『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第8鎖 『お医者様からの愛のお薬』
コンコンッ。
『おはようございます。主様。おやおや…痛々しい傷ですね。あと2人もすぐに教えてくれれば治療したのに。全く……。』
(嘘だ。私が痛みに悶絶するのを求めていたくせに…っ。)
ルカスは薬箱を持ち私の部屋に入る。
『では治療を…。』
『しなくていい。』
『おや…。』
『昨日から止血せずに沢山血を流させたの…大量出血で死ぬでしょ?』
『……。』
『どうなの?』
(正直貧血で苦しい。今すぐにでも倒れそう。)
『…残念ですが、人はそう簡単には死ねないんですよ。主様。貴方の場合…簡単には死なせませんが。』
『っ……。』
ルカスは私に近づいてく私の顎を持ち上げる。
クイッ…。
『我儘な患者様には苦い薬を処方しましょう。』
『んぅ!』
強引に唇を塞がれる。
『んく…。』
ルカスは口に薬を含み私に流し込む。
『ぷはっ!』
『…すぐに効果が出ます。』
『ぁ、っ…。身体、がうご、かない…っ。』
『痺れ薬です。手術中暴れられても面倒なのでね。』
ヒョイッ
ルカスは私をお姫様抱っこして治療室へ連れていく。
(ダメ…貧血で目眩…が――。)
私はその場で気を失う。
治療室にて
『麻酔は打ってあげないと流石に可哀想ですね。痛がる貴方を見るのも快感ですが…。ふふっ。』
私は自分の血を主様に輸血する。(主様と同じ血液型で良かったです。私の血が主様に輸血される…私の血が主様の中に入り込んでる…っ。)
『あぁ…。快感ですね…っ///』
『心配は無用です。ちゃんと……治療しますからね。』
数時間後――。
『ん……。』
目を覚ますと自室のベットだった。
(右目……治療されてる。背中も…。)
『……。』
(治療するってことは私を殺すつもりは無いってこと…?私が死んだらみんなが困るから…?)
『目が覚めましたね。』
『っ!』
『ボスキ君もアモン君も酷いことしますね……。でも安心して下さいね。私は痛いことしませんから。』
私はポケットから薬を取り出す。
『抵抗する気力も…ここから逃げ出す気力も全て忘れさせてあげますね。』
ルカスはニコッと微笑み、私の口に薬を流し込む。
『……ゴクッ。』
『ちゃんと飲み込んでくれましたね。いい子ですね♡』
ドサッ……。
急な眠気に襲われ目を閉じる。
『次目が覚めた時は――。私達に歯向かうことなんて出来ませんよ♪』
私は主様の部屋から去る。
……バタンっ。
次回
第9鎖 『美しい貴女に愛の抱擁を』
コメント
4件
いえいえ汗汗いつもありがとうございます😭
了解しました!貴重なご意見ありがとうございます!
いつもお疲れ様です♪次はナック...?あの!急な文句かもしてないんですけど、 たまには後から誰か来たりとかでもいいと思います! 勝手な意見申し訳ありません汗 今日も最高でした😃