『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第7鎖 『薔薇の鞭で愛情を注ぐ』
痛い……。なんでこんな思いしなきゃいけないの……っ?
ガチャっ。
『主様来たっすよー!あれ?なんでボスキさんの仮面を?』
『アモン…?』
右目を失った私は視界が上手く見えなくて
声で判別するしか無かった。
『失礼するっすよ。』
アモンは私の仮面を外す。
『うわ〜痛そ…。ボスキさん主様とお揃いなんてやるっすね。でも残酷っすね、自分と同じにするために右目を刺すなんて。』
カチャ
主様の右目に仮面を付け直す。
『…まぁ、俺も人のこと言えないっすけど。』
アモンの左手には鞭が握られている。
それはかれがいつも自傷行為の時に使うものだった。
『あ、アモン……?それで何を……。』
『え?決まってるじゃないっすか。主様をこれで可愛がるんすよ。』
『何言って…っ。』
『ボスキさんだけお揃いなんてずるいっすよ。俺だって主様とお揃いがいいのに…。』
コツコツ……。アモンはゆっくりと私に近付く。
『こ、来ないで…っ!!』
『大丈夫っすよ。すぐ終わるっすから。』
アモンは私をベットにうつ伏せに倒れ込ませる。そして、リボンを取りだし、私の両手を縛り、、ベットの柵にそれを結びつける。
ギッギ……。
ベットが軋む。
『やだ、解いて、やめて……っ!』
ガタガタ……ッ。
『愛してるっす。俺だけの主様――。』
バチンッ!
『あう…っ!』
皮膚を刺されたような痛みが襲う。
『まだまだ行くっすよ。果てないで下さいっす♪』
バチンッ!バシイッ!
『ゔぁ……っ!はぁ、はぁ……。』
『綺麗っす……♪俺の薔薇の鞭で血を流す主様……可愛いっすよ。もっと、もっと見せて欲しいっす……。』
バチンッ!バシイッ!バチンッバチンッ!バシイ…ッ!!!!
狂気の鞭振るいという名の愛情表現は
2時間ほど続いた。
『はぁ、はぁ…。』
『少しやりすぎたっすね。まぁでも、主様なら許してくれるっすよね?』
アモンは私を起き上がらせて頬を撫でる。
『俺とお揃いで嬉しいっすか?』
『…し…して。』
『?』
『もう……殺して…。』
『……。死ぬなんて許さないっすよ。主様は。ずっと……ここに居るんすから。』
真っ赤な瞳が私を見つめる。もう二度と逃げられないという恐怖を植え付けた。
『おやすみなさいっす♪主様。あぁでも今夜は眠れないっすね。その痛みで俺の事を思い出して……ね。』
パタンっ。
私の身体はもう麻痺してしまっているのだろうか。血が出ているのに何も感じない。
いや、身体が麻痺してるんじゃない。心が壊れたんだ。
次回
第8鎖 『お医者様から愛のお薬』
コメント
2件
題名でバレちゃいましたね(´>∀<`)ゝ御明答です!
次はルカスかな?今回もありがとうございます😭コメント返信もほんとにありがとッ!!