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式が始まる前、見慣れた名前を名簿で見つけて心臓が止まりそうになった
でも、まさかほんとに会えるとは思ってなかった
数年ぶりの再会――俺の前に現れたのは、あの頃よりずっと背が伸びて、
声も低くなって、
でも目の奥はあの頃と同じで
渡辺「え…お前…まさか……」
ぽつりと出たその声に、懐かしさと、ちょっとした怖さが混ざる
俺のこと、忘れてたらどうしようって、ずっと思ってたから
宮舘「ひさしぶり、翔太」
名前を呼んだ時、ほんの一瞬だけ見せた驚いた顔
俺のこと、覚えててくれたんだって、それだけで胸がいっぱいになった
渡辺「…なんで…今ここにいるんだよ」
少し震えたその声が、どこか俺を責めてるようで、胸が苦しくなった
言い訳じゃないけど、ちゃんと答えなきゃって思って
宮舘「親の仕事で戻ってきた ここでまた高校生活送ることになったんだ」
沈黙が流れる
俺がいなくなってる間、翔太がどう過ごしてたか、俺には分からない
でも、ずっと後悔してた 最後にちゃんとバイバイできなかったこと
だから今日、再会できたこの瞬間だけは、絶対に手放したくなかった
宮舘「…会いたかったよ、翔太」
本音だった
ずっと心の中で、何度も呼んでた名前を、やっと声に出せた
渡辺「…バカ、もっと早く言えよ」
絞り出すような声でそう言った翔太の目が少し潤んでて、
胸がぎゅってなった
俺のせいで、たくさん待たせたんだって思った
だから、
もう手離さないって決めた
そっと手を伸ばして、翔太の手を握る
懐かしい感触だった
小さな頃、何度も繋いだ手と変わらないあたたかさ
渡辺「もう離れねぇから」
本気の声で、言葉を落とす
翔太の瞳がちょっと揺れて、でもすぐに強く手を握り返してくれた
たった一言だけで、俺はまた翔太と始められる気がした
今度こそ、ちゃんと隣にいられる気がした
初めて出会った時も、恋をしたのも、
全部が翔太だった
これからの学校生活がよりいっそう楽しくなってくるな
また好きになってもいいかな、翔太
𝒏𝒆𝒙𝒕