変な人だ。
多分、いや、絶対この気持ちもバレてしまった。
なにをやっているんだ僕は、1人の人間の悪意のない発言で心が傷ついて、バカみたいじゃないか。
「羽京ちゃん、さっき出ていったっきり戻ってこないから、心配してきたんだけど」
「ごめん、俺、羽京ちゃんを傷つけちゃったのかな」
「…違う、違うんだ、ゲン」
ゲンは今にも泣き出しそうな顔をしている。
泣きたいのは僕も同じだ、と言うのはただの八つ当たりにしかならないか。
隠し切ることのできなかったこの気持ちを伝える。
やらずに後悔するくらいならやって後悔したほうがいい。
「…ゲン、君のことが好きだった。ゲンの好きな人を聞くのが嫌で、逃げ出してしまった。」
「自分でもふざけているなって思ってる。でも…怖かったんだ。」
ゲンの顔を見る。ゲンは困ったような表情を浮かべながら笑う。
「もしかして、羽京ちゃん、…俺に片想いしてるとか思ってた…?」
「俺は、ずっと…羽京ちゃんの特徴を言ってたんだけど…」
ゲンはそっぽを向く。
ゲンの長く、白い髪が顔を隠す。どんな表情をしているのだろう。
その言葉を聞いた時、僕はゲンの言っていた好きな人の特徴を思い出す。
「男性」、「年上」、「白髪」よくよく考えれば、自分にも当てはまる。
「それに、羽京ちゃん」
「好きでもない人とシェアハウスなんて、するわけなくない?」
耳まで真っ赤になったゲンがこちらを向く。
…確かに。
「えっと、じゃあ…あのクイズの答えは」
「羽京ちゃん、だけど」
え、と声が漏れる。
もしかして、僕はゲンの好きな人を勝手に決めつけて勝手に1人で傷ついていた…?
その事実がとても恥ずかしい。ゲンとは違う原因で顔が赤くなる。
「羽京ちゃん、さっきの告白の返事、させて」
「…よろしくお願いします」
その言葉を聞いた時、嬉しくて思わず抱きしめてしまった。
「わ…!?羽京ちゃん!?」
「死ぬ!ジーマーで死ぬ!タンマ!」
強く抱きしめすぎて背中を叩かれる。
「あはは、ごめん、嬉しくなっちゃって、」
「じゃあ、ゲン」
「次の休み被ったら、デートとか、行かない?」
「え?ジーマーで?行きたい!」
ゲンの表情がパッと明るくなる。眩しい。眩しすぎる。
「でも、羽京ちゃんは今デートとかより…」
「羽京ちゃんが食べずに置いていったカレー食べな!?」
「一口も食べずに出ていっちゃうから、ラップかけといたんだけど」
そういえば、カレーを食べようとしていたタイミングでクイズ大会が始まったんだった。
「あ、確かに…じゃあ、デートの計画はカレーを食べ切ってからだね」
「ん、じゃあ、先リビング戻ってるから…」
「デート、なにしたいか考えておく」
あとがき
想い人の想い人クイズのご視聴ありがとうございました。
最初に投稿したノベル、ああ、夢でよかった。とかなり似てしまっていますね。
こう言うバッドエンドに見せかけてハッピーエンドが大好きなんです。
正直に言ってしまうと、カレーをすくったスプーンを皿に落とす羽京が書きたい、と言う願望のみで書かれたノベルなのでかなり酷い出来ですね。
そろそろネタが尽きてきているので、もしよければコメント欄にこう言う羽ゲンがみたい!と言うものがあったら書いていただけると嬉しいです。
コメント
2件
シェアハ良いな…個人的にいつもの服じゃ無くて私服だと喜ぶ