日)はぁ…やっと終わった…
独)お疲れ…日本、なんとか日が変わる前に終わったな…
そうドイツさんに言われ、チラッと時計に視線を送ると、既に時計の針は11時を指していた。
日)ドイツさんこそ、こんな時間までお付き合い有難う御座いました…
私は深々とドイツさんに頭を下げた。
昨日大量に任された資料の山を、わざわざ声を掛けて手伝ってくれたのだ。
独)いや良いんだ、流石にこの量を1人でする日本が可哀想だったしな
そう言い、ドイツさんは掛けていた黒縁眼鏡を外す。メガヌカを外すと、より綺麗な緑色の瞳が見える。
私は不覚にも、その目に見惚れてしまった。
独)日本?どうしたんだ?
日)…えっ?あっいえ、なんでもないです!
私がボゥッとドイツさんを見ていたからか、視線に気付いたドイツさんが私に声を掛ける。
独)そうか?まあもう遅いし早く帰って休もう、疲れているだろ?電車は…もう通っていないだろうが…仕方ない
そう言いドイツさんは溜息を吐く。
確かにこの時間帯じゃ電車は通っていないだろうし、最悪タクシーで帰らないといけない。
日)まあ…仕方ないですよ、頑張って帰りましょう
独)…そうだな
私がそう言うと、ドイツさんはニッコリと微笑みを浮かべた。
独)じゃあまた明日な、ちゃんと寝ろよ?
日)はい、ではこれで
会社を出て、ある程度の所まで来た所で私とドイツさんは別れた。
日)あーっ…やっと寝れる…早く帰りましょう
本当にドイツさんには感謝しきれない。
ドイツさんがいなければ、今頃まだ仕事に追われていただろう。
日)今度お礼しないと、何が良いですかね?甘いものは苦手そうなので…
少し浮かれ気分でそう考えていた。
ドンッ
日)っ…いったぁ…
突然、後ろから誰かがぶつかった。
私はそのぶつかった勢いが強過ぎて、軽く吹っ飛んだ。
誰だと思い、痛む背中を我慢して振り向くと、そこには一人の男がいた。
恐らく私とぶつかった人だろう。
その人は耐性が良かったのか軽くふらついていたもの、立っていた。
日)だ…誰です、か…
私はその男が誰なのか知ろうと立ちあがろうとするが、背中の痛みに伴い、一気に睡魔が襲った。
)あっ…貴様!
するとそんな私を見てか、目の前にいる男が声を上げた。
だが私の意識はその男を置いて、ゆっくりと遠退いて行ってしまった。
Continue