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ほのぼの
橙視点
最近ノベルばっかでごめん
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右手で参考書を持ち、左手でつり革を掴む。
朝の登校時間は、電車の中で音楽を聴きながら前日の授業の復習をするのが日課だ。
『次は○○〜。○○〜。』
電車内アナウンスが流れる。
次の駅で乗り換えのため参考書を閉じ、音楽を止める。
ドアの前まで移動し、開くボタンに指を添える
窓から外の風景を眺め、完全に止まったのを確認しボタンを押した。
青「よっ。笑」
声の聞こえる方に体を向ける。
そこに居たのは双子の弟だった。
橙「あれ、青ちゃんひとつ前のに乗ってたよな?」
青ちゃんが家を出たのは俺よりも前。
俺らが住んでいるのは田舎のため、電車の車両も1両2両程。
駅のホームで会わない訳が無い。
青「人身事故だって。」
「本当勘弁して欲しいわ。」
そう言う青ちゃんにスマホが差し出された。
青が乗るはずだった時刻と、俺が乗るはずだった時刻に赤く「遅延中」と書かれている。
橙「まじじゃん。」
青「かれこれ20分待ってるけど動く気配無い」
1時間程かかりそうと、言う青の方を見る。
青「そんな目で見ないでよ…」
「悪いのは僕じゃないし!」
そう訴える青は「じゃあね。」と、不貞腐れたように言ってどこかへ行ってしまった。
橙「…どうしよ。」
駅には俺と同じ境遇の人達で溢れかえる。
田舎の駅では見ないほどの人数。
少しこちらに出てくるだけで、周りの建物の様子もかなり変わってくる。
なぜ俺は田舎側の人間に生まれてきてしまったのだろうか。
橙「…はぁ。暇。」
ぼそっと本音が漏れる。
これが登校中じゃなくて通勤中だったら…
橙「学生って幸せなのかもな…。」
父親が言ってたな「社会では理不尽なことで怒られる」って。
まぁもう居ないんだけど…。
酒に依存して、妻と子供に暴力振るう。
そんな親居ない方が楽だけどな。
桃「橙ー!」
名前を呼ばれ振り返る。
そこには、いつも一緒に登校している友人の姿があった。
橙「桃ちゃんおはよ。」
桃「おは」
これで暇は回避できる、と考えるとすごく嬉しい。
桃「いや、人多いから見つけられんかと思ったわ。笑」
橙「俺、探そうともしてなかった、笑」
桃「おいっ!」
友人って大切なんだなと、再認識する。
桃「コンビニでも行こうぜ。」
橙「ええやん。唐揚げクンでも食お」
コンビニで、飲み物と食い物を買ってくる。
ベンチに座って他愛もない世間話をする。
桃「好きな好み教えろ。」
橙「は?なに急に…。」
桃「俺も教えるから」
橙「いやや。1人で言ってろ。」
…これのどこが世間話なのでしょうか。
桃「そこをなんとか…!」
橙「…。優しい人。」
桃「ッゑ…!?」
橙「なんや。桃ちゃんもはよ言えや」
桃「いやまさか言うなんて…、」
はっ倒したい。
こんな親友はいやだ。堂々とNo.1
桃「俺は、さらさらな髪の人かな。」
橙「ふぅん。」
桃「えぇ…興味無さすぎ。」
桃「次は橙の番だろ、?」
橙「え…周回するんこのゲーム。」
桃「……?」
何、当たり前って顔してるんだよこいつ。
顔面を殴りたくなってきた。
橙「えぇ、楽しい人とかかな…。」
桃「青色が似合う人とか良くない?」
…嫌な予感がしてくる。
橙「んー…。余り干渉してこない人」
桃「ペンギンみたいに歩く人。」
橙「笑顔が似合う人とか?」
桃「可愛いけど時にはかっこいい人。」
橙「…特定の人の特徴言うのやめろや。」
桃「…てへ。」
双子の弟が友人の好みで挙げられるって、どんな顔して聞けばいいの。
同じ状況になったことある人に聞きたいです。
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あれから数十分後のある出来事
青「…何食べてるん?」
顔を上げると弟の顔。
青「お兄ちゃん1口ちょうだいよ!笑」
出た。青ちゃんがなにかねだる時だけ出る、お兄ちゃん呼び。
橙「残念青ちゃんの席は空いてませんー、」
橙「だからって、立ちながら食うなんて許さないよ?」
桃「…?俺の膝は空いてるよ?」
横を見ると青ちゃんの拳が桃ちゃんの頬にクリーンヒットしている図が…。
青「この変態野郎。地獄へ墜ちろ」
弟をこの性癖大魔王から守ってあげなきゃなんて、思っていたが要らないらしい。
残念ながら俺よりも強かった。
少し心配しながらも、内心「青ちゃんよくやった」って思える出来事でした。
コメント
2件
え、、最高すぎます🫶🏻 ぶくしつです!✨