※高校生パロ(smknは付き合いたて)
※キャラ崩壊注意
kn視点
俺は今、夢でも見ているのだろうか。
「…え?」
目の前に広がる状況を見て、俺はポカンと立ち尽くす。
「用がないならさっさと帰れ。」
「帰り方が分かってたら、こんな状況になってないんだが?」
ある週の土曜日。
スマイルに呼び出され、スマイルの家に行くとそこには異様な光景が広がっていた。
リビングに置いてある椅子に座っているのは、俺を呼び出したスマイル。そして、ダイニングテーブルを挟んで向かいの椅子に座っているのは…スマイル…?
「スマイルが…2人…?」
スマイルが2人になっていた。
「え…夢…?」
「夢じゃないぞ。」
俺を呼び出したスマイルが否定する。
頬を引っ張るがちゃんと痛い。どうやら本当に夢ではないようだ。
じゃあ、夢じゃないと言うならこの状況をどう説明するというのだ。
理解力はある方だが、こればっかりは理解できない。
声も顔も一緒のスマイルが2人。現実じゃ絶対起こらないことが今、目の前で起こっている。
「ど、ドッキリとかじゃないよね、、?」
「ドッキリなら良かったんだがな。」
説明を求めようとしたら、向かいに座っていた別のスマイルが席を立った。
区別がつかないし、コイツのことは『すまいる』と呼ぶようにしよう。
「きんときか?…若いな。」
すまいるはそう言うと、俺の顔をまじまじと見つめる。
「ど、どういうこと、?」
困惑したように声を出すと、椅子に座っているスマイルが小さくため息をついた。
「…俺もまだ理解はできてないんだが、そいつは…その、、『未来の俺』…らしい。」
「…は?」
未来から来たスマイル?
普段だったらぶん殴るほどつまらない冗談だと思うが、目の前にいるすまいるが、冗談じゃないことを証明している。
確かに、言われてみれば高校生のスマイルより大人っぽい顔立ちになってるし、身長も…俺より高くなっている。
「俺が26で、きんときが17だから…9歳差か?」
「9歳⁉︎」
すまいるの発言に思わず大きな声が出る。
「おっさんじゃん…」
「おい。」
本当に、未来のスマイルなんだ…
よく見てみると高校生の俺より大人っぽくて、落ち着いてるし、ちょっとカッコいい…かも…?
「寝て起きたら、この部屋にいた。元の世界に帰ろうとしたけど、帰り方が分からん。」
淡々とまるで他人事かのように話をするすまいる。
「ほんとに、何も心あたりないの?」
「……あ。」
俺が聞くと、すまいるが何かを思い出したように小さく呟いた。
「なに?なんかあるの?」
「そういえば…Nakamuに小瓶渡されたな…。」
「え、小瓶?」
「あぁ。『試してほしい薬がある』とか言ってた気がする。」
「その薬飲んだの?」
「あぁ。」
「絶対それじゃん…」
大人になっても変わらない様子のNakamuにホッとしたような、呆れたような、複雑な気持ちになる。
「これからどうするの?」
「…まぁ、戻り方が分かるまでどこかで暮らすしかないな。」
やっぱり、Nakamuのつくった薬の効果がどれくらい続くか分からないしとりあえず待つしかないのか。
「あ、そうだ。」
「?」
すまいるが何かを思いついたかのように、ちょっとだけ嬉しそうな顔をしてこっちを見る。
「きんときの家に行ってもいいか?」
「…は?」
目の前の男が出した提案に、椅子に座っているスマイルが声を上げた。
「冗談じゃない。俺は反対だ。」
スマイルが男を睨みつける。
普段感情を表に出すことが少ないスマイルが、ここまで感情的になっているのは珍しくて、なんだか新鮮だ。
「じゃあどうすんだ。」
「別にきんときの家じゃなくても、俺の家でいいだろ。」
「せっかく過去に来たのに、それじゃ面白くないだろ。」
「何だそれ。」
目の前でスマイル同士が言い合いをしている。
白熱していてなかなか終わりそうにない。
一方俺は、スマイルが提案を反対していることに疑問を抱いていた。
「なんで反対するの?俺は全然いいのに。」
思っていることをそのまま口にすると、スマイル達が言い合いをやめてこちらをみた。
「ダメだ。コイツが何するか分からん。」
「何するか分からないって…コイツも未来から来たとはいえスマイルなんでしょ?」
「それは…」
俺がそう言うと、スマイルが口を噤む。
「ほら、きんときもそう言ってる。」
すまいるはそう言うと、少しだけ得意げな顔でスマイルを見た。
「…分かった。けど、条件がある。」
「なに?」
「俺もきんときの家に行く。」
「…え?」
あの後、スマイルがこの条件が呑めないなら許可しないと駄々をこねたので、結局、俺とスマイル2人の合計3人で、俺の家に泊まることになった。
「スマイルまで来る必要なかったんじゃないの?」
スマイルに近づいて小声で問う。
「いや、ある。もしアイツに襲われでもしたらどうするんだ。」
「お、襲われるって、、」
未来から来たとはいえ、アイツもスマイルなのに…
少し過保護すぎではないだろうか。
「腹減ったな…」
そんなことを思っていると、リビングにいるすまいるがそう言った。
時計を見ると、秒針は19時を指していた。
もうこんな時間になっていたのか。
「俺、なんか作ろうか?」
「お、本当か。」
俺がそう言うと、すまいるが嬉しそうな顔でこちらを見る。
未来から来たすまいるは、今のスマイルより表情豊かで感情が分かりやすい。
「うん。簡単なのでもいい?」
「あぁ。」
料理の準備をしながら、チラッとリビングの方を見ると、スマイルがソファに座るすまいるを軽く睨んでいた。
そんなに心配しなくてもいいのにな…。
できた料理をテーブルに並べていると、さっきまでテレビを見ていたすまいるが寄ってきた。
「美味そうだな。」
俺の隣にスマイルが座り、俺の向かいにすまいるが座って、いただきますをする。
「美味いな。」
「…ほんと?」
「あぁ。きんときは料理上手だな。」
お皿に盛り付けられた生姜焼きを食べたすまいるがそう言う。
テーブルに並んでいるのは、初心者でもできる簡単な料理なのに、目の前のすまいるは普段は絶対見せないような柔らかな笑みを浮かべて、俺の料理を褒めてくれた。
「そんなことないよ、、」
優しい笑みを浮かべるすまいるも、褒められるのも、なんだか気恥ずかしくて目の前のすまいるから目を逸らす。
いつもは見せない優しい笑みが心臓に悪い。
「…ご馳走様。」
ご飯が進んで十数分経ったタイミングで、横に座っていたスマイルが席を立った。
「あれ?もういいの?」
「あぁ。…ちょっとコンビニ行ってくる。」
スマイルはそう言うと、ポケットに財布とスマホを突っ込んで、部屋を出て行ってしまった。
部屋には俺とすまいるだけが残され、2人きりになる。
そういえばスマイル、食事中も全然喋らなかったな…。何かあったのだろうか。
「きんとき、風呂沸いたぞ。」
そんなことを思っていると、すまいるがそう言った。
まぁ、スマイルが喋らないことなんていつものことだから、そんなに気にしなくてもいいか。
あのあと、洗い物はすまいるがやってくれるというので、食器の片付けはすまいるに任せて、俺はお風呂に入った。湯船に浸かりながら、今日の出来事を振り返る。
起きていることがあまりにファンタジーだけど、時間が経てば、起きている事実を受け入れはじめている自分がいた。
なんだかんだ、俺の家に泊まらせているし。
「…あ。そういえば、寝る場所考えてなかったな…。」
ベッドは2人に譲って、俺はソファで寝るか。
あの2人、また言い合いしないといいけど…
そんなことを考えていたとき。
ガラッ
お風呂のドアが開いた音がした。
「え、すまいる、⁉︎」
見てみると、服を脱いだすまいるがお風呂場に入ってきていた。
「何入ってきてんだよッ!」
俺がまだ入ってる途中だぞ。何を考えているんだコイツは。
「別にいいだろ。一緒に入っても。」
俺が声をあげても、すまいるは表情ひとつ変えずに湯船に入ってくる。
「はぁ…?」
…なんかもうコイツに何言っても無駄な気がする。
諦めて、さも当たり前かのように湯船に入るすまいるを見守る。
「そんな嫌そうな顔するなよ。」
「いや、するだろ。」
俺とすまいるで向かい合わせで湯船に浸かる。
「未来のお前なら喜ぶのにな。」
「未来の、俺…?」
そうか。コイツが来たのは未来の世界からだから、未来の俺のことも当然知っているだろう。
「…未来の俺は、どんな感じなの?」
「可愛いぞ。優しくて頼りにもなる。」
「…へぇ。」
好奇心のままに聞いたが未来の俺の話を聞いても、いまいちイメージが湧かなかった。
やっぱり未来よりも今を気にする方が俺には合っているのかもしれない。未来の俺が幸せならそれでいいか。
暖かい湯気が浴室を覆う。
ふと、前をみると湯気で頬を紅く染めたすまいるが目に入る。
大きい胸板も、湯船に浸かっている腹筋も、高校生の俺にはどれも妖艶に見えた。
「…見過ぎだろ。」
「ッ…」
俺の視線に気付いたのか、すまいるが口角を上げ、意地悪な笑みを浮かべる。
そんな些細な仕草にも色気を感じてしまったことが悔しくて、すまいるから目を逸らした。
「ほんとウブだな。」
「ッ!そんなことッ!」
「かわいい。」
「っ…」
ふわっと優しく笑うすまいるを見て、顔がさらに熱くなるのを感じた。
やめろ。お前そんなキャラじゃないだろ。
「照れすぎ。」
「あ、当たり前だろッ!言われ慣れてないんだから、!」
揶揄われたのが恥ずかしくて、反射的にそう返す。
まぁでも、言われ慣れていないのは本当だ。
スマイルはコイツみたいに、普段から俺のことなんて褒めたりしないし、優しく笑ったりなんてこともしない。
だから、スマイルと同じ声と顔で褒められたら照れてしまうのは当たり前なのだ。俺のせいじゃない。
「へぇ…?」
俺が自分にそう言い聞かせていると、すまいるがニヤリと口角を上げた。
あ、なんか、、嫌な予感がする…
「お、おれ、もう出るからッ!」
逃げた方がいい、と本能的に思って浴槽を立ち上がろうとすると、パシッと手首を掴まれ
た。
「えっ?」
「逃げんなよ。」
「うわッ!」
そのままグイッと手首を引かれ、バランスを崩した俺はすまいるの胸板に倒れ込む。
見上げると、至近距離で俺を見つめる紫色の瞳と目が合った。ギラギラと光るその瞳が、俺の瞳を掴んで離さない。
(あ、食われる…)
そう思って、逃げようと胸板を押し返そうとしたとき。
ドタドタッ
「?」
浴室の外から、ドタバタと足音が聞こえてきた。
「…やっと帰ってきたか。」
「え?」
すまいるの言葉に首を傾げていると、
ガラッ
浴室の扉が勢いよく開いた。
「きんときッ!」
「スマイル…?」
扉の前で立っていたのは、息を切らして肩を上下に動かしているスマイルだった。
俺とすまいるを見て、驚いたように目を見開いている。
「きんときから離れろっ!」
スマイルはそういうと俺をすまいるから引き剥がした。俺を湯船から出して、すまいるから守るように背後に隠す。
「帰ってきてリビングに誰もいないから、まさかと思ったが…人の恋人に何してんだよ。」
スマイルの声色からスマイルが怒っていることは見なくとも分かった。
「俺のきんときに勝手に触るな。」
「いいだろ少しぐらい。俺もお前なんだから。」
すまいるはそう言うと、スマイルの方を見て挑発的な笑みを浮かべた。
「きんときも嫌そうじゃなかったけどな?」
「何言って…」
「ちょっと褒めただけで尻尾振って喜んでたぞ。」
「…は?」
男の言葉を聞いて、スマイルが咎めるように俺を見た。
(あ、これはまずい…)
危険を感じて逃げようとしたが、そんなの許さないと言わんばかりに手首をガシッと掴まれる。
見上げると、怒りを隠そうともしない紫色の瞳と目が合った。
「…どうやらお仕置きが必要みたいだな?きんとき。」
「あ、、いや、、」
「…お前が誰のものなのか、ちゃんと教えてやるよ。」
味方がいなくなったこの空間で、俺に逃げる場所なんてなかった。
あとがき。
続き出します。
今回ちゃんと確認してないので、誤字が多いかもしれませんが大目に見てくれると嬉しいです。
コメント
4件
ぃゃぁぁぁぁぁ!(?) めっちゃ好きすぎる!親にどうした?って言われるほどニヤついてしまいました…続き待ってます!
ぺ? すこまる、っぱwt攻め受け両方いけること改めて知らされた え、いいねこれ(粉みかん)